今回はセロさん回になります。
もね」
イオリが少しだけ興味を示しているかのように呟く。
そして次なるステージが姿を表した。
前回の鉄の森とは違い、今度はかなり近未来的なステージだった。
硬質的な質感こそ一緒かもしれないが、そのステージには数多の光の線が走っている。そしてその線は時折激しく明滅する。
そして刺々しい見た目ではなく、高低差の激しいものだった。
「うわー!今度はT+の世界みたいだ!かっこいい!!」
阿久都のテンションがすごく上がっている。やはりハイテクな世界観というのは少年心を刺激するのだろうか。
そしてアナウンスが響く。
『続いての試合です。ランクC セロ ランクC レオニス ランクB ヴェルナ ランクD カイゼル ランクA シエル ランクB ノクタ 形式 バトルロイヤル ステージ エレクトロニカ』
呼ばれたのはセロだ。
「おっと、私か。……あまり戦闘は得意ではないのだがね」
少し困ったような口調に聞こえるが……本心はどうなのかは分からない。なにせ、仮面でずっと顔が隠れているからだ。ここに来てからではなく、デフォルトで仮面があるので、表情は読み取れない。
「まあ、やるだけやってみるさ」
そう言うと、外套を翻しステージへと進む。
ステージに降り立った6人の選手。
黒髪の青年、紫の長髪の女性、大柄にしっかりと武装をした男性、銀髪の細身の男性、フードを目深に被った男性、そしてセロだ。
明滅の激しいステージに降り立った6人は、辺りを見渡す。
「なるほど、今回はエレクトロニカか。仕掛けをどう使ったものか」
そう呟いて考えるような動作をしたのは、黒髪の青年のレオニス。長剣を持っていて、服装自体は軽そうだが強度のある防具はつけている。
「罠だらけって、ちょっと戦いにくいかも……」
少し嫌そうな顔をしているのは、紫髪の女性のヴェルナ。ローブに魔導書、まさに魔道士の装いだ。
「小細工は嫌いだが、まあかかって来いってな」
大斧を担ぎ上げて出てきたのは武装した大男のカイゼル。身長は2メートルを超えているようで、このメンバーの中で最も大柄だ。
「遮蔽物が多いのは困るけど高さはありがたいかな……」
ブツブツと周りを見ながら呟くのはシエル。細身だが今回のメンバーの中では一番の高ランクだ。
「得意分野だな」
フードを目深に被っているが、口は大きく歪んでいた。ノクタだ。反応を見るに悪巧みは得意なのかもしれない。
セロは辺りを見渡す。障害物が多く、壁にはレバーやスイッチなどが見受けられる。おそらくギミックの類いだろう。
「なるほど、だいたい理解したよ」
そう、今回のステージでは数多の仕掛けが施されている。その仕掛けを上手く扱うことが勝利の鍵となる。
「楽しませてもらおうか」
小声でセロは呟いた。
『試合開始』
大きなブザーが鳴り響く。
ブザー音と同時に選手たちは手近にあるレバーやスイッチに向かって走り出した。
スイッチやレバーを動かすと、ギミックが一斉に動き出す。
ステージの床がせり出してきたり、床が出現したり、電気柵が起動したりとやたらに動くステージ。
セロは焦ることなく冷静に見切って足場を飛び移り、柵を躱す。レオニス達も動かない場所に走っている。
どうやらレバーやスイッチを押すと、近くのギミックが動く仕組み。しかし、どの仕掛けが動いて何が発生するかは理解はしていない、と言ったところだ。
「闇雲に動いてどうこうなるわけではない、と言ったところだね」
周りの選手たちは仕掛けを動かされて不利に陥るくらいなら先に動かして有利に、が行動原理だと思えた。
セロはゆっくり模索している時間はないので、躱しながら辺りを観察する。
「あなた、さっきから逃げてるだけね?」
セロの近くから声が聞こえたかと思うと、鏡のような壁が出現し何かが跳ね返ってセロの方へ飛んでくる。
「おっと」
セロは軽い身のこなしで跳ね返ってきたレーザーを躱す。レーザーが飛んできた方を見ると、鏡に見えたのは反射板のようだ。光学式のレーザーを反射するためのものだと推測した。
「うわ……レーザーかわすなんてなんなのよ、あなた」
嫌そうな声を上げていたのは先程いた紫髪の女性。
魔導書を浮かせながら出てくる。
辺りは凸凹と壁が出ていて見通しは良くない。だが、気配を感じるに他の選手はやや離れているように思えた。
「君は魔道士かな?装いからそう判断しただけだがね」
魔道士の女性……ヴェルナはふん、と鼻を鳴らす。
「まあ、見ればわかるわよね」
ヴェルナは目を細めてセロを見る。
「他の連中は離れているみたいだし、先にあんたから片付けさせてもらうわ」
そう言うと魔導書を前に構えて魔力を高める。
バチバチと音を立ててヴェルナの魔力が膨れ上がっていく。
「おや、すごいね」
魔力が上がり臨戦態勢状態の相手を見ての感想がそれ。その言葉にヴェルナは少し苛立つ。
「武器も持ってないのに随分余裕ね!」
セロを指さし詠唱をする。
「——天を覆え、紫紺の雷雲。地を穿て裁断の雷光。
その境界に在るすべてを我が雷域へと繋ぎ止めよ。
天より降り、地より昇れ。
一条は千条へ、千条は万条へ。
法なく、則なく、予兆なく――
紫電よ、荒れ狂え。
抗う者には天雷を。
もはや逃れる空隙なし。
集え、紫電。
重なれ、雷光。
万雷をただ一点へ。
――我が声を終焉の鐘とせよ。
《紫極天牢
作り物の天井に暗雲が立ち込める。
ただの黒い雲ではなく、紫色の雲。
広範囲にその姿を伸ばし、そこから無数の雷が降り注ぐ。
雷は狙いを定めてのものではないようで、矢鱈に降り注いでいた。
「おや、これは骨が折れそうなものだね」
どう考えても絶望的な状況だ。それでも尚飄々とした態度を保っているのだ。
セロはその場で軽く飛ぶと走り出す。
ランダムに降り注ぐ雷を見切っている。
いや、違う。
セロは床を見ていた。床には雷が降る少し前に紫色の光が薄く現れていた。それを予兆と判断して回避。
轟音を立てて雷が降り注ぐが、紙一重の回避。
「何?!まさか避けるつもり?!
……無駄よ、これは避けられないんだから!」
ヴェルナはニヤリと笑う。
ランダムな雷なら予兆を見て良ければいいが、セロには雷の壁が迫ってきていた。
「なるほど、ランダムに見せかけて中央へ誘っていると……」
セロは口の端を少し上げる。
「つまりこの壁を避けるのが正解、だね」
そう呟くと手近にあるスイッチに思い切り蹴りを入れる。
激しい衝撃を受けたスイッチに火花が散る。
そして、起動スイッチが破損したことにより仕掛けが誤作動を起こす。
本来床がゆっくり上昇しなければいけないはずのところを、急速に上昇。
セロは近くにある足場に飛び乗る。上昇した床は柱となり、それを壁として扱い蹴って別の足場へ。
軽快な動きで次々と降る雷を避けていく。
凡そ素人ができる動きではない。アクロバットとも言えるだろう動きをしている。
「嘘でしょ、本気で避ける気?!」
ヴェルナがセロの動きを目で追うが、身のこなしが並外れている。
セロが一旦立ち止まる。
ヴェルナはそれを見過ごさずに追撃をする。
最終的には雷の壁に挟まれて終わりとは言えど、あの身のこなしからただ傍観している暇はないと判断し、単発の落雷を狙った位置に落とそうと考えた。
「紫雷、我が命に応えよ!」
セロの位置へ正確に座標を合わせて雷を落とす。
だが。
落雷の予兆の放電が走った時にセロは軽く横に飛ぶ。
避けたその場所に雷が落ちたが、その場所にはスイッチの回路があった。
雷には強い電流がある。つまり、回路に高圧の電気なんか流してしまえば壊れるのは必然。
回路はショートし、周囲のギミックの誤作動が始まる。
周囲にあるギミックがデタラメに動き出す。
辺りが飛び出たギミックがバラバラの高さで乱立している状態へとなった。
セロはすかさずその乱立している柱を蹴りながら上へと登っていく。
そして高く登り、雷の壁を飛び越える。
飛び越えた後に雷の壁は中央へ収束し、弾けて消滅する。
「そんな馬鹿な……?!」
防御や相殺で防ごうとしたものは数知れずだが、いずれも無傷とはいかなかった。少なからず負傷してしまうものだったが、まさか雷の迫る壁を飛び越えるものがいるとは思ってもいなかった。
消滅したのを確認してセロは低い柱へと順番に飛び降り、ふわりと着地する。
「さて、状況は変わったね。ひっくり返させてもらおうか」
素早くセロはヴェルナとの間を詰める。
「まずっ……紫雷っ……!」
「残念だがもうさせないよ」
セロはヴェルナの手首を引き、前のめりにさせる。
そして、ヴェルナの背中と腹を肘と膝で挟めた。
「う゛あ゙っ……?!」
腹部への強い衝撃で胃の中の物がせり上がってくる。
その場に倒れ込むが、まだ意識は失っていない。
ヴェルナは既に大きいダメージで体力が激減していた。しかも腹部をやられた為に声が上手く出ない。
床を這いずるしかできない。だが、もう少しで声が出そうだったから、それで反撃を——
「おや、これはなんのボタンかな?」
と、声がしてカチッと音が鳴った時、
バチンッ
と音がして電気がヴェルナに走る。
「あ゙っ……」
それは正常な動作ではなく単純なショートの誤作動。
短時間とはいえ電流が流れ、ヴェルナは意識を失った。
「……ああ、そうか。壊れていたか」
ふむ、とあごを触りながらヴェルナを見ていた。
どうやら先程の魔法であちこち壊れていたようだった。ここは電気やそれらで動くギミックだから当然と言えば当然だが。
「さて、まずは1人かな」
軽くマントに付いた塵を払い歩き出す。
◇◇◇◇
かくや他の方面では、レオニスが脱落していた。
「どうやら派手な魔法が炸裂したみたいだな」
あの中で魔法を使うのはヴェルナだ。見た目からして魔法使いなのは分かる。ヴェルナは広範囲魔法の使い手なのは地下闘技場では有名なので、雷鳴が鳴り響いているところ、向こうでも戦闘が起きていたようだ。
「手間が減るのは良いことだからな!」
そうしてカイゼルが斧を構えると、
「重量級かな?立派な武器だね」
上から声がし、カイゼルは上を見上げる。
高い足場の上に座っていたのは仮面をつけている人間。
カイゼルはぎょっとし、セロのいる足場から少し距離をとる。
「テメェ、いつの間にいやがった」
セロは足場から飛び降りカイゼルの前へ立つ。
「つい先程ここに着いたんだ。魔法使いの女性を戦闘不能にしたのでね」
魔法使いの女性。ヴェルナだ。
カイゼルは眉を顰める。
「……はあ?あんな大規模魔法が発動したのに、あんた無傷なのか?」
例え運良く防御系のギミックが発動したとしても、あれだけの高魔力で大規模の魔法だ。戦闘不能を免れても傷は負うはずなのに、セロの見た目からは負傷の欠片1つ見えやしない。
「ああ、運が良かったようだね」
全く掴めない人物だ。
どう切り抜けたかも分からなければ、見た目だけでは武器も持っていないように思える。
選手としては見たことがないが、もしかして
もし魔法使いだと言うのなら、距離を詰めてしまえば勝ったようなものだ。
カイゼルは大斧を握り直し、
「……先手必勝!」
そう叫んで突進する。
カイゼルは2メートル強の巨体。小柄な相手ならば突進だけでも大きなダメージに相当する。
加速する巨体の突進にセロは逃げも隠れもしない。
諦めたのか?と思ったが——
セロはそのままカイゼルを軽い力で受け流す。
カイゼルの身体に僅かに触れて力を減衰させずに流したことにより、標的を失う。
しかし、加速したその身体をそう簡単には止められず、壁に激突した。
衝撃が強かったのか、壁がへこんでいる。
「ちぃ……小賢しいことしやがる」
さすがに壁に激突した程度ではそれほど大きなダメージにはならないのだろう。
「だが、お前みたいな細っこいやつが俺に勝てると思ってんのか?」
体格差的に相手は余裕そうな笑みを浮かべている。
「さあ……?どうだろうね」
かく言うセロも余裕そうな笑みを崩さない。
その余裕そうな様子を見てカイゼルは苛ついたのか、大斧を振り上げてセロに振り下ろしてくる。
セロはまたすぐには動かない。
斧が振り下ろされる少し手前、セロは身体を屈めてカイゼルの懐へ入り込む。
下がるかと思いきや前に踏み出たことにより、対象を見失う。
思い切り振り下ろしたことによりカイゼルの身体が少しだけ浮くが、セロはそこを見逃さずに潜り込む。
腰を支点にしてカイゼルの腕を引くと、カイゼルの巨体は浮き上がり回転。
床へ背中から叩きつけられる。
「んなっ……?!」
体格が倍までいかずとも明らかに差がある状況で、カイゼルの運動能力を利用して投げる。
驚くべき力の利用の仕方だった。
しかし、カイゼルはすぐに起き上がる。
「……勝った気になってんのか?」
セロはやれやれと言わんばかりの仕草を取る。
「まさか。これでやられてしまうのはつまらないよね」
そしてカイゼルは近くにあったレバーを引くと、カイゼルの足場が上昇する。
5mほど上がったところでカイゼルは斧を上段構えにして飛び降り、セロ目掛けて振り下ろす。
上からの攻撃、逃がす場所などないかと思っていた。 だが。
セロは不敵に笑い、
「ワンパターンは良くないね」
そう言うが動かない。衝突寸前、セロは半歩ずれる。
そして、腕を取り足払いをかける。
体を捻り、カイゼルを横に投げ飛ばした。
またしても力の流用をして軽々と飛ばしてみせる。
先程は突進だけだったが、落下と自重でかなりの勢いがあったため、肺の空気が一時的に抜ける。
多少の脳震盪で少し起き上がるのに時間がかかった。
セロは、
「さて、このレバーは何かな」
と言い、レバーを引くとカイゼルの下に大穴が現れる。
「なっ……!」
そこまで大きなダメージでは無いとはいえ、多少動きが鈍くなっていた。
抵抗虚しくカイゼルは穴へと落下していった。
セロは歩いて穴の近くまで行き、覗き込む。
穴ははるか深いところまで延びているのか、暗澹たる底なしの闇が広がっている。
「ふむ……どこまで広がっているのか気になるところではあるが、さすがに危険かな」
近くではシエルとノクタの勝負が繰り広げられていたが、どうやら戦闘音が止んだところを察するに、勝負は着いたらしい。
歩いてきたのは……ノクタだ。
フードは被ったままだが、目がギラつき口は大きく歪んでいる。
ノクタは歩きながら壁にあるスイッチを押すと、ステージが大きく動き出す。
どうやらステージの配置が変わったらしい。
「凄い仕掛けだね、面白い」
残るはノクタとセロ。
一騎打ちだ。
ノクタの手からキラリと光るものが長く伸びている。
ノクタが光る1本を引くと、ガコンという音がし、セロの近くにレーザーが照射される。
軽く後ろに飛んで躱すがノクタは続いて別の糸を引く。すると、リフトが動き出しセロの足場が移動する。
どうやらノクタは複数のワイヤーをレバーに結びつけているようで、ワイヤーを引けは作動する仕組みのようだ。
次のワイヤーを引くとまたレーザーがセロに向かって放たれる。
セロはリフトを降りてレーザーを回避するが、ノクタは対応した仕掛けをタイミングよく作動させて攻撃に転じている。
「これは少々厄介だね」
ノクタはニヤリと笑う。
「ここまでこれるかな?」
見るに、ノクタの周囲には複数のワイヤーがあるようで、張り巡らされているようだ。
このままでは防戦一方と言ったところだ。
ノクタが別のワイヤーを引く。
セロの目の前にリフトが降りてきて、そのリフトにはレーザーガン。
避けられない。
そう思ったが、セロはそのリフトを蹴りあげる。
下から上への衝撃でリフトは上にスライドし、レーザーはセロには当たらずに照射したまま上がったが、張り巡らされていたワイヤーに命中する。
レーザーでワイヤーは焼き切られ、ちぎれる。
まさかの行動にノクタは目を見開く。
「……は?」
だがすぐにノクタは次の手を出す。
ワイヤーを引くとセロの足場が電流床になるが、セロは壁を蹴って飛び越える。
セロが何故か1歩先を行く。
「どこが動くかわかってるのか?!」
ノクタは焦る。このステージにはかなりの数のギミックがあるはずなのに、まるで予見しているかのようなセロの動き。
しかも、最初にステージの配置を変えたにも関わらずセロは読んでいるかのような動きだ。
「ほぼ記憶済みだ、さあこちらの手番だね?」
「くそっ……!」
ノクタは後ろに下がりワープゾーンに入る。
ワープが起動してノクタの姿が消える。
別の場所に一度移動して体勢を立て直そうとする。
場所が変わったが横から蹴りが入る。
「なっ……?!」
飛んだ先のワープゾーンに既にセロがいる。
(こいつ、転移先を覚えている……?!)
吹き飛びながらノクタは別のスイッチを押す。
ベルトコンベアが動き出す。続いて別のスイッチを押すと、ベルトコンベアの移動先で火炎放射。
セロはすかさず別のスイッチを押す。すると、ベルトコンベア逆転。
「くっそ!こいつギミックの位置を覚えてやがる!」
いよいよノクタが苛立ってきた。
独壇場と思っていた場が逆転した。
ノクタがセロの背後にあるスイッチ目掛けてナイフを投げるが、セロはナイフを弾いて軌道を逸らす。
別のスイッチが起動。
ノクタの足元がセロの方向へ動き出す。
急に動いたことでバランスを崩したが、ワイヤーをのばして何とか反撃しようとするが、ワイヤーをセロが掴んで引き寄せる。
ギミックの運動能力によりノクタは浮き上がり、顎に蹴りが入る。
「がっ?!」
浮き上がったノクタの身体をセロは掴んで床に叩きつける。
「……さて、まだ動くかい?」
連続の攻撃でノクタは気絶していた。
その時、ブザー音が鳴り響いた。
『勝者 セロ』
怒涛のギミック対決は終わりを迎えた。
◇◇◇◇
観客席。
「もう後半から何起きてたのか分からねぇ……」
毛玉がかしかし頭を掻きながら呟く。
「あー……、あれだろ、レバーを動かすとスイッチ起動みたいな……」
まったく要領を得ない説明をしようとしているヌル。
「なるほど、わからん」
何故かドヤ顔になる毛玉。
「複雑なギミックがレバーやスイッチによって起動するが、どれがどう動くかは全くの不明……ということだね」
ソニドリが理解したことを端的に説明する。
「なるほどわからん」
「…………」
そこはわかってくれと思うが分からなかったようだ。
そしてセロが戻ってくる。
「やあ、ただいま」
仲間達が駆け寄る。
「おい、仕掛け覚えたってマジなのかよ」
徹がセロに聞く。
「ふふ、どうだろうね」
否定も肯定もしなかった。セロに関する謎が深まっただけであった。
果たして全部覚えていたのだろうか……