メガゾーン23 ― ガーランド計画 ―   作:tell M.G.

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第5話 異形

空間を裂くように現れた、人型兵器。

 

細い。

あまりにも細いシルエット。

 

人の形をしているはずなのに、どこか均衡が崩れている。

 

無駄な装甲は一切ない。

必要最低限のフレームだけで構成されたような、研ぎ澄まされた外形。

 

関節は露出し、四肢は異様なほど長い。

 

だが――

 

不安定さは感じない。

むしろ逆だ。

 

その構造すべてが、“機動するためだけに最適化されている”

と直感させる。

 

頭部は小さく、感情を持たない無機質なセンサー群。

視線を感じることすらない。

 

それでも――

 

「見られている」

 

そう錯覚するほどの圧があった。

次の瞬間。

 

“消えた”。

 

いや、違う。

 

速すぎて、視界から消えた。

次の瞬間――

 

「左翼――!」

 

通信が入る。

だが、最後まで言葉にはならなかった。

 

閃光。

 

左翼に展開していたハーガンが、一瞬で爆散する。

 

「なっ……!?」

 

反応する暇すらない。

人型はすでに次の獲物へ向かっていた。

後方のハーガン。

一直線に、迷いなく距離を詰めていく。

 

「速い……!」

 

だが、その内の一機が――

こちらへ向きを変えた。

 

「来るか……!」

 

シックスへ突っ込んでくる。

一瞬の静寂。

次の瞬間、閃光が走る。

光一は咄嗟に機体を振る。

掠める熱線。

 

「チッ……!」

 

紙一重で回避。

すぐさまレーザーオーブライフルを構える。

 

「――当たれッ!」

 

引き金。

だが敵機も同時に回避。

 

細身の機体が滑るように軌道を変え、ビームをかわす。

 

「やっぱりそう来るか……!」

 

撃ち合いになる。

高速で交錯する光線。

 

そこへ――

 

「援護する!」

 

ハーガンが二機、横から飛び込んでくる。

包囲。

 

三方向からの攻撃。

だが人型は怯まない。

最小限の動きで弾幕を抜ける。

まるで、先が見えているかのように。

 

 

その頃、上空。

フラッガ隊は三角機と交戦していた。

 

「くそっ、追いつけない!」

 

三角機一機に対し、フラッガ二機で対応。

だが機動力が違う。

上下左右、予測不能な軌道。

翻弄される。

 

一機が被弾。

機体が大きく揺れる。

 

「やられ――!」

 

だが、そのまま。

スロットル全開。

 

「――落ちろぉぉッ!!」

 

損傷したフラッガが、そのまま三角機へ突っ込む。

 

激突。

 

閃光。

 

爆発。

 

「一機撃破……!」

 

 

再び、地上。

ハーガン二機が、一機の人型を追い詰めていた。

 

「逃がすな!」

 

機動力では劣る。

だが、数と連携で押し込む。

回避の幅を削る。

 

そこへ――

 

シックスが滑り込む。

 

「今だ……!」

 

ハーガンに意識を向けた、その一瞬。

光一は逃さない。

ライフルを構える。

照準、固定。

 

「もらった!」

 

発射。

 

直撃。

 

細身の機体が、中心から貫かれる。

 

遅れて、爆発。

 

「一機、撃墜!」

 

 

息を吐く間もない。

まだ終わっていない。

 

残りの敵影が、戦場を駆ける。

光一は視線を上げる。

 

「……次だ」

 

シックスを加速させる。

新たな標的へ。

 

戦いは、まだ続く。

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