メガゾーン23 ― ガーランド計画 ―   作:tell M.G.

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最終話 7G

もう一機の人型は――

ハーガン隊四機がかりで、ようやく撃破した。

 

だが、代償は大きい。

二機が被弾。

戦闘不能。

 

「くそっ……!」

 

戦力が削られていく。

そして――

 

最後の一機。

 

それは、明らかに別格だった。

動きが違う。

判断が違う。

 

「……こいつが、エースか」

 

その直後。

 

さらに二機のハーガンが撃ち抜かれる。

 

正確無比な射撃。

無駄のない動き。

残る戦力が、一気に減る。

 

 

上空では――

フラッガ隊が散開。

三角機を包囲する。

 

「囲め!逃がすな!」

 

連携の末、さらに一機を撃破。

だが――

 

被弾機も多い。

すでに限界に近い。

 

「残り三機で交戦を継続……!」

 

消耗戦。

空もまた、余裕はなかった。

 

 

再び、地上。

残るハーガンとシックス。

連携して、エース機を囲む。

 

「いくぞ……!」

 

シックスが撃つ。

回避される。

その先へ――

 

ハーガンが撃つ。

だが。

 

「当たらない……!」

 

紙一重。

すべて見切っているかのような回避。

次の瞬間。

 

人型が、一気に距離を詰めてくる。

 

「来るぞ!」

 

ハーガンが後退する。

だが――遅い。

 

至近距離。

閃光。

脚部を撃ち抜かれる。

 

「うわぁぁッ!」

 

ハーガンが倒れる。

そのまま。

人型が振り返る。

 

標的は――シックス。

 

「――ッ!」

 

発砲。

回避が、わずかに遅れる。

左肩に直撃。

装甲が弾け飛ぶ。

 

「ぐっ……!」

 

左腕、機能停止。

それでも――

 

シックスは止まらない。

右へ回避運動。

 

「まだ、動ける……!」

 

光一は引き金を引く。

だが、当たらない。

 

「くっ……!」

 

その瞬間。

敵の反撃。

 

ライフルが火を噴く。

直撃。

 

シックスの右脚が吹き飛ぶ。

バランスが崩れる。

 

「――まずい!」

 

即座に判断。

 

「マニューバクラフトへ移行!」

 

思考が伝達される。

機体が応答。

 

変形。

 

バイク形態へ。

辛うじて機動を維持する。

 

だが――

 

「武装が……!」

 

迎撃手段は、ない。

逃げるか。

囮になるか。

 

その時。

 

「――こちら、まだ生きてる」

 

通信。

倒れていたハーガンからだ。

脚部は損傷。

だが、他は生きている。

 

「照準は合わせてる……引きつけろ!」

 

短い言葉。

だが、十分だった。

 

「……了解」

 

光一は息を吐く。

シックスを加速させる。

エース機の周囲を旋回。

 

「こっちだ……!」

 

敵の注意を引く。

人型が反応。

ライフルを構える。

 

発砲。

 

ギリギリで回避。

だが――

 

「っ……!」

 

かすめる。

後輪部に被弾。

制御が乱れる。

 

スリップ。

 

「うわっ――!」

 

シックス、転倒。

地面を滑る。

視界が揺れる。

そのまま

人型が、迫る。

 

終わる――

 

その瞬間。

爆発。

 

敵人型の背部が弾け飛ぶ。

 

「……っ!?」

 

人型が振り返る。

 

だが、遅い。

さらに――

 

正面からの一撃。

 

直撃。

 

装甲が貫かれる。

内部から崩壊。

遅れて、爆発。

 

沈黙。

 

 

静寂が戻る。

 

「……やったか」

 

光一は息を吐く。

視線の先。

 

煙の向こうに――

 

倒れたハーガン。

 

その銃口が、まだ敵のいた方向を向いていた。

 

 

上空では――

 

フラッガ隊三機が、なおも三角機と交戦していた。

互いに撃ち合う。

 

回避と反撃。

限界の機動戦。

その中で――

 

一機のフラッガが被弾する。

機体が大きく揺れる。

 

「くっ……!」

 

だが、崩れない。

その瞬間。

 

地上。

最後の人型兵器が、沈黙した。

爆炎の中、完全に機能を停止する。

 

――決着。

 

それを見たかのように

三角機が動きを変える。

 

一気に、後退。

 

「……撤退?」

 

追撃する余力は、もうない。

フラッガ隊も、ただ見送るしかなかった。

やがて。

 

敵影は、戦域から消えた。

 

 

静寂。

戦闘終了。

甚大な被害。

 

多くの機体が損傷し、あるいは動かない。

それでも――

 

「……勝った、のか」

 

辛うじて。

 

敵部隊を撤退へと追い込んだ。

それだけが、唯一の成果だった。

 

 

数日後。

 

格納庫。

まだ修理の匂いが残る中――

 

佐原が声をかける。

 

「よう、榊原」

 

振り返る。

 

「また新しい機体、組み上げてるぞ」

 

「……もうか?」

 

「ああ。先日のシックスの戦闘データ、全部突っ込んでる」

 

軽く肩をすくめる。

 

「ガーランドセブン、だってさ」

 

光一はわずかに眉を動かす。

 

「セブン……」

 

「シックスがかなり安定してたからな。ちょい改修して、とりあえず完成って話だ」

 

佐原は苦笑する。

 

「見た目はほとんど変わらん。兵器としては……まあ、ハーガンに毛が生えたくらいか」

 

光一は小さく息を吐く。

 

「……で、セブンもテストするのか?」

 

佐原は首を振る。

 

「いや。今回は“完成品”扱いらしい」

 

「完成品?」

 

「どっかの会社に引き渡すんだとさ。テストライダーが乗るとかなんとか……正直、よく分からん」

 

少し間を置いて。

 

「ここには来ないらしいぞ」

 

沈黙。

 

光一は視線を落とす。

 

「……そうか」

 

そして、小さく呟く。

 

「じゃあ、俺もお役御免だな」

 

 

新たに生まれた機体――

 

ガーランドセブン。

 

それは後に

一人のテストライダーから一般人の手に渡り――

 

“7G”と呼ばれる存在の、特別な機体となる。

 

 

 

 

 

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