TSして美少女になった俺は今日も綺麗なお姉さんと一緒に日常を過ごしている 作:さらし首
「"あ"〜"疲れた。もう働きたくないっ。あんの残りハゲ上司さぁ〜定時ギリッギリの時間にっ中途半端な量の仕事寄越して来やがってさ。アイツの髪の状態と一緒だよ。中途半端に残さないで全部処理すれば良いのに……」
「はいはい。そうですねー。そしたら漢らしくて遅れてモテ期がやってくるかもしれないのに勿体無いですね」
午後九時ぐらい。大体それぐらいに、幸さんは一杯何処かでやってから帰ってくる。その時はこう言う感じなので、俺も適当に喋っていると言う訳だ。
「アハッ、あのハゲがモテまくったらウケるわ〜アハハハハ!」
毎回一杯だけだと幸さんは言うけど、絶対一杯じゃなくていっぱいだと思う。今度からアルコール検知器でも用意しようかな。そしたら、どれくらい飲んだか分かるし。
「上司さんの話は良いので、取り敢えずお風呂入ってきてくださいね」
俺がそう言うと。
「ねぇねぇ、遥もさぁ!たまには一緒に入ろうよ〜?その方がお風呂代安くなるし。二人で洗い合えばタイパ良くない?」
「確かにタイパは良いですけど、心の準備がまだなので今日は遠慮しておきます。お風呂が冷めちゃいますよ幸さん」
話を誤魔化して、何とかお風呂場へと幸さんの背中を押す。すると、ぐぅ〜っとお腹のなった音がした。どうやら食欲があるみたいだ。
「なんか、パッと食べれる様な物でも作ろうかな」
キッチンへと立ち、残っていたご飯でお茶漬けでも作る事にした。それなら、簡単だしサラサラッと胃の中に流し込める。よし、そうしよう。キッチンへと立ち、お茶漬けの支度を始めた。
「はぁ〜、良いお湯でしたぁ!ん?良い匂いが……」
「お茶漬け、冷やしと温かいのがありますけど。どうします?」
お湯を沸かしたケトルと、氷が入ったコップを見せる。すると、驚いた顔でこちらを見つめる。あれ、もしかしてお腹空いて無かったのか。
「あ、ごめんなさい。もしかしてお腹いっぱいでした?先程お腹が鳴っていたみたいだったので作ったんですけど……」
「いやいや、お腹は空いてる。空いてたんだけど、ちょっとびっくりしちゃってね!そうだお茶漬けの話だったよね?私今暑いから冷やしの方が良いかな」
そう言うと、冷えたコップとお茶碗を手にテーブルへと座る。それに倣うように俺も着席する。そして、二人揃ったところで湯と冷茶を茶碗に注ぐ。
「良い匂い……」
「ほっとする匂いですよねー」
暫し二人で匂いを堪能した後、合わせた訳でも無いのに声が揃った。
「「いただきますっ」」
数秒両手を合わせた後、まずは一口。
「あー」
「冷たっ。でもちょうど良いかも」
手で一口大に割った煎餅もしなしなでいつもとは違った食感で楽しく、そして美味しい。
「……」
「……」
それから暫く二人共無言で箸を進め、数分後には茶碗の中は空っぽになっていた。
「ご馳走様でした。美味しかった〜これでこのまま寝れたらどれだけ幸せか」
「ちゃんと、ベッドまで行ってくださいね?寝る方は楽でしょうけど、運ぶ方は大変なんですから」
「へーへー、分かりましたよ」
不貞腐れた様子の幸さんが、自分の部屋へ向かったのを見届けてから。一息付く。そして洗面所へ行き、顔を洗った後改めて鏡で自分の顔を見れば。
「変わって無いな」
鏡の中には、整った顔立ちの少女が当たり前の様にいる。それが俺である。今日も俺は、少女の姿でお姉さんと一緒に暮らしている。いつ元に戻るのか?それとも永遠にこのままなのか、考えながらこの居心地の良い生活を続けている。