銃にも青春にも勝てなさそうなんだが? 作:死にそうだけど頑張る人
退院祝いの一発ゥ!!
「「戦闘は極力禁止」」
『何故、何故、何故』
「貴方の攻撃が色々と不味いからですよ!!」
そ、そげな事言われても・・・
「ほら、見てくださいよ」
そう言って腕を捲ると先程の戦いで自分が叩き込んだ唯一の傷が現れた。
おぉ、えっなにこれ
自身が先程の突きで与えたダメージ、横一直線に並んだその黒い跡、つまりは自分の体の残りを見て直感が告げる。
『毒、解毒、必須』
その言葉を聞いたユメは変な声をあげて殺到し、ホシノは真顔のままモノの体を握り潰した。
「そんな物を私に、撃ち込んだんですか?」
『謝罪、謝罪、事故、事故』
本当にすみせんでした何とかします・・・
傷口に体を這わせてズズズ、と血液や壊死した細胞ごと自分の体を取り除く。
「・・・ぇえ?」
『何故、何故』
「いや治した貴方が何で驚いてるんですか!?」
患部から手を退ければあら不思議、傷が綺麗さっぱり無くなっているではありませんか
『知識、不在、我、無知』
「貴方の体だから貴方が1番理解していなくちゃ行けないのでは?」
はいその通りです完全に俺の知識不足でした以後気を付けます・・・
いやマジで一体全体俺は何をどうする為にこんなヘンテコ性能の体をしているんだよ
だがしかし、自分の生き物としての本能の部分は大いに役立っている事は現状で最もプラスの事柄だった。
気分的には複雑だが状況は好転しないので無理矢理転がさせてもらうしかない。オラッ転がれッ()
ホシノのアイアンクローを耐え切り体をかき集めて再形成しているとふと声を掛けられた。
「ていうか、さっきの戦い方は余り通用しないと思いますよ」
「まあ正直私もそう思うかなぁ・・・」
『何故、?』
「ぶっちゃけ貴方の観察してから反撃する戦闘スタイルは格上に通用する前にやられます。」
えっなにその俺が死ぬような語り方は?
もしかして銃とかある世界だけど殺人とかしちゃう人は普通にいる感じ?
そんなに死が友達感覚で顔出してくるような世界なの?
「あと、さっきみたいな棘?の射出みたいなのはダメです。」
『?』
「恐らく私ぐらい硬くないと体に穴、空きますよ?」
聞いた瞬間に土下座である。
『謝罪、謝罪、否定、殺害、否定』
「す、すごい・・・机に体がめり込んでる・・・!!」
人を殺しかけた実感なんて微塵も無いがそんな物は関係無い、寧ろ沸かなかった事が1番な問題なのだ。
明らかに人間社会で生きていく為の感覚を持ち合わせていない事の裏付けにも等しい事実だった。
俺、マジでとんでもないバケモンに生まれちゃったの?
忌み子とか天性のシリアルキラーみたいな生まれた瞬間から世界に害を成す存在とかなの?
『自分、我、私、異常、可能性』
「だ、大丈夫?」
全っ然大丈夫ではない。
何なら意識が3つぐらいに分裂しそうな感覚すらしてきた()
い、いや!!まだだ!!
何とか人間の感性に合わせて生活していけば多少なりとも人間寄りの感性に戻っていくはず!!
「・・・まあこの話は水に流してあげますよ。」
えっ
「逆に今知れて良かったですよ、後で問題を起こされたら困るのはこちらですので」
『謝罪、今後、改善、努力』
そんな簡単に許すのは流石にどうかと私思いますよぉ!?
そんなこんなで改善点は呆れる程見つかった訳だが、そこでまた一つ問題が浮き彫りになった。
いやぁ、にしても結構自分も動け・・・
グラッ
あぁ?
やば、目眩か?
突然目眩が?このタイミングで?
卓上でぷるぷると震えて黙るモノに違和感を覚えたのかユメが手を差し伸べる。
「大丈夫?体調とか悪いの?」
『肯定、目眩、発生』
やばい
目眩どころか吐き気と頭痛までしてきた
それに伴うようにモノの体も白くなり始め、視界がチカチカと明滅し何もかもが分からなくなる。
流石におかしいと思い始めたユメも視界の端であたふたと騒ぎ始めていた。
騒がしい奴だなと思っているとふと、温かな何かが眼前に迫ってくるのを感覚で感じた。
惹かれるがままにその温もりへと突き進んで行くと自然とモノの意識は落ちていった。
おはよう世界
いやおはようかは知らんが
やはり睡眠は神二日酔い以外の全てを消し去る神医療だと言うことが分かった所でここは何処ですか?*1
周りを見渡せばなんとなく既視感のある暗闇、自分の脳内で最後の景色と現在の状況を擦り合わせたら自ずとここが何処かは明確であった。
ユメの中、で良いんだよな?
この人間的な暖かさには既視感があった。
・・・なんかキモいな、言ってる事。
じゃあ状況確認も兼ねて一旦外に出させて貰いますよっと
そうして体を伸ばして体外に出した瞬間ー
「ぃぁ」
唐突な異音に驚き考える間もなく後ろを振り向くと、
『ユメ、無事、?、ユメ、?、ユメ、?』
ユメが椅子に座ったまま天井を見上げて固まり何かをただひたすらにぶつぶつと呟いていたのだ。
『状況、不明、最善、選択』
思い切って腕部を鋸の形状に整えて頭上で思い切り擦る
ギャリギャリギャリギャリッ!!
モノが取った行動は単純明快、この学校にまだホシノがいる事に賭けているのだ。
模擬戦で即興で組み上げた鋸の腕を擦り合わせて出る音を間近で聞いたホシノならばこれ程の大音量で音を鳴らせば気付いてくれると考えたからだ。
そうして音を鳴らし始めて数十秒もすれば廊下の向こう側から走る音を耳が捉えた。
「ユメ先輩ッ!!」
『ホシノ、ユメ、幻覚、覚醒、要求』
「はあっ!?何言って・・・ユメ先輩!?」
未だに虚空を見つめるユメを見つけた瞬間に駆け寄り顔を両手で鷲掴みにする。
「ユメ先輩!?聞こえてますか!?先輩!?」
『ホシノ、ユメ、体、要求』
モノの突然の要求にホシノの目線が鋭くなる
「何する気ですか?」
『振動、付与、ホシノ、声、継続』
そうしてユメの体に薄く纏わり付いたモノは座っている椅子も揺れる程の力でユメを揺らし始めた。
「は?あ・・・先輩起きてください!!」
ぺちぺちと頰を叩いていたりする内にどんどん焦点が定まってくる。
「・・・ぅあ?あえ?ほひのひゃん?」
『ホシノ、ユメ、正常』
「・・・良かった。」
どっと疲れが押し寄せたのかその場でへたり込むホシノに卓上に置いてあったペットボトルを差し出す。
無言で取られたが感謝はしているだろう。多分
「で、どうしてああなってたんですか?」
その発言に2人して固まる
『推測、自身、影響』
「・・・」
「?先輩?」
心当たりがある自分には想定内だと言う視線が向けられるがユメに関しては下を俯いたままだった。
「あ、あのね?ちょっと良いかな?」
『?、肯定』
話したい事があると言わんばかりの目線だったので特に考えずに口元に顔を寄せる。
「・・・君と私がすごい関係になっちゃったら、どうしたら良いと思う?」
『!?』
モノの意識は停止した。
お前は一体何を言っているんだ
しかし俺もよく分からないのは事実、しかも言葉を伝えるのが難しいと来た。
『ユメ、一任』
これが1番丸く収まるのでは?と宿主への信頼に全て任した。
「う、うぅ、でもどう言えばいいか分かんないよぉ」
ん?待て、その言い分だと俺より俺達の関係について深く知ってそうなんだが?
疑問を口にしようとするとユメがホシノを見据えて口を開いた。
「私はモノくんのパートナーです!!」
頭痛くなって来たな・・・