メガゾーン23 中川真二「7G -最初の接触-」   作:tell M.G.

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第4話「追跡」

朝。

夢叶重工・地下ブロック。

 

「……おかしいな」

 

オペレーターの一人が、眉をひそめた。

 

「どうした?」

 

「ガーランドのステータスが……応答していません」

 

「……何だと?」

 

モニターには“待機状態”の表示。

だが――

 

通信ログが途切れている。

 

「最終更新は?」

 

「昨夜、22時17分……それ以降、更新なしです」

 

空気が一変する。

 

「現物確認しろ」

 

短い指示。

数分後――

 

「……保管区画、空です!」

 

「ガーランドが消えた……?」

 

低く呟く男。

 

「ログは“正常”を維持したまま、実体だけが消失しています」

 

「偽装か……?」

 

「外部からのハッキングの形跡はありません」

 

わずかな沈黙。

 

「……内部の人間だな」

 

男は静かに断じた。

 

「直ちに回収に移れ。B.D.に連絡を取れ」

 

 

その頃。

真二はガーランドを走らせていた。

夜を越え、人気の少ないルートを選びながら。

バックミラーに映るのは、静かな街。

 

(……追われてる気配はない……か……?)

 

それでも油断はできない。

だが――

 

どこか違和感があった。

 

(……妙に静かすぎる……)

 

追跡されていてもおかしくない状況。

それなのに、何も来ない。

 

何も“起きない”。

 

 

夢叶重工・管制室。

 

「位置情報が不安定です!」

 

「何だと?」

 

画面上の座標が、不規則に揺れる。

 

「誤差が拡大……信号が飛んでいます」

 

「ジャミングか?」

 

「不明です。外部干渉の痕跡は……確認できません」

 

「だが発信は生きているな?」

 

「はい。断続的ですが……完全には消えていません」

 

男は静かに頷いた。

 

「なら追える」

 

画面を見据える。

 

「ノイズを前提に解析しろ。進行方向を割り出せ」

 

 

走行中の真二。

速度を上げる。

 

(……行ける……このまま……)

 

理由は分からない。

だが――

 

なぜか“逃げ切れている”という感覚があった。

 

(……何だ……?)

 

胸の奥に、奇妙な引っかかり。

守られているような。

導かれているような。

そんな感覚。

 

「……気のせいか……」

 

小さく呟き、アクセルを開いた。

 

 

管制室。

 

「進行ルート、収束してきました」

 

「どこだ?」

 

「市街地南部……このままいけば――」

 

オペレーターが表示を拡大する。

 

「特定地点に向かっています」

 

男はわずかに口元を歪めた。

 

「……待ち合わせか」

 

 

「B.D.、出ます」

 

通信が入る。

 

「現地で待機しろ。接触の瞬間を押さえる」

 

「了解」

 

 

夜。

指定された駐車場周辺。

 

一台の車が静かにエンジンを止めた。

ライトが消える。

闇に溶け込むように、その存在は消える。

 

 

少し離れた道路。

真二は速度を落とした。

 

(……ここだ……)

 

迷いはない。

ガーランドが、静かに滑り込む。

胸の奥の違和感は、まだ消えない。

 

(……本当に……追われてないのか……?)

 

振り返る。

が、何もいない。

ただの夜が広がっている。

 

「……考えすぎか」

 

そう言い聞かせる。

だが――

 

その感覚だけが、わずかに残った。

 

 

駐車場の入口。

サンドベージュの機体が、ゆっくりと中へ入っていく。

 

その様子を――

離れた場所から、じっと見つめる影があった。

 

B.Dは、BMWの中でタバコに火を付けた。

そして、駐車場に入っていく一台の赤とシルバーのバイクを見つめていた。

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