プロデューサーってボカロPだったんですか!?   作:日影虎

19 / 20
第19話 怪獣

 海珠『みなさ〜ん、初めまして! 乙女椿海珠(おとめつばき かいじゅ)です!』

 夢明「やっぱり海珠じゃん!」

 夢明「でも良かった。見た感じ、リラックスしてるみたいだ」

 海珠「あっ!」フリフリ

 夢明「こっちに手振ってる……! 意外と余裕あるなぁ〜」

 

 海珠『──ということで、今日は楽しんでいってください〜!』

 ──パチパチパチ

 

 夢明「えっ、なんでサングラスかけて……?」

 海珠『───♬』

 夢明「……す、すごい。なんか、めちゃくちゃカッコいい……!」

 夢明「何だろう、曲自体はローテンポなんだけど、ものすごく渋い……! ハスキーで力強くて、何というか1,2世代くらい上の渋さがある!」

 観客A「お、懐かしさのある曲だの」

 観客B「あのお嬢ちゃん歌上手だわね〜」

 夢明「商店街のお客さんにもウケてるっぽいけど……今日の客層に合わせた選曲なのかな? 確かに年齢層は高めだけど……」

 

 海珠『──ありがとうございました〜! いや〜緊張した〜! 次は……あっ、ちょっとお兄さん!まだ帰らないで!こっからだから!こっから!』

 ──ワハハハハ

 海珠「次はもっとすごいの行くからさ〜見ててよ〜?」

 

 夢明「あ、サングラス外した。何だったんだろう、カッコよかったけど……」

 ───♬

 夢明「さっきとは打って変わってすごく今ドキの曲だ。歌い出しが早い」

 夢明「───というか何より」

 海珠『ハイッ!』

 夢明「すごい……勢いに任せてめちゃくちゃにステージ上を跳ね回っている」

 夢明「細かいファンサも交えていて、さっき帰ろうとしてたお兄さんも一気に釘付けだ」

 P「アレで新人とは恐れ入りますね」

 夢明「わっ!プロデューサー、いつから横に!?」

 P「1曲目の途中からいました。それより、ちょっと……」

 夢明「え、なんです?」

 P「一応、ステージに上がる心構えはしといてください。念のため」

 夢明「え、え?」

 

 海珠『───それで、最後の曲なんですけど、ちょっと予定変えてもいいかな? 担当者さーん! さっきの話OKですかー?』

 担当者「(OKのジェスチャー)」

 夢明「何が始まるんですか?」

 海珠『実は今日、スゴいアイドルと出会って──もしかしたらお客さんは知ってるかもしれないけど、前の出番でライブしてて私それ見てすごく感動しちゃってさ〜!」

 海珠『──それで、一緒に歌いたいなーって! そしたら、もっと盛り上がると思うんだ!』

 夢明「え? え?」

 P「すみません、許可は私が出しました」

 海珠『ということで夢明ちゃーん! ステージ上がってきてー!!!』

 夢明「……マジですか?」

 P「マジです」

 

 ──ワーワー‼︎ ワーワー‼︎

 

 夢明「(──ホントにステージ上がっちゃった!)」

 夢明「海珠、正直私めちゃくちゃ驚いてるよ? アイドルだからもちろん期待には応えるけど」

 海珠「ゴメン! でもこの方が絶対楽しいと思ったから! こういうサプライズが一番ウケるんだから!」

 夢明「(自分で言うのもなんだけど、私まだまだ全然無名だよ?)」コソッ

 海珠「(関係ないって! 今日が私たち二人、そしてファンにとって伝説のライブにするんだよ!)」コソッ

 夢明「!」

 夢明「……海珠って面白いな」

 海珠「面白くなきゃファンを楽しませられないでしょ?」

 夢明「確かに……!」

 夢明「それで、曲はどうするの? 私、極月でやってる曲全然知らないよ?」

 海珠「もう決まってるよ!C・F・F(カサブランカ・フィールド・フィールド)でいこう! 掛け合いもあるしちょうど良いと思って、自治会の人から夢明のプロデューサーに連絡とってもらってさ」

 夢明「えっ!? 本気!?」チラッ

 P「(うなづく素振り)」

 海珠「夢明はいつも通りにやっていいよ!私がアドリブで合わせるから!」

 夢明「──え〜い! わかったよ、やろう!」

 海珠「そう来なくっちゃ!」

 

 海珠『それでは〜盛り上がっていきましっしょー!!!』

 

 ──♬

 

 夢明「(サビの盛り上がりに、全力をぶつける曲だから、まずは盤面を整えて──)」

 海珠「(夢明、そうじゃないよ)」

 夢明「!?」

 夢明「(海珠、スゴい勢いで手札を回している……! もう最初から全部消費し切るつもり!?)」

 夢明「(くっ……こうなると私も全力でぶつかっていくしかない……!」

 海珠「(そう!それでいい!)」

 夢明「(というか海珠、私の歌い方と似てる……! けど本人のハスキーな声質と合わさって本家みたいなハモり方になってて……す、すごい)」

 夢明「(この曲のポテンシャルって、こんなに奥が深かったんだ……!)」

 海珠「(やっぱり夢明に出会えて良かった! すごく楽しい!)」

 

──ワーワー‼︎ ワーワー‼︎

 

 P「(乙女椿海珠……彼女の提案には驚かされた。正直、どうなるか未知数だったが、賭けた価値はあった。というか正直、想像以上だ……)」

 P「(今、この場にいるお客さんは今日から全員、二人のファンになるだろうと確信できる……!)」

 

 夢明「(全力で突っ走ってきてもうラスサビがどうなるか、私自身想像できない! 海珠!)」チラッ

 海珠「行くよ、夢明!」

 

 夢明・海珠『(輝け!そして、羽ばたけ!)』

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。