プロデューサーってボカロPだったんですか!?   作:日影虎

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第8話 敵対

 Voトレ「なるほど……二人はそういう方向性を考えているのですね」

 夢明「そうなんです! なんだか方針が決まるとレッスンも身に入る感じがします!」

 P「良かったです。ただ、星有さんに勘違いして欲しくないのは、今のままでいいということではありませんよ」

 夢明「どういうことですか?」

 P「ボカロと言ってもただ合成音声がそこにあるわけじゃありません。機械のように正確な早口や、人間離れした高音域、そう言った要素に引っ張られがちですが、その組み合わされたものの中に人の感情を揺さぶるモノが存在するということです」

 P「人間の感情は人間にしか出せませんが、合成音声の感情は合成音声の中にあります。星有さんにはそれを見つけていただきたい」

 夢明「お、おぉ……Voトレさん、プロデューサーの言ってることわかります?」

 Voトレ「えぇ、伝わっていますよ。ただ、なかなか挑戦的ですね。星有さん、名々城Pさん、これから大変ですよ?」

 夢明「が、ガンバリマス……!」

 P「はい。お願いします」

 Voトレ「それでは早速レッスンを始めましょうか」

 

 ─────────

 

 夢明「あの〜、プロデューサーさん……」

 P「? どうしました?」

 夢明「なんかさっきから強い視線を感じるんですよね……」

 P「そうですか? 辺りには特に誰も見当たりませんが」

 夢明「うーん? 気のせいかなぁ〜」

 P「一旦休憩にしましょうか。次の定期公演まで時間はありませんが、集中力が切れていては元も子もないですからね」

 夢明「そういえば曲はどうするんですか? これまで通り課題曲でいくんですか?」

 P「いえ、1曲用意します」

 夢明「えっ!? 私の曲ですか?」

 P「違います」

 夢明「えぇっ、じゃあなんです?」

 P「カバー曲で挑みます」

 夢明「カバー曲!? それってもしかして……!」

 P「えぇ、この前カラオケで歌っていただいた曲『未明明星』です」

 夢明「いいんですか!? ヤッター!!!!」

 夢明「…………あれ? でもカバーって確か製作者の許可が必要ですよね? 大丈夫なんですか?」

 P「まぁ……大丈夫ですよ。許可はすでに降りてます」

 夢明「えっ、スゴイ! 昨日の今日で許可まで取れてるなんて……プロデューサーって実は有能です?」

 P「買い被らないでください」

 夢明「でも、ほんとにちょっと感動してます! 私一人じゃこんなトントン進まなかったです。ありがとうございます!」

 P「お礼は結果を出してからにしてください。その結果が私の成績でもありますからね」

 夢明「へへっ。S評価取らせてあげますよ!」

 P「期待しています」

 

 ──────────────

 

 友利P「おっ、名々城()()()()()()()よお! 早速レッスンきてんじゃないか」

 P「げっ…友利さん」

 友利P「げっ、とはご挨拶だな〜」

 夢明「友利Pさん、先日は助けていただいてありがとうございます!」

 友利P「どうも星有さん。コイツのことしっかりコキ使ってやりなよ」

 夢明「はいっ!」

 P「…….わざわざこっちまで来て、何か用でも?」

 友利P「あぁ、いや、そのなんだ。ウチのアイドル見なかったかなって」

 P「というと?」

 友利P「いや〜、先日あの後急いで学園に帰ったんだけど、俺の車をジロジロ見渡したかと思えば、ちょっと目を離した隙にどっかいっちゃってさ……」

 夢明「もしかして、そのときに電話してたのってその子なんですか?」

 友利P「あぁ、まぁ…….実はそうなんだよね。あいつたまに何考えてるかわからないんだよなぁ……」

 ???「ジイッ………………」

 夢明「ん〜?」

 夢明「あの〜、プロデューサー」

 P「なんでしょう?」

 夢明「その子ってどんな子か知ってます?」

 P「はい。小柄で大人しい方だったかと。星有さんとは別クラスでしたね」

 ???「ジイッーーーー」

 夢明「大きなリボン付けてて、襟足ちょっと巻いてて、クリッとした目で……」

 友利P「あぁ同学年なら星有さんも知ってるか。どこかで見かけたりした?」

 夢明「どこというか……はい」

 P「……………」

 友利P「? そういえば、昨日君を車で送って行ったときだけどさ────」

 ???「やっぱり、その子なんだ」

 友利P「うおっ!? 大弥いつからそこに……」

 大弥「プロデューサー、軽率な行動は控えてくださいと言いましたよね?」

 友利P「いや、何のことだか……」

 大弥「星有さん」

 夢明「は、はいっ」

 大弥「これ、昨日プロデューサーの車の助手席で見つけたピン留めです。あなたのものでしょう?」

 夢明「えっ!?落としてた!?」

 友利P「あっ、ちょっと……!」

 夢明「あれ? でも私、ちゃんと付けて…… 」

 P「カマかけられましたね」

 大弥「プロデューサー、嘘をつくのは一番悪いことですよね?」

 友利P「元はと言えばコイツが学園に来なかったのが悪いんだ! トレーナーにも送ってやってくれと頼まれたんだから仕方ないだろう」

 P「なんという責任転嫁」

 大弥「事情は知ったことではありません」

 夢明「こわっ」

 大弥「星有さん」

 夢明「わ、わたし?」

 大弥「次の定期公演、覚悟してください」

 夢明「ええっ!? なぜ!?」

 友利P「大弥!お前とうとう出てくれるのか!?」

 大弥「はい。叩き潰します」

 

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