メガゾーン23 ヴィルデ・ザウ ―FX艦隊壊滅― 作:tell M.G.
『1番隊、射出終了!』
『敵艦隊、急速接近中!』
オペレーターの緊迫した声が通信回線へ響く。
光一は周囲へ視線を走らせた。
暗黒の宇宙。
その先には、無数の敵H型部隊。
既に各所で戦闘が始まっていた。
爆発光。
飛び交う砲撃。
撃墜されていく味方機。
戦場だった。
光一は通信を開く。
「1番より全機へ。サーカスフォーメーションA!」
『ラジャー!』
『了解!』
イエローとレッドが即座に応答する。
ヴィルデ・ザウとゼロゼロハーガン二機が横並びに加速。
敵H型へ向かい、正面から突っ込んでいく。
砲撃開始。
三方向から放たれた弾幕が、敵編隊を切り裂く。
敵H型が回避機動へ移る。
その瞬間――。
光一機が一気に加速した。
「捉えた!」
敵H型へ肉薄。
ヴィルデ・ザウの巨体が、強引に敵機へ取り付く。
光一は砲身を直接敵機の装甲へ押し当てた。
ゼロ距離。
「貴様……
逃がすか!」
トリガーを引く。
至近距離から叩き込まれた砲撃が、H型の内部を貫いた。
爆炎。
光一機は即座に離脱する。
火を吹きながら漂うH型。
そして次の瞬間、爆砕した。
「くそぉぉっ!」
レッドが叫ぶ。
迫る別のH型へ向け、ミサイルポッドを一斉展開。
無数のミサイルが宇宙空間へ飛び出した。
交差する軌道。
敵H型が回避する。
だが避け切れない。
連続爆発。
敵機一機が四散した。
「やった!」
「次だ!」
光一が振り返る。
その瞬間――。
目前に別のH型が迫っていた。
「っ!」
反射的に砲撃。
閃光。
敵機が真正面から吹き飛ぶ。
二機目撃破。
「イエロー! 一機そっちへ行ったぞ!」
『了解!』
大坂機が旋回する。
『もう一機は!?』
イエローは交戦していた敵機を見失っていた。
だが光一は見逃さなかった。
高速移動するH型。
その進行方向。
「FXのブリッジへ向かった」
敵機が向かっている――。
「レッド! 頭を押さえろ!」
『了解!』
レッドが敵機へ照準を合わせる。
だが――。
敵H型の方が速かった。
閃光。
敵砲撃がレッド機へ直撃する。
『あ――』
最後まで言葉にならなかった。
レッド機爆散。
宇宙空間へ破片が飛び散る。
「レッドォ!!」
光一は、その瞬間を目撃した。
だが次の瞬間――。
左右から二機のH型が迫る。
「何っ!?」
挟み撃ち。
二機のH型から、触手のようなワイヤーが射出された。
ヴィルデ・ザウの両腕。
そして首元へ絡み付く。
「なにっ……!」
機体制御が奪われる。
拘束。
身動きが取れない。
「こ、これは……!」
直後。
機体へ高圧電流が流れ込んだ。
警告音がコクピットへ響き渡る。
『WARNING』
『SYSTEM DAMAGE』
「ぐあぁぁっ!」
機体が激しく震える。
まずい。
このままではやられる――!
焦る光一。
だが、その瞬間。
光一は咄嗟に両腕操作パネルを叩いた。
ヴィルデ・ザウ両腕部装甲、展開。
内部からオーブガンがせり出す。
「間に合わん……!」
敵H型へ砲口を向ける。
「死ねぇぇっ!!」
光一は叫びながらトリガーを引いた。
至近距離。
両腕から放たれたオーブガンが、左右のH型を同時に撃ち抜く。
閃光。
爆炎。
二機同時爆砕。
拘束が外れる。
「はぁっ……はぁっ……!」
ギリギリだった。
だが安堵する暇も無い。
次の瞬間。
別の敵H型が、真正面から迫っていた。