プロメティウスの夜明け   作:赤い紫陽花

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第十五話 闘争は歓喜と共に 其の五

第十五話 闘争は歓喜と共に 其の五

 

というわけでラスボス戦である。取りあえず、素材があればもぎ取ってやろうとは思っているが残念ながら命拍子(リズム)は致命攻撃のみで成立するスキルだ。よって致命部位の何らかをもぎ取ることになるのだが……

 

そう都合よく存在するわけもなく。……首飛ばしチャレンジだな。うん。それしかない。単純な話、致命部位が分断可能な部位で存在しない以上もう殺す方針以外取れないのである。

 

……え?他のモンスターの素材目指せばって?いやーね、実はもうインベントリほとんど入らないんですよね。となるともう経験値以上の目的もないわけで。

 

なので俺はこいつを殺すことを至上目的として今から動きます。では行こうか。

 

「……命拍子(リズム)は切れた、命貨(ネクロ)はあと丁度1、槍は壊れて剣が無事。……まぁ状況が悪いわけじゃあない。頑張ってみますか……!」

 

奴との距離、およそ60mといったところ。結構離された。ちなみに俺を蹴っ飛ばしてくれた例の骨鐘獣(ガラ・ベル)さんは三つ首の番犬さんとバトっている。

 

地獄の王は今なんか名状しがたき目のいっぱいついたよくわからん肉塊みたいなのと争っている。SAN値が削れそう。だがどうやら名状しがたきものはデバフ型のモンスターのよう。つまり、大チャンスである。

 

走る。

 

とにかく命拍子(リズム)を起動しないことには話にならない。だが地獄の王の急所といえるのは腹か首か頭。どれも高い場所にありそうそう届かない。最初のコンボは一分猶予があるから、なんて悠長なことを言っていると摺り潰されるので、丁度近くにいる全身弱点モンスターを殴りまくってコンボを稼ぐことにする。ついでに漁夫狙い。

 

というわけで目潰し!!!

 

ザン!

 

うわぁなんか気持ち悪い汁みたいのが

 

ザン!

 

とはいえそんなこと考える暇があったら斬るべきだ。

 

ザン!ザン!ザン!

 

おっと流石にこっちにもヘイトがきた

 

奴の目が幾つか光る……予兆が見えた段階で斬れるだけ斬る。

 

ザザザザザン!!

 

「ッチ、2個逃した。」

 

《恐慌状態が付与されました》

《逆位状態が付与されました》

 

「ううぉえら」

 

怖気が走ると同時に視界が上下左右反転した。

 

やばいやばいやばいやばい流石に経験ないまてまてまて

 

いやもう目瞑って記憶辿ってやれ

 

斬れば消えるそう信じる

 

さーんにーいいーちはいGO!

 

暗闇の中記憶を辿る。

 

3ステップ

 

「ここと、ここ!!」

 

っしゃあ!!解除された!

 

普通に終わったかと思ったが!?こいつのヘイト全部持ってって耐えてた地獄の王はなんなん!?デバフ耐性鬼高とかですか!?

 

ザンザンザン!!

 

ザザザザン!!

 

ザザザン!!!

 

はい21コンボ先は長い!!

 

「うわっはい!?」

 

地獄の王の猫?パンチィ!!死ぬ!!

 

ズドン!!!

 

とっさに飛びのきそしてすぐさま停反(ストップ&ターン)で前進する。さもなくば追撃で死ぬ。

 

ズドン!!!

 

威力がおかしいってマジ!!

 

 

ザザザザザザザザン!!

 

ザンザンザンザンザン!!

 

ああもう片手じゃ埒が明かん!双剣術は得意じゃないんだがなぁ!

 

ザッザザザザザザザザザザザザザザザ!!!!!!

 

《ハイテンポ状態が付与されます》

 

 

ズズン!!!

 

しゃ足りたああああっってぇ!しぬぅ!!地獄の王のダイビングゥ!!あっ、目玉ーズが潰れた!

 

 

 

――っまずい!

 

 

 

 

地獄の王が赤熱する。

 

 

 

 

 

真っ赤に真っ赤に……

 

 

 

 

カッ!!!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

口から火ィ!!??いや全身から漏れ――

 

 

 

 

ジュッ

 

 

 

 

 

 

還肉(リ、 カー、  ネ)

 

 

じゅぅうううううるるる

 

 

「っはぁっ!はぁっ!はぁっ!マップ兵器じゃねぇか!!!バカ!!平地でボスがマップ兵器使っちゃダメでしょうが!!!」

 

まさかの丸焦げである。中までは焼かれなかったが表面がジュッって。ジュッって。

 

 

 

あまてまてまてコンボ途切れる急げ

 

あと3びょ

 

 

ダブル(二倍) 加速しろ

 

下したままの頭、全身オーバーヒートかぁ!?

 

首に一撃決めてやる。

 

「記念すべきファーストアタックゥ!オラァ!!」

 

ガィン!!

 

うそだろ硬すぎ!

 

もう一回!!

 

ガィン!!

 

ダメージ入ってる気がしねぇ!!

 

あ、まずい動き始める。

 

 

 

前足、横、潜れ

 

ブォン!!

 

 

「首がダメなら腹ァ!」

 

 

ゾブ

 

 

ん!?いける!このまま斬り続ければ……!

 

 

 

ゾン

 

 

 

ん?だが妙に柔ら……なにか淡い光が内から……え?

 

 

 

 

 

 

カッッッッ!!!!!!!!!!!

 

 

 

そして俺は正真正銘、死んだのであった。そう、焼身となって。




Tips 赤熱瘡蓋《やけてふさがる》 このモンスターの性質として、内部に強い熱を持ちます。もし身体表面が傷ついた時、内部から極めて強い熱が放たれ、再生。それと同時にその傷ついた部位が硬質化します。そしてそれを繰り返します。主人公が腹を簡単に抉れたのは、傷がついたことがなかった部位だからであり、それ故に主人公はジュッってなりました。そして当然のようにそれに使った蟷螂剣(マンティス)は蒸発しました。
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