第六話 スライムって完全生命体だと思う
北門の外は、草原だった……というかカルディア周辺は全部草原である。
どうやらモンスターもいるようだ。ぱっと見、スライムとか角ウサギ……アルミラージっていうのかな?そういう初心者向けモンスターみたいのがたくさんいる。
いけるとこまでいくつもりではあるが、チュートリアルくらいしておくか。
「あ、あ、あ。うん゛……うし、もう声は変えなくていいだろ。地味に疲れるんだよな、演技するの。しばらく人と関わらないようにしとこ。」
さてさてプロダウ初戦闘は……スライムさんだ。
「
それぞれの効果は、
そして
唯一つかってない
とはいえ正直スキル制のゲームは割と初めてなので、何がいいスキルとかは分からないのだが……少なくとも、行動を強制する系統のアクティブスキルよりはましである。あれも使い様なのはわかるのだが、テンポが崩れるんだよなぁ……慣れればいいんだろうが。
さてスキルはさておきそれよりスライムである。スキルによれば、弱点は……なし?正確には特筆した弱点がない……とのこと。シンプルに打撃か魔法かで身体の数割を削れば死ぬらしい。ある意味では弱点は攻撃力のなさと防御力のなさ、とのこと。とはいえそれは低レベル故のものである。核のないスライムってわりと完全生命体だと思うのだが……レベル100スライムには遭遇したくないね。
まぁさっさとやってしまおう。
「ふん!!」
サッカーしようぜ、お前ボールな!!
思いっきり蹴り飛ばす。……うーん、ダメージ入った感じしねぇー打撃系は効果薄いか?いやまぁ爆散させるくらい威力があればいいんだろうがそんな威力はあいにくない。
となると……ナイフを構え、斬る、斬る、斬る、斬る、斬る、斬る、斬る、き…あ、死んだ。なるほど、肉体を斬り飛ばし続ければ死ぬか。なら問題ない、十分殺せる。
……進むか。取りあえず向こうに見える森に突っ込もう。面倒だし走ることにする。
「ふっ、ほっ、あ、軌道が甘い死ねぇ!!…うし、アルミラージ仕留めた。」
走っていると近くをにいるアルミラージが根こそぎアクティブ化して突っ込んでくるが、この速度であればよけるのは造作もない。すれ違いざまにナイフを首に叩き込むことも余裕である。せめて音速になってから来てくれ、話はそれからだ。
『スキルを獲得しました』
『スキルを獲得しました』
『スキルを…』
うーん、
特にトラブルもなく、森到着である。割と遠かった。森がでかすぎて遠近感が狂っていたようだ。なんだこれ、15mくらいのあるぞこの森の木。流石ファンタジーといったところか?
ちなみに獲得したスキルがこれ
アサシンカウンター 首へのカウンター攻撃に補正
ラン&キル 走りながらエネミーを殺害することでスタミナを回復する
正直
……森の中に入ったが、ここのエネミーはなんだろうな、高低差を生かした攻撃とかをしてくる猿とかか?それとも……ゴブリン、なるほどね。ひい、ふう、みい、……ん?早速多くないか??ぱっと数えて10はいる。まだ距離があるものの、察知されたな。うーん、無被弾とはいかなそうだ。……先手を取るか。
木々の中で広がっているゴブリンの左端めがけて走り出す。
「こんにちは、死ね」
見・敵・必・殺
どうやらゴブリンの武器は手斧か棍棒、それに木槍といったところか。前にいるゴブリンは棍棒だ。正直脅威じゃない。
振り降ろされた棍棒を冷静に躱し、足で地面に縫い付ける。そんで首にナイフを叩きこめば、スキルの補正込みで一撃である。おっと次が来た
「あそうだ、
手斧を横によけつつ前進し、首に横から殴りつけるように刺しぬく。どうやらアサシンカウンター、初期に覚えるスキルにしては倍率が高い。わりとサクっと殺せる。んで観察結果だが……順当に遠距離に弱そう、という感想である。肩がある以上対応できないわけじゃないだろうが、シンプルにこちらの方が肩が強いし弓もある。まぁとはいえこの状況じゃ石なんて悠長に投げている場合ではなかったのだがね。
三体目であるが、正直
ちなみに俺はもちろん両利きである。棍棒を抑えたまま強引にナイフを首に叩きこみ、これで計4体、先は長い
流石に集まってきた。突貫するのも悪くないが痛覚あるしな、少々後退し状況を整える。木の裏を繰り返し通ることで足の遅いゴブリンの追跡をはがす。
少々遠回りしながら後ろに回り込み、手斧を全力で投擲。後頭部に直撃し、即死する。
『スキルを獲得しました』
んえいまぁ?戦闘中にスキル獲得するならアナウンス切っておくべきか……?スキルの詳細は……
アサシン・コンボ 敵の急所を攻撃しなおかつ一撃で殺すことによって補正が乗る。連続で効果上昇。
なるほど、いまの状況にぴったりってか。パッシブはいくら生えてもありがたい。……であれば首に叩き込めば多少雑でもスキル二つ分の補正で即死するか?
あ、手斧壊れてら。ちょうど今殺したのが手斧もちだったので強奪、反応して近づいてきているゴブリンにこちらから急激に詰め寄り、手斧で攻撃を防ぎつつ首にナイフ。ああうん柔いな明らか。
これなら無被弾ギリ行けそうだ。
ふぅ、なんとか殺し切った。最終的にフルコンボしたからか首を掠めるだけでチョンパされてたな……条件が厳しいとはいえ雑魚狩りには割と壊れか??上限あるのかなこの効果。
そんでもって戦闘終了でもう一つスキルが生えた。
キルステップ 戦闘中の足運びに補正
まぁシンプルな効果である。正味補正量は渋いがあるだけましなタイプ。今後に期待である。というかパッシブしか生えねぇ、ありがたいのはそうなんだがちょっと遊んでみたい気もする。
というか、アサシンやらキルやらやたら物騒なのが多くないだろうか。積極的に殺しに行っているとはいえ暗殺者みたいじゃないか。
はぁ、進もう。森を出るまで取りあえず……といいたいがこの森のサイズがわからん。敵の強度も上がるだろうし……ま、死ぬまで進むよどこまでもってね。
3時間後
うーん、順調すぎる。3時間もの間何をしていたかといえば、進んで殺して進んで殺して進んで殺した。でてきたのはゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンあ、猪ゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンお、蛇ゴブリンゴブリンゴブリン…………
なんてことだ、ゴブリンキラーなんてスキルが生えてしまった。ここ数十分に関してはもはや頭部にナイフを掠らせるだけでポリゴン爆散している。アサシン・コンボがとどまることを知らない。あとスキルが新しく生えたのと、強化されたのがある。
コールド・ブラッド 人型敵エネミー殺害時のMID補正。1時間内の殺害数で蓄積する。
アサシン・カウンター⇒ファタル・パリィ パリィから連続する致命攻撃に補正
うーん、冷たい血ってひどくねぇ?効果も現状腐ってるし。MIDで精神力に補正が入るとはいえ別に今更ゴブリン殺して動揺はなぁ、しないし。んで我らがアサシン・カウンターさんがサヨナラである。割と多用してたから進化は当然かもな。
とまぁ3時間ほど進んで殺しては進んでを繰り返し、ゴブリンを殺戮していたのだが、少々状況が変わった。狼が出始めたのである。
とはいえ、アサシン・コンボとファタル・パリィで確殺がとれる。パリィだけキツイが無理にパリィせずに先手で殺すか、防御せざるを得なかったら、パリィして殺すという方針で行く。待ちの姿勢でいると囲まれるのでとにかく走り、後ろから飛びかかるか突っ込むかしたときに即座に止まって殺す戦術にした。とにかく首に一発叩き込めば即死するので、ゴブリンから得た棍棒で爪か牙を防御、ナイフでやるという戦法で安定した。キルステップも功を奏してるな。
2時間後
さて、走り続けてさらに2時間、戦績は狼、狼、狼、狼、狼、狼、狼、猪、謎の猿、狼、狼、狼、狼……とゴブリンから一転して大量の狼がいた。お陰でフォレストウルフキラーが手に入ってしまった。名前あってたのね。そして、スキルの進化と獲得、あと称号が存在することに今更気づいた。いくつか獲得している。それぞれ、
アサシン・コンボ⇒
ノンストップ・ランニング 走り続けるほど、スタミナ消費が減少する
ストップ・ステップ 足による自身の慣性の停止行動に大幅補正。アクティブスキル。
称号 五百連葬 500体連続で一撃殺害を達成した証。連続殺害系のスキル獲得に補正
ゴブリンキラー ゴブリンを一日で100体以上殺した証。スキル・ゴブリンキラーを獲得する
フォレストウルフキラー フォレストウルフを一日で100体以上殺した証。スキル・フォレストウルフキラーを獲得する
といった具合である。超有能スキルであったアサシン・コンボが進化し、条件が緩和……考えようによっては悪化したが、一撃殺害の条件がなくなった以上、汎用性が上がったな。あと補正量が少なくなり、その代わり上限が消えた。少々スキルが進化した当初はてこずったが、すぐに問題がなくなるレベルで強かった。
ノンストップ・ランニングはシンプルに持久力の強化である。
ストップ・ステップは神スキルだ。あと
称号はスキル以外確認していなかったから気付かなかった。地味に500体も倒していたとは。ゴブリンとウルフの量が多すぎるのである。プレイヤーたちは北方面には来ないのだろうか?
あと、ドロップアイテムについてだが拾えるやつは拾ったが九割方放置している。インベントリ圧迫するし、アイテムが目的というわけでもないので。
そうそう、Lvシステムが消失していて忘れていたが、ステータスも伸びている。具体的には、
【ステータス】
STR(筋力):12⇒15
VIT(耐久):15
AGI(敏捷):20⇒50
INT(知力):5⇒7
MND(精神):5⇒10
TEC(技術):18⇒33
LUC(幸運):10⇒12
SEN(感覚):15⇒25
といった風に。合計で69伸びたようなので、レベル換算で大体14レベル分上がったようだ。1レベルで5ポイントもらえるはずだからな。あと、スタミナも上がった感覚はあるのだが、何分HPとMPとSPはパラメータとして確認できなくなっているので具体的数値がわからない。
随分とTECとAGIに偏ってはいるが、まぁ実際使ったのもTECとAGIだけではある。VITに至っては一撃も攻撃を受けていないからか微動だにしていない。普通に急所に攻撃喰らったら即死しそうである。生還者とかいう名前しているのに。まあx攻撃を喰らわないのが一番の生還への道ではあるのだがね。
……しかし、五時間走っても森をでる気配すらない。噂じゃ次の東にある第二の街まで300kmあるとか言ってたし、規模感がおかしくないかこのゲーム、まさか、重力同じだし24時間で一日だし、地球と同サイズだなんていうんじゃないだろうな……後で調べてみよう。
とにかく、AGIが上がった影響か走る速度も速くなっている。正直このまま速度を伸ばし続けていいものかという不安はあるが、その時はその時である。いけるところまで走り続ける。今の目的はそれなのだから。……あ、でも10日走り続けるは流石に時間的にキツイです。10倍速かかっているとはいえ現実で飯食わないと死ぬ。
Tips 主人公が喋るまだストーリーに出ていないはずの情報は、ゲーム仲間から聞きかじった情報です。なので地味に信憑性が薄いです。