第七話 死にかけているときが最も生を実感できる
俺はとにかく走り続けた。なんか大蜘蛛とか大ムカデとかそういうキモイのの描写は省略するがそういうのもでた。でも走った。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……夜!!!!夜になりました!!!……はぁ、はぁ、え?野宿しろと?」
いやマジか、森デッッッカ!!想定以上だ。せめて草原にでも出れれば月明かりで走ることくらいできただろうに。暗視スキルの習得があるんじゃないかと思っていたのもそうだが。いや実際習得した、したのだが、森が暗すぎてほとんど見えない。木々がさらにでかくなっている気がする。……仕方ない、登るか。流石の俺も真夜中に狼や虫どもに囲まれて生きれる気はしない。というか夜に巨大な虫に囲まれるの嫌すぎるだろう。
さてと、とはいえこの太さの木を登るのは正直無理がある。ナイフを刺して登るにしろ、一本しかないんじゃそれも無理。そこで取り出すはこのロープである。買っといてよかったー!!これがなければどうにか登攀スキルを手に入れる以外の道がなかった。それがあっても登れるか怪しいしね。
ロープの先端にドロップアイテムである巨大ムカデの足を結びつける。いい感じの大きさにカットしたものを、だ。そしてこれを……投げる。
ブンブンブンブンブン……
「
うん、届かない。
ひゅぅ~ドカッ。
しかし繰り返せば投擲スキルを獲得し、届くようになるという寸法だ。
15分後
「うし、ようやく届いた。あとはこれを使って……」
ロープに体重をかけながら、木の側面を歩く。これによりどうにか頂上まで進むというわけだ。一つ懸念があるなら、それまで腕の力が持つか否かだが、まぁ、体にロープをうまく巻き付ければ休めるのでどうにかなるだろう。
またまた15分後
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、ふぅ~~~……よし、たどり着いたぁ~。」
高けぇー、そんでもって枝太てぇー、これこの上で寝れるんじゃないか?というかこのゲーム、睡眠はできるだろうが、必要のあるゲームなんだろうか。正直まだ眠くはないが……まぁ暇だからな、寝るのも悪くない。
が、その前に木のてっぺんに登ろう。どこまで森が続いているかわかるだろうし、単純に景色が見たい。幸い枝同士の距離は少ないし、下が真っ暗になるくらいに枝葉が多いから移動は問題ない。登りますかね。
おぉーー、すげぇ星空。ここまできれいな星空、なかなか見たことないぞ~というか月デカくね?これなら夜でもある程度活動できそうだな~暗視もあるけど、純粋に月の光量が多い。そんで……星空はどうやら地球と違うようだ。となるとここは地球ではなく、異世界だろうかね。ん?んんん?いや、うん。流石に異世界か。月あんなだもんな。模様も違うし。
さ、て、と。俺は明日どこへ向かえば……うーん、森が途切れた場所が後ろ以外にない。広すぎでは……?いや、もうちょっと高い木に登れば……!
うし、ここがここらへんで一番高いが……いや結局見えないんかーい。薄々感じてたけどさ。いやひっっっろ。ゲーム制作者さんはステージが単調とか考えなかったんですかーー??
バサッ……バサッ……
うーん、となると明日になってもわんちゃん森の中??ううーん、いったん帰るべきなのか……いやここは初志貫徹が大事だ。ここまできて戻るのもキツイ。一日かかるんだよなー、まぁデスポーンという手もあるがね。流石に痛覚100%でデスポーンというのはちょっと勇気がいるんだよ……
バサッ、バサッ
ん?なんか変な音が……
影?
ぐわぁし
ん!?
バッサァアア
はッ????つ、つかまれ
ぼひゅん!!!!!!!
「ぐぁあああああぁあああぁああぁぁぁあああ!!??????」(ドップラー効果)
痛っっったぁ!!!!なんだ、なんだこれ!!!爪か?爪なのかこれ!?いやまてこんな距離にこんっっっなでかい生き物いて気づかないだぁ!?どういうこっちゃ!!というかなんだ、高速で移動してる!????
ちょ、なんだこいつ、真っ黒な、なんだ!?鳥か!?ドラゴンか!?妙にモフモフというかわさわさというか光沢あるカラスみたいな毛並だが!いやちょっとまて死ぬ死ぬ死ぬどこに連れてかれてるんだ俺は!?
いやちょっ、ソニックムーブ?????????は???なん……っで俺は無事?そしてこの巨体でソニックムーブだ???
「いや何もかもがおかしいだろおおおおぉぉぉぉ…………!」(ドップラー効果)
Tips 真っ黒なの生き物?は、ぼひゅんという音がなった時に急加速し、マッハを超えました。そのため主人公が捕まっていた木々の周辺は吹き飛び、月明かりの差す名スポットが爆誕しました。