メガゾーン23 ―託された希望―   作:tell M.G.

2 / 4
第3話 最期の戦い

ヴィルデ・ザウのコクピットに通信が入る。

 

『全機聞こえているか?』

 

B.D.少佐の声だった。

 

『これよりMZ23から脱出したスペースシップとバハムートを無事地球へ送り届ける』

 

モニターには、

MZ23から次々と離脱していくスペースシップ群が映し出されていた。

 

その背後では、

月面のADAMによってデザルグ本隊が崩壊を始めている。

 

超巨大な宇宙船が、

まるで灰となるように静かに消滅していく光景。

 

『敵部隊もADAMにより帰る場所を失った』

 

B.D.は続ける。

 

『よって敵も必死でこちらのスペースシップを奪いに来るだろう』

 

静かな口調だった。

 

だがその声には、

最後の戦いへ向かう覚悟が滲んでいた。

 

『あそこにはこれからの希望がある』

 

『それを奪わせるな』

 

『絶対に守り抜け。いいな!』

 

『了解!』

 

各機から返答が響く。

 

そして少し間を置き、

B.D.は静かに言った。

 

『今までよく付いてきてくれた』

 

『感謝する』

 

通信が切れる。

 

ナカオは正面モニターを見つめた。

崩壊していくデザルグ艦隊。

 

その向こうには、

静かに光を放つMZ23。

 

――次はMZ23が、

ああなるのか……

 

思わず呟く。

 

その時だった。

 

『行くぞ!』

 

B.D.の号令。

 

同時に、

八機のヴィルデ・ザウが一斉に加速した。

 

敵部隊も既に大型戦艦の大半を失っている。

 

残っているのは、

H型を中心とした機動兵器群。

 

それでも数は多い。

こちらの倍以上。

 

いや、

それ以上かもしれない。

 

黒い群れのように、

敵H型がスペースシップ群へ向かって迫ってくる。

 

先陣を切ったのは、

B.D.の駆るザーメ・ザウだった。

 

ただでさえ扱いの難しいヴィルデ・ザウを、さらに強化改造した異形の機体。

 

常人には到底扱えない。

 

二機のH型が左右へ展開し、

触手のようなケーブルをザーメ・ザウへ絡みつかせる。

 

だがB.D.は止まらない。

 

ザーメ・ザウは、

片側の敵機を強引に引き寄せた。

そのままサーベルを突き立てる。

 

閃光。

 

敵機、爆散。

 

さらに振り向きざま、

逆側の敵へオーブガンを発射。

 

一撃。

 

H型が四散する。

 

――すごい……

 

ナカオは一瞬、

その圧倒的な戦いぶりに見惚れてしまった。

 

だが次の瞬間、

その脇を一機のH型が高速で突破していく。

 

しまった!

 

ナカオは即座に機体を反転。

敵は後方のスペースシップへ一直線に向かっていた。

 

加速する。

だが距離が遠い。

 

――まずい、追いつけない……!

 

その時。

 

敵機の正面へ、

一機のヴィルデ・ザウが割って入った。

 

オーブガン発射。

 

だが弾は敵装甲を掠めるだけだった。

 

次の瞬間、

H型がそのまま体当たりを仕掛ける。

 

ヴィルデ・ザウの左腕が吹き飛んだ。

 

だが、

衝突の勢いで敵機の軌道も逸れる。

 

そのままH型は、

後方のスペースシップへ激突した。

 

閃光。

 

爆発。

 

スペースシップが炎に包まれ、

宇宙空間へ砕け散る。

 

ナカオは息を呑んだ。

 

――これが……俺達の戦いなのか……。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。