機動戦士ガンダムUC ― ヤクト・ドーガの残影 ―   作:tell M.G.

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第11話 援護

ゼクストのヤクト・ドーガは、なおも戦場の最前線にあった。

 

ファンネルとライフルを駆使し、無理やりに道をこじ開けていく。

 

その動きは鋭い――

だが。

 

「……違う」

 

後方のモニター越しに、リュウ・バーンは呟いた。

 

先ほどまで、立っていることすらままならなかったはずの人間の動きではない。

 

それでもなお戦い続ける姿。

 

(あれが……あの人の戦い方か)

 

圧倒される。

だが同時に、はっきりと分かることがあった。

 

「……鈍い」

 

本来の動きではない。

明らかに、反応が遅れている。

 

 

警告が走る。

 

「ヤクト・ドーガ、左肩被弾!

 ファンネル、喪失!」

 

「……っ!」

 

リュウは反射的に駆け出した。

格納庫へ。

ギラ・ドーガの元へと。

 

「出ます!」

 

メカニックに向かって叫ぶ。

 

「出撃命令は――」

 

「それより、その身体で大丈夫なのか!?」

 

制止の声。

だが――

 

「もう十分休みました!」

 

食い気味に返す。

 

「それより……ゼクスト中尉が危ないんです!」

 

一歩、踏み込む。

 

「早く行かなきゃ!」

 

止める声を振り切り、コックピットへ滑り込む。

 

ハッチ閉鎖。

起動。

 

「リュウ・バーン、ギラ・ドーガ――出ます!」

 

 

宇宙へ。

機体は一直線に加速する。

ヤクト・ドーガの位置を捕捉。

 

(間に合ってくれ……!)

 

スラスターを全開にする。

視界に捉えた。

 

ヤクト・ドーガ。

 

その周囲を取り囲む、敵影。

リゼルとジェガン。

回避に徹している。

押されている。

 

「くそ……!」

 

ライフルを構える。

牽制射撃。

ビームが敵の軌道を遮る。

二機の注意が、こちらへ向く。

 

「ゼクスト中尉!無事ですか!」

 

通信を開く。

 

「何で来た……!」

 

即座に返る怒声。

 

「休んでいろと言った!」

 

「それは――お互いさまですよね!」

 

言い返す。

 

「早く離脱してください!」

 

間髪入れず続ける。

 

「敵は俺が引きつけます!」

 

一瞬の間。

 

「早く行ってください!」

 

ビームが走る。

 

回避。

 

機体を捻りながら、ジェガンへ照準を合わせる。

 

「そこだ!」

 

トリガー。

 

命中。

 

装甲が弾け、動きが鈍る。

間髪入れず接近。

サーベルを抜く。

 

「落ちろ!」

 

一閃。

 

ジェガンは両断され、爆散した。

 

そのまま、次の敵へ。

 

リゼル。

 

ライフルを撃ちながら、突撃する。

 

「さあ――!」

 

叫ぶ。

 

「今のうちに!」

 

さらに加速。

 

「早く行ってください!」

 

被弾したヤクト・ドーガが、ゆっくりと後退を始める。

 

「すぐに増援を呼ぶ!」

 

ゼクストの声。

 

「それまで持ち堪えろ!絶対だ!」

 

「了解!」

 

短く答える。

ギラ・ドーガがリゼルへと突っ込む。

サーベルを振りかざし、交差。

火花が散る。

 

その光景を背に。

ゼクストのヤクト・ドーガは後退していく。

 

「……待っていろ」

 

小さく、だが確かに呟く。

 

「必ず助けに戻る」

 

戦場に残されたのは――

 

リュウ・バーン。

 

ただ一人。

 

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