僕のヒーローアカデミア A Little Extra   作:ジョン堂

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 お読みいただき恐縮千万。


エピソード10 オールマイト?なんだかんだで最強なんだよな

 遂に現れた『(ヴィラン)連合』……俺も緊張しつつ頭を回す――!

 

 原作と違って、オールマイトが初めからいる。

 活動時間が少し心配だが、相澤先生と共闘すれば何とかなるのではないかと思う。

 現状、戦力になれない以上、俺に少しでも出来る事……!

 

「相澤先生!俺達は退避しますか!?」

 

 とっととこの場から立ち去る――これしかないだろう。

 俺達がいたら先生達の邪魔になる!

 状況の確認とか悠長なことする前にとにかく退避だ退避!

 

「ああ、そうだ。13号!避難開始!学校に電話試せ。恐らくセンサーの対策も頭にある敵だ。電波系の奴が妨害している可能性がある。上鳴!お前も【個性】で連絡試せ!」

 

「ッ!?っス!」

 

 相澤先生の指示で上鳴が戸惑いつつコスチュームのヘッドホンみたいなのに触れて操作し始める。

 

「皆!走れ!!USJの外に出るんだ!!」

 

『!!』

 

 俺は声を上げて皆に行動を促す。

 こういう場合はスピード命――兵は迅速を貴ぶ!

 

 13号先生が先導し、皆が走り出す――俺は委員長の立場として殿を務める。

 

「っ!おい緑谷!止まるな!!」

 

「!?ご、ごめん!」

 

 走り出してすぐに止まって後ろを、オールマイトを振り返っていた緑谷の背中をはたく。

 オールマイトが心配なんだろうが、そうやって立ち止まる方が邪魔だと分かってほしい。

 

 今は時間との勝負なんだ――!

 

 原作よりは有利な状況だし、多少でも素早く避難を始められたと信じたい。

 出来ればこのまま外に出られればいいんだが……。

 

「――させませんよ」

 

 湧いて出た黒モヤに行く手を遮られた――やっぱダメか!

 

 死柄木の指示か独自判断か知らないが、抜け目なく俺達の動向を伺い、即座に反応してくるとは……この黒モヤ、マジで厄介だな!

 

「初めまして。我々は『敵連合』――」

 

 語り始める黒モヤ――俺も準備だ、上手くいってくれ……!

 

「――僭越ながら、この度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせていただいたのは、『平和の象徴』オールマイトに息絶えて頂きたいと――」

 

 出来た――いくぞ【擬似・九尾チャクラモード】!

 

「ふんッッ!!」

 

バシンッッ!!

 

「ぐあッ!??」

 

 全速で、巨大化させたオーラの両手で俺は黒モヤを握り締める――それこそ握り潰すつもりで!

 大の大人1人を握れる大きさの両掌を作り出す為のオーラを練るのに時間が掛かっちまった!

 

「ぐぅっ!?し、しまっ――ぐあぁ……っ!?」

 

 黒モヤが苦しそうな声を漏らす。

 上手くいったか!?

 朧げな記憶を振り絞って思い出した黒モヤの弱点――それは実体部分、ワープゲートである黒いモヤは体の一部だけで、奴にはちゃんと固まった実体がある!

 だから余す事なく丸々握ってしまえば捕えられると考えた!

 一応実体を掴んでいる感覚はある!

 上手くいって――いやもう上手くいってなくても時間が稼げればこの際それでいい!!

 

「皆ぁ!!走れぇ!!」

 

『っ!?』

 

 俺は黒モヤを握り締めながら叫ぶ――が、皆はすぐには走り出してくれない!

 判断が遅い――と責められないか、こんな状況じゃ!

 

「皆何やってんだ!!早く行けってえ!!」

 

「ぐ、ぅ、に、逃す訳には、いきません……!」

 

 黒モヤの顔が揺らめき出す。

 

 ヤバい、指の隙間からモヤが漏れ出る……これだけ締め上げてるのにまだ動けるのかコイツ!?

 

「っぐっ!?」

 

 と思ったら漏れていたモヤが引っ込んだ!

 

「ワープか、レアで厄介な【個性】だな。こっちこそお前を逃す訳にはいかない――13号!避難急げ!」

 

「ッ、了解!皆さん行きますよ!!走りなさい!!」

 

 13号に強く言われて、やっと皆が走り出す。

 

「気賀、お前ももう行け。こいつは俺が抑える。そいつの実体は捉えた」

 

 相澤先生――イレイザー・ヘッドが首の捕縛布を構える。

 黒モヤの【個性】を封じつつ、俺がオーラの掌を解いたら即座に縛り上げるつもりか。

 

「了解!3カウントで離します!3、2、1――ハイッ!」

 

 オーラの掌を解放――するとすかさずイレイザー・ヘッドの捕縛布が黒モヤを絡め縛り、地面に引き倒す!

 

「ぐぅ……!?」

 

「大人しくしとけ」

 

 黒モヤを踏みつけるイレイザー・ヘッド――慣れを感じる澱みない動き、これがプロの技!

 俄か知識と独学で鍛えた俺には、まだまだ真似出来そうにない。

 

「よし、行け気賀!」

 

「はい!けどその前に受け取ってください!」

 

 俺はオーラの球を両手に作り出し、イレイザー・ヘッドとオールマイトに向かって撃ち出す。

 

「OH!?」

「これは……!?」

 

 オーラ球は2人の体に入り込む――そして、2人の体から揺らめく白いオーラが噴き上がる。

 

「俺のオーラを分けました!戦闘の足しにしてください!では行きます!ご武運を!!」

 

 返答は聞かず、俺はUSJの出口へと走った――。

 

 状況は大分変わった。

 かなり不利な状況に陥っていたはずの原作でも、オールマイトが脳無を倒して終わる――最初からオールマイトがいて、厄介な黒モヤも抑えられて、俺達1-Aは誰も散らされず、オマケにオールマイト達に俺のオーラを分けられた。

 結構な量のオーラを渡したから、オールマイトの活動時間もそこそこ補充出来たんじゃないかと思う。

 

 これだけ状況が上向けば、およそ問題なく死柄木達を制圧出来る筈――あわよくば、このまま死柄木を逮捕できたりして……!

 

 

 

 その後の話――結論から言うと、死柄木と黒モヤは逃走、他の敵共は全員逮捕された。

 

 USJを無事脱出する事に成功した13号先生と俺達1-A。

 その時点ではまだ通信は妨害状態……そこでクラス最速の飯田が連絡員として校舎へと走る事に。

 残った俺達は待機――爆豪や轟、それに切島に緑谷が中に戻って加勢を主張したが、13号先生がそれを強く却下して事なきを得た。

 

 やがてUSJのドームが轟音と共に突き破れ、何かが空の彼方に吹き飛んでいく光景を全員が目撃――。

 

 俺は咄嗟の『念』応用技【凝】で微かに見た。

 飛んで行ったのは黒いゴリマッチョ、脳無だった。

 

 オールマイトが勝ってくれたのだ――!

 

 それから少しして、飯田が雄英教師プロヒーロー達を引き連れて帰還――プロヒーロー先生達は残敵掃討にUSJ内に突入、俺達は逆にUSJから退避させられた。

 

 事の顛末は事件の収束後に、ほぼ無傷だった相澤先生からクラスに伝えられた……残念ながら、詳細は俺達は知る必要がないという事で省かれたが。

 

 まあ、仕方ない……。

 俺達はまだヒーローの卵、プロから見れば一般人と大差ないのだ。

 

 で、USJ襲撃事件の翌日――学校は臨時休校となった。

 

 

 

 

 

 

◇1‐A全員が退避してからのUSJ内の出来事――

 

 

 

 イレイザー・ベッドは黒霧を封じる為、【個性:抹消】の要である目を離せず膠着状態に。

 

(普段より“瞬き”を長く我慢できるな……これが気賀の【個性】の効果か)

 

 オールマイトは生徒達の退避を確認してから戦闘開始――前に出ていた三下の敵達を文字通り瞬く間に全員気絶させた。

 

「さて……それじゃあ、いってみようか――カロライナ・スマーシュッ!!

 

「脳無!」

 

 直後に死柄木は、脳無にオールマイトへの攻撃を指示――オールマイトと脳無の戦いが始まる。

 

 【個性:ショック吸収】でオールマイトの打撃を無効にする脳無。

 

「効かないのは【ショック吸収】だからさ……!脳無にダメージを与えたいならゆ~っくりと肉を抉り取るとかが効果的だね……それをさせてくれるかは別として!」

 

「わざわざサンキュー!!」

 

 その様に気を良くした死柄木の暴露により脳無の【個性】を知ったオールマイトが打撃からバックドロップによる拘束(ホールド)攻撃を試みる――が、脳無は持ち前の超パワーで地面を砕いて強引に脱出。

 

「くッ!これじゃダメか!」

 

「ひひ、無駄だよ……!脳無はお前並みのパワーを持たせた上に、お前の100%にも耐えられるよう改造された、超高性能サンドバッグ人間なのさ……!」

 

「へえ、そうかい……ならば!!」

 

 オールマイトはそこから真正面からの殴り合いを仕掛け、全力のラッシュで脳無を力技で捩じ伏せにかかる。

 

「君の【個性】が【ショック無効】ではなく“吸収”ならば!限度があるんじゃないかあ!!?私対策……私の100%を耐えるならあぁ!!更に上から捻じ伏せよう!!

 

――敵よ、こんな言葉を知ってるか!!?

 

―― 更に向こうへ、“Plus Ultra”!!!

 

 【ショック吸収】の限度を超え、オールマイトの打撃が通り、渾身のスマッシュで脳無は吹き飛ばされ、USJを突き抜け、空に消えた。

 

「フゥ、やはり衰えた……。全盛期なら、5発も打てば十分だったのに……100発近く打ってしまった!(しかも、気賀少年のおかげで、あと僅かだが時間が残っている……!奴らを捕えるには、十分……!!)」

 

 原作ではその時点で活動限界を迎えていたオールマイトだったが、この次元では気賀から分かられたオーラの分、およそ20分ほど活動限界が延長されていた。

 

 それ故に、残り時間でオールマイトは死柄木をその手で捕えようとした――。

 

「さてと……決着といこうか」

 

「ッッ、チートがぁ……っ!?ごぽ……!?」

 

「むっ!?」

 

 しかし、既の所で死柄木の口から黒い液体が吐き出され、そのまま全身を包む様にして姿を消してしまう。

 同時にイレイザーヘッドに拘束されていた黒霧にも同様の現象が発生し、逃げられた。

 

 他の敵達を置いて……。

 

 

 

 その後は飯田の報せで集結したプロヒーロー教師達により、USJ内各所に潜んでいた敵ヴィラン達が制圧され、通報によって駆けつけた警官隊に引き渡され、事件は一応収束した……。

 

 そして翌日――(ヴィラン)雄英襲撃のニュースが報じられ、一時的に世間を騒がせる事になる。

 

 

 

 

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