僕のヒーローアカデミア A Little Extra 作:ジョン堂
受験者達は動きやすい服装に着替えて、演習場に移動――俺もジャージに着替えて移動した。
てか広いよ!
街だよ!
金掛かり過ぎだよ!
雄英どこから予算とってんだよ!?
思わず大声でツッコみたくなるが、今は試験に集中という名目で飲み込んでおく。
それにしても……。
「っしゃ……!」
「へへ、やってやるぜ……!」
「う~、さすがに緊張する~……!」
ざっと見渡した限り、覚えている原作キャラが1人も見当たらない……。
それとも俺が知らないか忘れているだけで、この中に原作キャラも混じっているのか?
う~ん、分からん……。
『ハイスタートー!』
っと、いかん!
こういう始まり方だったな!
俺は素早く頭を切り替え、街の中に走る――!
『どうしたあ!?実戦じゃカウントなんざねえんだよ!!走れ走れぇ!!賽は投げられてんぞ!!?』
とプレゼント・マイクがアナウンスした直後――
ズガア!!
『標的補足!!』
俺の接近を察知したのか建物の壁をぶち破ってロボが立ちふさがる。
俺より結構デカい、装甲に『2』って書いてある。
「うおッ!?」
少しびっくりしたが速度を落とさず――
『ブッコ「ふんッ!」』
バキィッ!!
脚にオーラを纏って強化からの横薙ぎの右蹴りでロボを胴から真っ二つに蹴り砕く。
思ったより全然脆い。
ある程度硬いんだろうがオーラで強化しているからか全然手応えがない。
本当に壊す為に作られているみたいだ――これなら怖さは感じない。
じゃ、どんどん行こうか――!
「はあぁーー!!」
街を進むと出るわ出るわ、ロボ・ロボ・ロボ――出てきた端からテンポ良く壊していく。
あるロボは手刀から伸ばしたオーラの剣【擬似・スピリッツソード】で真っ二つに――
あるロボは乱回転するオーラの球【擬似・螺旋丸】で削り潰し――
あるロボはオーラを集約した正拳【擬似・ジャジャン拳】で粉砕――
あるロボは手の形にして放出したオーラ【擬似・九尾チャクラモード】を操って握り潰したりぶん投げたり――
数々のジャンプ漫画からネタを頂戴したオーラ技を武器に、俺はロボを手当たり次第に壊しまくった。
数は途中から面倒になって数えるのを止めた、大体大小合わせて60体は壊したと思うが。
でも油断せずロボを見敵必殺しながら走り回り続け、試験時間が半分を過ぎた頃――ヤツは現れた。
BOOOOOM!!!
ビル並みの巨大ロボ――自身の巨体と巨碗でもって周囲のビルを特撮のセットみたいに破壊している!
「うわぁぁーー!!??」
「何だよアレーー!!??」
「シャレになんねーー!!??」
他の受験生たちは蜘蛛の子を散らす様に逃げていく。
それでいいのか、ヒーロー志望……?
俺は0ポイントロボの進行方向とは違う位置にいたが、ロボを少しだけ見て、その進行方向に向かった。
倒しても0ポイント、アレを倒す事でメリットがあるとすればレスキューポイント――ただしそれは本来受験生には知らされていない隠しポイント、俺が知っているのは前世の原作知識――ズルだ。
もしこれで、獲得できたであろうレスキューポイントを取っていたかも知れない受験者がいたら――
「……ごめんなッ!!」
何だか――倒したくなっちまった!
ロボを壊しまくっている内にアドレナリンが出たかな!
とにかく時間ももう無さそうだし、アレをぶっ壊して締めくくりとしよう。
全身にオーラを纏い、【擬似・舞空術】でロボの正面のビルの上へ――!
「かぁ、めぇ……!」
足を踏ん張り、両手を合わせて腰溜めに構え、オーラを高めて集める――!
「はぁ、めぇ……!!」
数ある技の中でも、俺が1番好きな大技――!
「波ぁーーー!!!」
【擬似・かめはめ波】――!!
DOOOOON!!!!
繰り出した俺の両手から撃ち出された青い閃光が広がり――数秒の後消えた、巨大ロボの上半身と共に。
残った巨大ロボの下半身が徐々に倒れていく。
ガシャァァァァァン!!!!
「ふぅぅ〜……」
轟音を立てて倒れた巨大ロボの残骸を見下ろしながら、構えを解いて息を吐く。
う〜ん、初めて力を入れて【擬似・かめはめ波】を撃てて気分爽快♪
ヤバい、この感じ、癖になりそう。
『終了~~~!!!!』
あ、丁度時間か。
「んん~……!」
終わったと思ったら、疲れが来た。
体を伸ばして解しながら、無事な階段を降りる。
しかし、修業を重ねてきた自負はあるが、俺もバケモノになったなぁ。
あんなゴ○ラみたいなロボを倒せるようになってしまった……。
「あ、あいつだ……!」
「ま、マジかよあいつ……!?」
「嘘だろ……?あの巨大ロボ、ぶっ倒しやがった……!?」
「バケモンじゃねえか……!」
地上に戻ると周りがざわざわ……まあ、言いたい事もその気持ちもわかる。
我ながら同感だから……嬉しい様な悲しい様な……ちょい複雑な気分だ。
ともあれ、入試は終了――俺達受験者は各々帰路に付いた……。
筆記は問題ない、少なくとも合格ラインは越えている筈だ。
実技もあれだけロボを倒したし、レスキューポイントも0ということはないだろう。
大丈夫と思うが、結果が出るまで安心できないのが俺の性分だ。
一応、滑り止めの他のヒーロー高校も受験したし、そっちも自己採点では合格しているはずだ。
そんなこんなで一週間が過ぎ……遂に雄英から知らせが来た――。
「さて、どうなったかな……?」
自室にて封筒を開け、中に入っていた小型の機械を机に置く。
すると――
『YEAH~~~!!!』
プレゼント・マイクが宙に投影された。
確か原作で緑谷出久のにはオールマイトだったはずだが、受験者毎に違うのかな?
『プレゼント・マイクがお送りする試験結果発表のお時間だぜー!!待たせたなー!!受験番号12854気賀巧くん!!!サクッと結果発表といくぜー!アーユーレディ!?』
「YEAH」
『オーケーセンキュー!!』
これ、録画だよな?
『さてさて、早速お待ちかねの試験結果だが……筆記試験!文句無しの合格点!!総合点順位ベスト3にランクインだぜ!クレバー!!』
オッケー、関門ひとつクリアだな。
『続いて実技試験!!
ごめん、知ってた。
『ヒーローは人救けしてナンボのお仕事!!敵か倒せりゃあいい訳じゃねえ!!救助活動こそヒーローの華!!試験中の行動を俺ら雄英教師陣が審査でポイントを決めてたのさー!さてさて、肝心のリスナーの救助活動ポイントは~~84ポイント!スゲーな!!今年ダントツ1位だぜYEAHー!!』
おー、結構取れてたな、救助ポイント。
そんなに積極的に他の受験者を助けた訳じゃないんだが、やっぱりあの0ポイントロボかな?
『最後の0P敵をブッ飛ばしたところは超COOLだったぜ!!思わず「YEAH!!」とシャウトしちまった!!合計154ポイント!文句無しの
そしてプレゼント・マイクの映像が消えた。
「ふぅ~」
安堵のため息……。
雄英合格、山を一つ越えられたってところか。
達成感で嬉しいは嬉しいが、ガッツポーズや飛び上がる程テンションは上がらない。
何せこの先には、困難と強敵が待ち受けているのだから……。
はてさて、この先どうなることやら……。
とりあえず、母ちゃんに知らせるか。
父さんは後でメールだな。
「母ちゃん、俺、雄英受かったよ」
「おお~!おめでとう巧!!父ちゃんにも教えてあげて!!今夜はお祝いよっ!!」
その後父ちゃんにもメールで合格を知らせ、その夜は父ちゃんの提案で少し高級なステーキ屋で特大ステーキで祝ってもらった。
この時は先の不安を忘れて、照れ臭かったが嬉しかった。
巧の技はあくまで【疑似】。
真似・模倣・再現である事、どうかご承知おきいただきたく。