僕のヒーローアカデミア A Little Extra   作:ジョン堂

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 お読みいただき恐縮千万。

 ※26/06/05 巧の座席を修正、ストーリーに影響無し。


エピソード3 今俺に出来ること?まあ色々と

 中学卒業、少しの春休みを経て、春の新学期到来――

 

 

 

「行ってきまーす」

 

「いってらっしゃーい」

 

 母ちゃんに見送られ、雄英の制服に着替えた俺は家を出た。

 

 

 

 今日から雄英高校1年生でございます。

 

 

 

 家から徒歩と電車でもって40分ちょいで雄英高校に到着――校舎に入りクラスに向かう。

 

「ったく、広すぎるわっ」

 

 校門から校舎まで、玄関から教室まで……とにかく何かにつけて広くて遠い。

 

 初日ということで大分余裕を持って来たからか、まだ他の生徒の姿を見ない。

 

 にしても……。

 

「はぁ、A組か……」

 

 原作主要キャラの巣窟……ちょっと引け腰になる。

 濃いのが揃ってるからなぁ……って、そう言えば、俺が入る分はやっぱり誰か落ちたんだろう?

 

 もしそうだとしたら……筋違いかも知れないが、落ちた誰か、ごめんな。

 

「っと、ここか」

 

 着いてた。

 

 ドア、デカ……4、5メートルはある。

 【異業型個性】対応ってヤツか。

 ドア前面に『1-A』と書かれている、分かり易い。

 

 とにかく入ろう。

 

「む、おはよう!」

 

 ドアを開けて入ると、既に1人教室にいた。

 飯田天哉だ。

 

「おはよう、早いな」

 

「入学初日だからな。そうでなくとも始業前登校はやはり基本だろう。っ、申し遅れた!ボ……っ俺は私立聡明中学出身、飯田天哉だ」

 

「俺は私立平穏学院中学から来た、気賀巧。よろしく、飯田君」

 

「ああ、こちらこそよろしく、気賀くん。これから、ヒーローを目指してお互い頑張ろう!」

 

「ああ」

 

「席は出席番号順になっている様だぞ」

 

「ああ、ありがとう」

 

 率先して声をかけて案内してくれるか、委員長っぽい……あっ、これから委員長になるのか。

 入試で物怖じせずに声を上げる姿勢と、何やら動きはカクカクとロボっぽくて、ちょっと取っ付き難い変な奴にも見えたが、こうして直に接すると根は良い奴だと実感する。

 将来、ヒーロー兼ここの教師とかハマりそう。

 

 さて、俺の席は……通路側から2列目の前から2番目か。

 あれ?

 よく見ると、席数が21……!?

 て事は、原作1-Aメンバープラス俺ってことなのか!?

 

 もしかして、俺というイレギュラーが入った事でクラス割りか定員が変わったり……?

 ちょっとドキドキというかハラハラしてきた……。

 

 

 そうしてドキドキハラハラしつつ、気を紛らわそうとスマホでゲームをしたり、ニュースアプリを見たりして時間を潰していると、続々と原作キャラが登校して来て席を埋めていった。

 

 ベルトを巻いた、金髪の何かお坊っちゃまっぽいヤツ、青山優雅。

 ピンクの肌にピンクの髪、そして黒目と角、芦戸三奈。

 黒のロングヘアだが目が大きくカエルっぽい、蛙吹梅雨。

 薄黄色の短髪、尻尾が生えた、それ以外は普通っぽい、尾白猿夫。

 金髪のチャラ男、上鳴電気。

 トゲトゲした赤髪の熱血系好青年、切島鋭児郎。

 顔がちょっと岩っぽい内気で無口な、口田甲司

 たらこ唇と団子っ鼻、砂藤力道。

 白い髪、顔に覆面、腕が6本、障子目蔵。

 黒のオカッパ?ボブカット?、あと耳たぶからイヤホンジャックが生えた、耳郎響香。

 肘が丸い形状になっている、瀬呂範太。

 頭の右半分が白髪、左半分が赤髪と目元に火傷痕、そして冷めた目、轟焦凍。

 顔がカラスっぽい、常闇踏陰。

 浮かぶ制服、透明人間、葉隠透。

 頭にボールが付いた小っこいの、峰田実。

 キリっとした黒髪の大人っぽい美少女、八百万百。

 

 そして……

 

「机に足を掛けるな!雄英の先輩方や机の製造者方に申し訳ないと思わないのか!?」

 

「思わねーよ!てめー何処中だよ、端役が!」

 

 ザ・チンピラ……爆豪勝己。

 飯田に注意されてもどこ吹く風……今時、机に足を掛けるなんて前時代の不良がやる仕草をマジでやるなんて、どんな育ち方をしてきたんだろうか……。

 入試の時も思ったが、出来るなら一生関わりたくなかった人種だ。

 これから3年間、同じ教室で過ごす事になるのか……気が重くなる。

 

「はぁ……ぬ?」

 

 視界の端に、ドアから教室を覗く人影……あ、緑谷出久だ。

 

 あ、飯田も気付いた。

 

「ボ……俺は私立聡明中学の……」

 

「聞いてたよ!あ……っと僕、緑谷。よろしく飯田くん……」

 

 近づいていく飯田に、少しビビりながら自己紹介する緑谷。

 入試で睨まれてたもんな。

 

「緑谷くん……君はあの実技試験の構造に気付いていたのだな」

 

 飯田が実技試験のレスキューポイントについて話し始める。

 何やら飯田は緑谷が最初からその事に気付いてたと誤解しているが、緑谷との友情の切っ掛けになるなら、誤解したままでいいだろう。

 

「あ!そのモサモサ頭は!!」

 

 続いて入って来たのは横にほわっと広がったボブカットの女子、麗日お茶子。

 へぇ、ほんわかする感じで可愛いじゃないか。

 

 俺を含めて21人……クラス全員が揃った事になるな。

 やっぱりクラス定員が変わったのか……どんな事情があるのか、気になってしまうな。

 

「――お友達ごっこしたいなら他所へ行け」

 

 緑谷と麗日が色々雑談していたところに声が掛かった。

 

 見れば、廊下に寝袋が転がっている……!

 

「ここは……ヒーロー科だぞ」

 

 そう言って、10秒チャージゼリーを飲み干した寝袋マン。

 

 クラスが静まり返る中、寝袋マンは立ち上がり寝袋を脱ぐ。

 

「ハイ、静かになるまで8秒かかりました。時間は有限、君達は合理性に欠くね」

 

 伸ばしっ放しって感じのぼさぼさ長髪、無精ひげ、充血気味の眠そうな目、首に帯状の布をぐるぐる巻いた全体的にくたびれた黒い服装……。

 

「担任の相澤消太だ。よろしくね」

 

 またの名を、抹消ヒーロー『イレイザー・ヘッド』――記憶にある限り、戦闘シーンとか結構渋くて格好いいお人だ。

 合理性重視で少し情に薄い感じだが、俺は結構好き。

 

「早速だが、コレ着てグラウンドに出ろ」

 

 相澤先生が寝袋から取り出したのはジャージタイプの雄英の体操着、戸惑う皆を無視してポンポンと配っていく。

 

 

 

 で、皆は訳が分からないって顔をしながらも、更衣室で体操着に着替え、指示通りグラウンドに集合した――。

 

 

 

『【個性】把握……テストォ!?』

 

 告げられた行事にクラスの戸惑いが加速する。

 

 入学式やガイダンスはすっ飛ばし。

 

「ヒーローになるなら、そんな悠長な行事出る時間ないよ」

 

 上がる疑問の声もあっさりスルー……。

 

 忘れがちだが、雄英は普通の高校じゃない――『ヒーロー』という特殊かつ危険が付きまとう職業者を育成する謂わば専門訓練学校なのだ。

 

「雄英は“自由”な校風が売り文句、そしてそれは“先生側”もまた然り」

 

 想像する普通の高校と違うのも、頷かざるを得ない。

 まあ、知っていたとしても実際目の当たりにすれば全力で戸惑いはするが……。

 

「ソフトボール投げ、立ち幅跳び、50メートル走、持久走、握力、反復横跳び、上体起こし、長座体前屈……中学の頃からやってるだろ?【個性】使用禁止の体力テスト」

 

 学年ごとの体力の平均値を出す為のテスト……【個性】という超能力が普通になった超人社会では、確かにあまり意味がないように思える。

 相澤先生曰く、文部科学省の怠慢だそうな……いいのか、教職員がそんな事言っちゃって……?

 

「実技入試成績の首席(トップ)は気賀だったな。気賀」

 

「っ、はい」

 

「中学の時、ソフトボール投げ何メートルだった?」

 

 ここで俺にくるか。

 えっと、ソフトボール投げ……俺の記録は――

 

「83メートルです」

 

「おぉ……!?」

 

「スゲーな……!」

 

 今のは砂藤と切島か、ありがとう。

 まあ、ずっと鍛えまくってきたもので。

 

「じゃあ、【個性】使ってやってみろ。円から出なきゃ何してもいい。早よ。思いっ切りな」

 

 ボールが投げ渡される。

 確か、投げるとスマホに距離が出るハイテクボールなんだったか。

 

 じゃあ、折角だし試してみますか。

 

「ッ!!」

 

 オーラを高め、ボールを両手に持ち、腰を捻って構える。

 空に向かって、あまり角度を上げ過ぎず――よし、狙いは定まった。

 

「かぁ、めぇ、はぁ、めぇ――波ぁーーー!!!」

 

DOOOOON!!!!

 

『うおぉぉ~~~!!??』

 

 【擬似・かめはめ波】に乗せてボールを手から撃ち出す――!

 青白いオーラと共に、ボールはほぼ一瞬で豆粒以下にまで小さくなって、空の彼方へすっ飛んでいった。

 

 さて、結果は……?

 

「……」

 

 あれ?

 相澤先生がスマホを見つめたまま何も言わない。

 

「先生?」

 

「待て、まだ結果が出ない。どうやら結構な距離飛んだ様だな」

 

 まだ?

 もう撃ち出して結構経ったと思うが……。

 

「……やっと来たか」

 

 と、言って相澤先生がスマホをこっちに見せてきた。

 

『2089.6m』

 

『おおぉ~~~!!??』

 

「先ずは自分の『最大限』を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」

 

「スッゲェーー!!?」

「2000メートル越えってマジかよ!?」

 

 いやいや、どもども。

 思いの外上手くいって俺も少し驚いた。

 何しろ思いつきでやったもんだから……感覚的に、もっとオーラを高めたらまだまだ飛距離伸びそう。

 まあ、他の測定に回す体力の配分とかを考えると、やる意味は微妙か。

 

「なにこれ!!面白そう!」

 

「【個性】思いっ切り使えんだあ!!さすがヒーロー科!!」

 

 あっ、いまの芦戸に瀬呂か……それ確か地雷……!

 

「……面白そう、か……」

 

 地の底から這い出てくる様な相澤先生の呟き……。

 

「ヒーローになる為の3年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?」

 

 うわぁ、相澤先生が暗黒オーラを纏っている(ような気がする)……。

 

「よし……8種目トータル成績最下位の者は『見込み無し』と判断し、除籍処分としよう」

 

『はあああ!!??』

 

「生徒の如何は俺達の“自由”……ようこそ、これが雄英高校ヒーロー科だ」

 

 無茶苦茶……これが、ヒロアカクオリティ……!

 

 

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