やっぱり抑えきれなくて、投稿します。
暫くはこっちがメインになりそう。
「大丈夫...?」
──ひと目惚れだった。
頭のうえに黒と紫の輪っかのようなものが浮いており、身の丈ほどある銃構え、後頭部には四本の角、背中には無骨で大きな翼が生えている。
ふわふわの白髪を太もも辺りまで靡かせ、低い身長に見合わない気だるげな雰囲気、こちらを捉える紫色の瞳には心配の感情が見えた。
その全てが、―どうしょうもなく綺麗だと思ったから。
「あ、あの!助けてくれてありがとう」
「いえ、それじゃあ」
助けてくれた少女は、背を向け去っていこうとする。
「まっ、待って!」
「なに?」
「な、名前。君の名前を教えてほしい」
少女は考える素振りを見せ、そしてため息を吐き、口を開ける。
「空崎ヒナ」
少女は、空崎ヒナと名乗った。
「ヒナ...空崎ヒナ...あの!空崎さん!ぼ、僕と...付き合ってください!」
「......え?」
あっ、やば、つい出ちゃった...
──これが二人の初めての出会い。ここから二人の青春の物語が始まっていく。
第一話:君との出会い
「ここ...何処?僕...さっきまで自分の部屋にいたよね...?」
オッケー、クールに行こう。僕はさっきまで、自分の部屋で休日をこれでもかと謳歌していたはずだ。
それが今や、何処かも分からない道路の上...いや...何処ここ!何で外にいるの僕!?しかも全然知らない道路だし!クールになんて行けるわけないでしょ!?誰だよそんなこと言ったの。←《こいつです》
思考が渦を巻いていく。あわや、誘拐か?そう思った時...
ズドォーン!!
「え!え!なになになに!」
空気が震えるような爆発音がした。
「爆発!?近くで何か事故でもあったのか?」
だけど好都合だと、思った。
「これだけの音だ、近くに人がいるかも知れない...その人にこの場所が何処か、教えてもらおう」
爆発音がした場所まで行くために、最短で行ける目の前の路地に入っていく、すると、前から何かを纏っている人影が見えて来た。
人だ!よし、話しかけよう。
「すみま...せー...ん?」
二人組の女の子が近づいてきたので話しかけようとする。
しかし、その女の子は頭に天使の輪っかのようなものを浮かばせ、手には”銃“を持っていた。
「へ?じゅ、銃...?」
「あれー?お兄さん銃持ってないじゃ~ん」「ほんとだラッキー、お兄さんお金ちょ〜うだい?」
チャキッと、銃をこちらに向けギラついた目で、こちらを捉える二人組。
混乱する頭の中、銃を向けられているという事情に、恐怖を感じてきた。
「お、お金なんて持ってないよ!ぼ、僕、そもそもここが何処か、分からないんだ」
「え〜自分がいる場所が分からないって、記憶喪失か何か〜?」「まあ、男の
「っ...!信じてくれるの?」
「うん、まあね〜本当に持ってなさそうだし...でも...」
バン!
「え...?うっ、撃った...」
ツーと、撃たれた頬から、血が流れる。
「うちら、今、めっちゃムカついてんだよね〜だから...ちょっとサンドバックになってよ」
本気でやる目だ...り、理解が出来ない...!人を撃つことへの躊躇いのなさに、人をサンドバッグにすると平然と言えるその精神性...こ...殺される!!
「い、イヤだ!僕はまだ、死にたくない!」
「え〜大げさだな〜お兄さんヘイロー持ってるから大丈夫でしょ」
言葉が入ってこない、目の前の娘が何を言っているのか分からない。
「だ、誰か!助けて!!」
「助けは来ない思うよ〜路地の奥だし、この先で結構ドンパチやってるしね〜じゃお兄さん、覚悟〜」
(ああ...終わった。16年か...短い人生だったな)
引き金に指をかけるのが見える。目を瞑り、死が訪れるのを待つ、だが、一向に撃たれる気配がない。
どういうことだろう。一度目を開けてみるか...
「え...?」
目を開ける、するとそこには、倒れ伏している二人組と白髪の小柄な少女がいた。
「大丈夫...?」
白髪の少女がこちらを見る。その顔を見た僕は...
──恋をした。
「あ、あの!助けてくれてありがとう」
「いえ、それじゃあ」
助けてくれた少女は、背を向け去っていこうとする。
「まっ、待って!」
「なに?」
「な、名前。君の名前を教えてほしい」
少女は考える素振りを見せ、そしてため息を吐き、口を開ける。
「空崎ヒナ」
「ヒナ...空崎ヒナ...あの!空崎さん!ぼ、僕と...付き合ってください!」
「......え?」
あっ、やば、つい出ちゃった...
「えっと...どういう...」
「あっ!ご、ごめん...違うんだ。いや...!違くないんだけれども」
一人でそうやって、問答していると...
ボソッ「助けたのは間違いだったかも...」
そんな声が聞こえる。
「ああ...!残念がらないほしい、君に嫌われると死にたくなっちゃう...」
「っ...そんな、大げさ...」
「大げさなんかじゃないよ...大マジ...!だって僕...ここが何処だから分からないもん...」
まあ、死にたくなる理由はそれだけじゃないけど
「あなた...それって...」
「いや...!?迷子とかじゃないからね...!?」
「違うの...?」
「ち、が、う!」
生暖かい目で見られたから、何かと思ったら...!迷子に間違われてたなんて...!
「今から荒唐無稽な事を話すけど、僕多分、別の世界から来たんだ」
「......」
やっぱり信じてくれないだろうか?ものすごく胡散臭い奴を見る目をしてる...!でも、こう言うしかないんだ。だって、僕がいた場所じゃ、天使の輪っかのようなものが頭上に浮いてないし、なんか変な
「とりあえず、場所を変えない?」
空崎さんに連れられ、近くのカフェに入る。
「何でも頼んでいいわ」
席に座ると、空崎さんがそう言った。
「いや...でも、申し訳ないよ...」
「いいの、別に...お金なんて、私はあまり使わないから」
「えっと...じゃあ、ブラックコーヒーを1つ...」
「分かった」
空崎さんがロボットの店員を呼び、注文を言う。
「ブラックコーヒーを2つ」
「空崎さんもブラックを飲むんだ?」
「仕事で飲むうちに飲めるようになったわ」
「成る程...」
そうしているうちに、コーヒーが届いた。
「そう言えば、頬の傷は大丈夫...?」
「大丈夫だよ、さっき、ぱっとだけど傷を洗ってきたから」
「そう、じゃあ、話を聞くわ」
こちらに真剣な眼差しを向ける。その綺麗な顔で見つめられると、心臓がドキッとする。
「っ...し、信じてもらえるかは分からない。それだけ、荒唐無稽なんだ、でも信じてほしい」
色々な事を、喋っていく。
部屋に居たはずなのに、急に見知らぬ道路の上に居た事。
爆発音がして、この場所を知っている人がいるかもと思い、最短距離である路地裏に入ったこと。
路地裏に入ったら、二人組の少女が居たので話しかけると、お金を要求され襲われたこと。
この世界に来て起こったことを、すべて話した。
「別の世界なんじゃないかって思ったのは、僕の世界では、女の子に天使の輪っかみたいなのが頭上についてないし、角や翼なんかも生えてないし、銃を携帯していないから」
説明が終わると、空崎さんは少し俯き、考え込んでいく。
信じてほしいな。ほかの人になら、まあ、信じてくれないよねで終われるだろうけど、好きな人相手には信じてほしいって思ってしまう。
そんな考えをしていると...
「...信じる」
「...っ!本当に!?」
「ええ...考えてみたけど、男性のヘイロー持ちが居たなんてこと聞いたことがない。よって、考えられる事は1つ、外の世界から来た人。でも腑に落ちない点がある」
「腑に落ちない点?」
「あなたの頭上に、ヘイローが浮かんであること」
「へ?いやいや、そんな...僕はピチピチのしがない、高校一年生だよ?ヘイローなんて、得体のしれないもの浮いているはず無いって」
「はぁ...窓を見てみて」
窓を見てみる。頭上に何か浮かんでる。
「え゙っ...本当にある...」
頭上に六道のように分かれた車輪のようなものが浮いていた。
「えぇ...嘘でしょ...僕、いつの間にか人間辞めてるんですけど...」
「ヘイローは、キヴォトスの生徒には全員浮かんでいるもの...その様子だと、この世界に来てから付いたようね...」
「キヴォトス...?」
「学園都市キヴォトス。あなたが知りたかったこの場所の名前...」
学園都市キヴォトス。その説明を空崎さんから聞いていく。
ざっくり言うと、子供が中心に回っている世界なんだと。前の世界だと考えられないな...
そんな世界にも強い力を持った学校があるらしい。それが...
科学や探究の、ミレニアムサイエンススクール
規律と伝統の、トリニティ
そして、今いる場所、自由と混沌を愛する、ゲヘナ。空崎さんは、ここに通ってるらしい。ちなみに1年生。
他にも、アビドス高等学校と言うのがあったらしいのだが、周辺の砂漠化により、ほとんどの生徒が辞め、今や2人だけらしい。
...2人で学校って成立するのだろうか...
そして、この世界は銃を持ち歩くのが普通らしい。何でも、生徒は撃たれたり爆発に巻き込まれても、痛いで済むらしい。
...どんな化け物だ一体...
「成る程...つまり、銃を持っていない知らない人から見ると、僕は余程の馬鹿って事になりますね」
「むしろ、変態だと思うわ」
「へ、変態...」
空崎さんに言われると心が痛いな...
「それで...あなた、これからどうするの?乗りかかった船だから、できる限り助けるけど...」
さっきの話を聞いて、それはもう決めてある。
「僕は、空崎さんが通っている学校に、通いたいかな」
そう言うと、今から死にに行く人に向けるような目を、向けられる。
「あなた...正気?」
「いや、正気だよ」
「私が通ってる学校、その校風を覚えていないわけじゃないよね?」
「うん」
「じゃあ、どうして...」
「そんなもの決まってる。──君と一緒の学校がいいんだ。それ以外考えられない」
それを聞いた、空崎さんは顔を真っ赤にして、こちらを睨む。
「わ、私と一緒がいいって...!?あなた、それだけの理由でこの学校を選ぶ?絶対だめ...!死ぬわ、すぐに」
「そうならないようにする。僕にだって、ヘイローがあるんだ、希望はある。それに僕にとっては、それだけの理由なんかじゃない。君と離ればなれになるくらいなら、自ら死地にだって行ってやる」
その瞳には覚悟が宿っていた。ついさっきまでは死にたくないと、泣いていたはずなのに。
「なんで...そこまで...」
「──
「な...!?う、嘘よ...」
「嘘じゃない、一目惚れだった」
本気。態度が、目が、それを語っている。
「じゃ、じゃあ、さっきの告白は...」
「あれも本気だった、言うつもりはなかったけどね。ポロっと出ちゃったんだ」
恥ずかしそうにポリポリと、頬を掻く。
「何度も言うよ、君が好きだ。だから、君と一緒の学校に通いたい」
「あぅ、あ、ぅ」
身体全体から出る好意に、一通り顔を赤くするヒナ。
こんなに好意を向けられるのは、一人を除いて初めて、ましてや男性からなんて、思考がまとまらない。だから、こんなことを口走ってしまう。
「え、えっといいよ」
「よっし!言質は取ったからね!」
「え、あ!?今のは違...!」
「やったー!やったー!空崎さんと通えるぞー!!」
訂正しようと思ったが、その声を聞き、辞めた。心の底から嬉しそうだったから。
「はぁ...分かったわ、手続きの方は私がするから。身分証明とかもないと思うし」
「ほんとに...!?ありがとう!」
眩しいほどの笑顔を見せる。その笑顔でまた、顔が赤くなる。
「っ...!そ、それより...あなた、寝床はどうするの?ご飯は?」
「え、えーと、どうしよう...?」
ノープラン。頬に集まった熱が冷め、つい、ため息が出る。
「はぁ~...私の家に来る?空いてる部屋はあるわ」
「い、いいの!?絶対にないけど、君を襲うかもしれないよ...?」
「いいわよ。襲われても返り討ちにするだけだから...」
助けてくれた光景が頭に浮かぶ。身の丈位ある銃を、こちらに向けられるのを想像する。
「確かに、僕程度、返り討ちだね」
「それじゃあ、ひとまず、家に行こう。あ、その前に...あなたの名前は?」
「そう言えば、ずっと名乗ってなかったね。僕の名前は、瞳天音。改めて、よろしく」
「ええよろしく、天音。私のことも、ヒナでいいわ。」
「じゃあヒナ...」
「っ...!早く、行きましょう」
「う、うん、分かった。それより...ヒナ、もしかして...照れてる?」
「て、照れてない...!」
「いや、でも顔...赤いけど」
「照れてない!」