ヒナの口調が難しい...!結構〇〇ねとか〇〇しましょう、とか、言わないんだよね。口調を寄せようとすると文章がおかしくなる。
うぅむ、どうしよう...
「その前に、あなたの銃とベッドを買いに行きましょう」
カフェを出て、ヒナの自宅に歩いていく中、ヒナがそう零した。
ぐぅ...!複雑な気分だ...買ってもらわなきゃいけないってのは理解できるんだけど...好きな女の子に奢られるのはなんだかヒモみたいで嫌なんだけど...
「お金は、稼げるようなったら絶対返すよ」
「だったら、部活に入ればいいわ」
「部活?それはどうして?」
「部活に入ると、給金があるの」
「成る程...流石、学園都市...」
部活に給料が発生するって...もう殆ど仕事じゃん。ていうか、ヒナは部活に入っているのだろうか?
「ヒナは何か部活に入ってるの?」
「私は風紀委員会に入ってるわ。その中の、情報部ってところ...」
「じゃあ僕もそこで...」
「はぁ...天音、あなた書類仕事ができるの?」
「ぐっ...!やったことないけど...でも、勉強する!」
書類仕事なんてやったことないけど、ヒナがいるならなんだってできそう。うそ、やっぱり教えてもらわないと無理。
「はぁぁ...あなたの意思だからね、紹介だけはするわ...っと着いたわ、ショッピングモール」
結構話し込んでいたので、気付かなかったのだが、いつの間にかついていたようだ。
「まずは、ベッドを買いに行きましょう」
ヒナはそう言って、ショッピングモールの中を進んでいく。
ある程度進むと、家具を売っている場所が見えた。
「好きなものを選んでいいわ。私は、待ってるから」
そう言われ、ベッドを選んでいく。
安いもの、なるべく安いものー。ん...骨組みにマットレス、掛け布団まで合わさって、19000クレジット?ほかのものに比べてもだいぶ安いな...よし!
「ヒナ、決まったよ。あれにしようかな」
離れていたヒナに、声を掛ける。
「天音...本当にこれでいいの?もっといいものもあると思うけど...?」
「これがいいんだ、君にあまり負担を掛けたくないから」
「天音がいいなら、いいのだけれど...じゃあ、会計済ませてくるわ」
ベッドの会計も済み、いよいよ次は銃を買う番が、回ってきた。
「次は銃ね、行きましょう」
ガンショプに着き、店の中に入る。中には、様々な種類の銃が置いてあった。
「すっげ...こんなの日本じゃ見れないな...」
「天音、使いたい銃の種類とかはある?」
「と、言ってもね、僕、銃を握ったことすらないよ」
「でしたら、試し打ちができますよ」
「ほ、ほんと!?」
店員のロボットが話に入ってきて、そんな事を言う。
「奥の方に、射撃場がありますので、どうぞそちらで」
「あ、ありがとうございます!」
お礼を言い、射撃場の中に入る。中は、ちゃんとした射撃場になっており、テーブルに様々な銃が置いてあり、その奥に的がある。
「まずはピストルから...」
ピストルが置いてあるテーブルに近づき、ピストルを手に取る。ずっしりと鉄の重みを感じる。
「け、結構重いな...それに...」
初めて銃を持った...なんだか、気分が高揚する。
「よ、よし!的に狙いを合わせて...ここ!」
パァン!と、甲高い音が鳴り、玉が発射される、そして玉は見事的に命中した。
「やっ、やった!当たったぞ...!」
「ええ、当たったわね。
「ぐぅぅ...!」
な、なんで!隣のレーンに当たるんだ...!この銃曲がってるんじゃないのか...!?
「ほ、他はできるかもしれない...!」
アサルトライフル
「くっ...!重いな...!的に標準を合わせて...」
ダダダダダッ!
「......」
「見事に的を全部それたわね」
サブマシンガン
「軽い...!これなら...」
パラパラパラパラ!
「惜しいわね...全部頭の上」
「もー!」
スナイパーライフル
「重すぎてボルトアクションしか持てなかった...でもこれなら...スコープがある...」
スパン!と、的の頭を撃ち抜いた。
「やった!今度は、ちゃんと当たったぞ...!」
「これは...ほんとにすごいわね...」
ハンドガンは明後日の方向に飛ばし、アサルトライフルとサブマシンガンは的を、スレスレで当たらず。スナイパーライフルだけは頭を一発。一体どういう適性なのだろうか?
「ヒナ!これを買うよ」
「他は使えないものね。分かった、一旦戻りましょう」
「うっ...!言葉が痛い...」
店の中に戻り、さっき試し撃ちをした銃を見つける。
「あった...M1500...」
「値段は...60000クレジットまあ、良心的ね」
「ろ、60000クレジット...ベッドの3倍以上...」
た、高い...!けど、前の世界の実銃に比べれば、安いほうか...
「買い終わったわよ、はいこれ、持っておいて」
「ありがとう」
「銃に名前を付けるといいわ。手に馴染むようになるから」
「名前...」
「私はデストロイヤーってつけてるわ」
デストロイヤー、終焉。これは、また随分と物騒な名前だ...
「そうだな...じゃあアレクトリデウスにしよう」
「それはどういう意味?」
「んー...恥ずかしいから秘密!」
アレクトリデウス、日本語に訳すと雛鳥。そう...ひな、知られると恥ずかし過ぎる...!
「そう...ならしょうがないわ...」
必要最低限の買い物を済ませ、ショッピングモールを出る。
「もう夕方...帰ったらご飯を......食材がないわ」
「え...?買わないとじゃん...」
「近くにスーパーがあるから、そこで食材を買い足そう...」
「料理は任せて、僕がやるよ」
「あなた...料理できるの?」
「そりゃぁもう、僕の自慢の一つだからね」
親が家にいないことが多かったから、料理をする機会が多くあった。だから料理は得意だ。
「じゃあ...お願い...」
「うん!」
スーパーに着き、中に入る。
「何を作るの?」
「んー...そうだね、今からヒナの家に行くってなると遅くなっちゃうね...手早く作れるものにしよう。オムライスとか、どう?」
「いいわ」
「よし、じゃあいろいろ買っていこう」
献立を決め、それに必要な材料を買っていき、カートに乗せ、会計をする。
「じゃあ...帰ろう」
すっかり暗くなった中を歩いていく。
「着いた、ここが私の家」
「ここがヒナさんの家...」
「入って」
そう言われ、家の中にはいる。
「使ってない部屋があるから、そこを使って。ベッドは郵送して、もう設置してあるから。私はお風呂に入ってくる」
「じゃあ僕はその間、ご飯を作ってるね」
「お願いするわ」
ヒナがお風呂に向かった。
「よし、まずはキッチンを探そう...」
キッチン、キッチンっと、お?ここかな...
「見つけた、じゃあ始めよう」
ピッチャ、パチャ
「...変な人 」
お風呂の中でヒナはそう思った。
「外の世界から来た男の子...」
最初は...偶然だった。男の子の人影が路地裏に入っていくのが見えたから、それを追いかけてみた。追いかけたのはその男の子にヘイローが見えたから。
追いかけてそれで...頬に血を流し、助けを求めていた。目の前の女の子に、撃たれそうになっていたから、それを止める。二人組を気絶させ、男の子に声をかけた。『大丈夫...?』
そこから、名前を聞かれ....
――告白された。
「...っ!そう...何で、私に...」
私は、人に好かれるような人じゃないのに...
『――君が好きだから』
『一目惚れだった』
「ぇぅ、あ、ぅあ...」
プシューと、頭から湯気が出るような錯覚がする。
「の、のぼせちゃう...上がろう...」
お風呂から上がり、パジャマに着替えて、リビングまで行く。
「あ...いい匂いがしてきた...」
「ヒナ、ご飯はできて...る...よ?」
「?どうしたの」
「そ、その...パジャマ姿が可愛くて...」
「...!?な、なに言ってるの...!?」
「い、いや!しょうがないじゃないか...!そう思っちゃったんだから...」
「...っ!お、怒ってるわけじゃないの...」
「そ、そう...?ならよかった」
本当に調子が狂う...高々、私のパジャマ姿でこんなに、顔を赤くして...怒ってないってわかったら、そんなに、安堵の表情を見せて...でも...嬉しいって思ってしまう。こんなに取り乱すのは私をちゃんと見てくれている証拠だから...面白みのない私を...
「よし!ご飯も冷めちゃうし、食べよう」
「分かった」
席につき、出来上がったオムライスを食べる。
「いただきます。ん...!おいしい...」
「そう?良かった〜...口に合って...」
美味しい...素直にそう思った。男性が作ったかのように思えない、繊細な味付け。食べる腕が止まらない、そしてふと、気づいた、こうやってほかの人とご飯を食べるは何時ぶりだろうか...
「ど、どうしたの?腕が急に止まったけど...」
「いえ、ごめんなさい。こうやって、人とご飯を食べるは、何時ぶりだと思って...」
「そうか...じゃあ!これから僕とずっと一緒だね!」
「―――」
―心臓が止まったかと思った。ずっと一緒...なんて甘味な言葉なんだろうか...
「あれ?ヒナ。おーい、大丈夫?もしもーし」
「おっかしいな〜結構いいこと言ったと思うんだけど」なんて言っている天音を見て、動き出せた。
「...ずっとではないわ...仕事の関係上徹夜もあるから...」
「えー、でもそれ、僕も入るから一緒じゃん」
「っ...!それはまだ決まったわけじゃ...」
「いや、これは決まったことだよ。僕にとってはね。例え、断れようと入ってみせる。その為ならどんな努力でもするよ」
ああ...これだけ言われればさすがに分かってしまう。本当に私のことが好きなんだ。身長も低いし、オシャレだって詳しく無い、万人が好きなことが分からない。こんな面白みのない女のことが本当に...
「わ、分かった、分かったから早く食べましょう」
頬の熱が引いてくれない...
「うん、食べようか」
「ごちそうさまでした」
「ごちそうさま。美味しかったわ」
ご飯を食べ終わり、食器を洗う。そう言えば、お風呂に入ってないなと思い、ヒナにお風呂に入っていいか聞く。
「ヒナ、僕も、お風呂に入っていいかな?」
「いいわよ、お湯はまだ抜いてないから、はいれると思うけど」
「ありがとう」
ヒナに許可をもらい、お風呂場まで歩いていく。お風呂場に着き、服を脱いで、扉を開ける。
「まずは、体を流して...」
かけ湯をしようとしてふと、思う。
このお湯、ヒナが先に入ってたよな...
「っ...!」
ヒナが入ったお湯、そう思うと、全身が熱くなっていく。
「ぼ、僕は変態じゃないぞ...!無心...無心...」
速攻でかけ湯を済ませ、無心で湯船につかる。ある程度つかり終えたら、速攻で湯船から出て、頭や体を洗う。
「えーと、シャンプーはこれで...リンスは...」
危うくこれを使ったら、ヒナと同じ匂いだよな?と考えそうになるが、思考を捨て、無心で済ます。
「心頭滅却...僕は変態じゃない...無心...」
すべてを洗い終え、お風呂を出て着ていた服を、もう一度着る。そして、そそくさとお風呂を出て、リビングに戻っていく。
「ヒナ、お風呂ありがとう」
「大丈夫...それより、そう...服も無かったわね。ちょっと待ってて」
そう言って、ヒナは何処かに行く。少し経つと、服を一枚持って帰ってきた。
「これ、間違えて私の身長より大きめのジャージを買ったけど、使わなかったから、貴女にあげるわ」
「いいの?」
「ええ、ずっとタンスのなかに入っているだけなのも、この服がかわいそうだから」
「じゃあ...ありがたく。ちょっと着替えてくるね」
一度、お風呂場まで行き、着替える。脱いだものは洗濯機に入れる。
「ん、結構ぴったりだな...」
着替え終わり、リビングに戻っていく。
「着替えたよ、どう...かな?」
「似合ってる...かわいい...」
「か、かわいい...」
前の世界で、散々言われた言葉だ、男が言われたって嬉しくなさすぎる...
「いえ...ち、違うの!。いえ、違くないのだけれど...言葉の綾で...」
「.....まあ...いいよ」
「その...ごめんない...」
「謝ることじゃないよ、これは僕の意地だから」
好きな人には、カッコいいって言われたい。そんな男のプライドだから。
「えっと、じゃあそろそろ寝ようかな?」
「うん、そうだね寝ようか。あ、じゃあ最後に...」
「?」
「ヒナ、今日は本当にありがとう。君があそこで助けてくれなかったら僕は死んでいたよ、だから、ありがとう...」
「いいわ、私も、善意で助けってわけじゃないし...」
「でも、君は助けてくれた。その事実は変わらない」
「そうね...じゃあ受け取ります...」
「うん、そうしてほしい」
感謝を受け取る。
「じゃ、じゃあお休み天音」
「お休みヒナ」
こうして、天音の激動の1日が終わる。天音はこれからのことを考えながら眠りにつく。
ヒナと釣り合うように頑張るぞー!