「ふゎぁ〜...知らない天井だ」
朝、天音が目を覚ますと、知らない天井だった。
「あ、そうだった...ここ、僕がいた世界じゃないんだった...」
昨日の出来事を思い出し、そう口にした。
「夢じゃないよね〜やっぱり」
じつは、ほんのちょっとたちの悪い夢なんじゃないかと思っていたが、やっぱりそうではないようだ。
「まあでもいっか!僕には、ヒナがいるし!そうと決まれば...!」
部屋を出て、洗面所で顔を洗い口を濯ぎ、リビングまで行く。そして、ヒナが起きていないのを確認した。
「ヒナは...まだ起きていないね。じゃあ朝ご飯とお昼ご飯を作っちゃおうか。きのう買い込んだから、食材はいっぱいあるんだよね〜」
冷蔵庫を開け、中を見ていく。
「まあ、朝ご飯は定番でいいかお昼は...」
そう思い、いろいろ食材を取っていく。
「ふん、ふふ〜ん」
鼻歌を歌いながら昼食と朝食を作っていく。
「ん...おはよう」
「あ!ヒナおはよう。ご飯は、もう少しでできるから、待ってて」
ヒナが起きてきたので、そう伝える。
「朝ご飯を、作ってくれたの?」
「うん、早く起きたからね。それに、やることがこれくらいしかないからね」
「...ありがとう」
「いいよ!っとご飯も出来たよ」
席につき朝ご飯を食べる。
「「いただきます」」
「これは...ベーコンと卵にウインナーね...」
「朝の定番だね!」
「それじゃあ...ん、美味しい...」
全体的に優しい味付け、朝には抜群の相性だ。
「ごちそうさま。じゃあ私、学校だからもう行くわ...」
「あ!待って待って!」
「?」
「はい!これ、お弁当。お昼に食べてね」
「お...弁当?」
「そうそう!お昼いっぱい食べてほしくて、お弁当箱があってよかったよ」
お弁当を渡される。
「あ、ありがとう」
渡されたお弁当を受け取とる、そう言えば...人にお弁当を作ってもらうのは初めてだ。なんだか、嬉しく感じる...
「行ってきます」
「いってらっしゃい!頑張って!」
「さて、どうしようかな...」
ヒナは学校に行っちゃったし、家からは出るなって言われている。何でも、男の生徒は僕しかおらず外に行くと高確率で物珍しさで絡まれるそうだ。
「ヒナはできる限り早く、入学の手続きをしてくれるって言うけど...その間、暇だな〜」
部屋で何かできることをしよう。
「ん〜...銃は撃てないし、運動だってできない、書類仕事の練習も、書類がないからできないでしょ、あっそうだ、筋トレしよう。筋トレだったら部屋でもできるしね」
ヒナの横に立てるようになりたい、その為には、強くならなくちゃいけない。でも、外には出れないから走ったりの運動もできないし、銃を撃つ練習もできない...じゃあ家でできることって言ったら、筋トレくらいしかないよね。
「よし!そうと決まれば始めるか...まずは、腕立てから...」
筋トレなんて全然やらないから、どれくらいできるかな?
「い〜ち!に〜い!さ〜ん!」
体力的に、20回くらいでバテるかなと...そう思っていたが...
「48!49!50!うあー、もう限界...!」
記録は50回、あれ?おかしいな...と思ってしまう。前の世界の身体想定では、20回くらいだったはず...もしかして...
「
上体起こし
「98!99!100!ふぅ...100回できちゃった...」
スクワット
「124...125...126...まだ続けられそうだ...」
それにしても...やっぱり全体的に身体能力が上がってる...もしかして...このヘイローのお陰か?
六道に分かれた車輪のようなヘイロー、そう言えばヒナは生徒は全員このヘイローを持っていて、銃に撃たれても痛いで済むって言ったな。じゃあやっぱりこのヘイローが、その恩恵を与えていそうだ...
「だとしても、
そう言えば...路地裏で襲われたあの二人組も、ヒナも、そして僕も、何かオーラのようなものを纏っていた。それに...ヒナはあの二人組よりかなり大きい量を纏っている。
「あの
僕もあの二人組よりは量の多いオーラだった、なら、それを操れるようになれば...
「...僕だけ撃たれて普通に怪我を負うのは、不公平だと思ったけど...案外、希望が見えてきたな...」
よし...希望が見えた帰ってきたらヒナに聞いてみよう。まあ、今はとりあえず筋トレを頑張るか...
「仕事も終わったし、帰ろう...」
情報部での活動も終わり、ヒナは帰路につく。
「それにしても...やっぱりゲヘナね、天音の書類、あれで通るなんて...」
出身校も経歴も写真も存在しないため、今住んでいる住所、名前と年齢、あらかじめ聞いていた身長だけ書いた履歴書を提出したのだが通ってしまった。
「はぁ...本当にどうかしてる...」
ゲヘナの嫌な自由さに、頭が痛くなっていると...
「そう言えば...弁当...美味しかった...」
開けてビックリ、色とりどりな弁当だった、栄養を考えて作ってくれたんだろう。しかも、どれもが美味しい。
「天音と学校...」
書類が通ってしまったのなら、制服などが届いたら学校に行くことになるだろう。そして、自分は天音と一緒に学校まで歩くことになる。
「っ...!い、一緒に...登校...」
体に熱がこもる、頬に朱がさし、思考がぐちゃぐちゃになっていく。
「あぅ...ぁぅ...一緒...ずっと一緒...」
体がポワポワする、一緒に行ける、それが嬉しかった。しかし、ふと、思う。
「あれ?私、何でこんなに嬉し良いんだろう?」
何でだろう、そう思い考えようとすると...
「あ、もう家...着いたんだ」
また、考えよう...
そう思い、家の扉を開ける。
「あ!ヒナおかえり!」
おかえり、その言葉に冷めていた体が熱を灯す。
「た、ただいま...」
「お風呂、もう入ってるよ、ご飯もできてるけど...どうする?」
至れり尽くせりだった。
「じゃ、じゃあお風呂に入るわ」
「オッケー!待ってるね」
本当に、本当に、変な人...
「上がったわ」
お風呂に入っていたヒナが帰ってきた。
「じゃあご飯食べようか」
「ええ」
「「いただきます」」
今日は肉じゃが、作る時間があったから、作ってみた。
「天音、頭の痛い話だけれど、入学の書類が通ったわ」
「本当!?やった!これでヒナと通えるぞ〜!」
「...制服が送られてくるから、それからになるけど...」
「分かった、待つよ!」
書類通って良かったー...!よく経歴が全部ない姿もわからないっていうのを通したな、ゲヘナってもしかして想像してたより頭が悪い...?
...不安になってきたな...ま、まあ...それは一旦置いておこう。僕も、ヒナに聞きたいことがあるんだった。
「ヒナ、ちょっと質問していい?」
「?いいけど...」
「ありがとう。じゃあ...ヒナが纏っているオーラについて、聞きたいんだ。」
「オーラ?なにそれ...」
「え、あ、あれ?もしかして...見えてないの?それ」
もしかして僕だけなのか、見えてるの...
「えっと...ごめんない、私じゃ力になれないみたい...」
「い、いや...僕もごめん。変なこと聞いた」
き、気まずい...!嫌いな空気だ、何か話題を変えよう...
「そ、そう言えば、ヒナ、昔使ってた参考書とかってないかな...?」
「あるけど...」
「良かった...貸してくれないかな?この世界の歴史とか、分かんないからね、予習をしとかないと...」
「成る程...分かったわ」
「ありがとう。助かるよ...じゃあ、話し込んじゃったし、ご飯を食べようか」
「冷めるものね」
でも、そうか...あのオーラは僕だけなのか、見えているの...確かに、前の世界から目はいい方だったけど、こんな変なものまで見える程じゃなかった。
よくある特典とかなのかな?だとしたらなにに使うんだろうこれ...?どうせなら、僕も銃弾を受けても痛いで済むようにして欲しかったな...まあ、考えても仕方がないか...ご飯も冷めちゃうしぱっぱと食べよう...
「ふぃ~いい湯だった...よーし、じゃあもう寝ようかな」
ご飯を食べ、お風呂に入り、寝る時間になったので寝る準備をしたあと、ヒナに挨拶し部屋に戻る。
「ヒナ、お休み」
「ええ、お休み」
部屋に戻り、ベッドの中にはいる。