「おはよう、ヒナ」
「おはよう、天音。最近、勉強頑張ってるみたいだけど、調子はどう?」
「んー...ボチボチかな?科学とか数学とかは似通ってるとこがあるから結果できてるよ、でもやっぱり歴史とかの暗記が難しいかな...?」
この世界に来てから、早くも2週間が過ぎた。その間ずっと、勉強とご飯作りに筋トレの毎日だった。前にいた世界では考えられないくらい頑張ってる、正直しんどい...でも、それ以上に、ヒナの隣に立ちたい。だから、頑張れる。
「そう...もし分からない所があれば、教えてあげるから相談して...じゃ、行ってくる」
「行ってらっしゃい」
そう言い残し、ヒナは学校に行った。
「よし!ヒナも学校に行ったし僕も頑張るか!」
1日の始まりだ...!頑張るぞ~
ピンポーン!
「あれ?誰か来たみたい...」
ヒナの知り合いかな?来客なんて初めて来たな...
「は~い!今出ます!」
ガチャ!
「ああ、出てこられましたね。瞳天音さんでしょうか?」
「え、えっと瞳天音は僕ですが...」
「そうですか私はゲヘナ学園のものです...瞳天音さんにお荷物があります。これを」
「これは...」
「中には制服、体操服、bd,時間割が入っています。学校には、明後日にいらしてください」
「あ、ありがとうございます!」
「では...私はこれで」
バタン!
「...やっと来た...明後日から僕もヒナと一緒に...」
これでもっと、ヒナと一緒に居れる。よし、とりあえず開けてみよう、制服とか着れるか見てみないと...
「え゙...!う、うそだ──ー!!」
「えーと...天音、なんでそんなに落ち込んでるの...?」
「うぅ...なんで...ぁ、お帰り...ヒナ」
家に着き、リビングまで行くと、天音がドヨーンとしていた。こんなに落ち込んでいるのは初めて見た。基本、私がいると、天音は私のことが大好きオーラが強くなって、いつもニコニコしてるから...
「えっとね...今日、ゲヘナ学園から荷物が届いたんだ...制服、体操服、bd、時間割が入ってたよ...」
「もう来てたんだ」
「それでね、制服を一度着ておこうかなって...もしかしたらはいらないかもしれないから、そしたら...中にこれが...」
そうして、天音が取り出したのは
「???」
「なんか、女の子用だったんだよね制服...」
そう言えば...履歴書に性別を書いていなかったかもしれない...キヴォトスには男性の生徒はいない。つまり必然的に、女性物の制服が来るのは間違っていないだろう...
「あ...」
「...もしかして...ヒナ、何か知ってる?」
バレた。虚ろな目でこちらを見てくる。謎の圧もあり、少し、怖く感じる...
「え、えっと...その...私が履歴書に性別を書き忘れたから...」
「...成る程だから必然的に女の子の制服になったと...男性の生徒は居ないもんね...そうだよね...」
「あの、そ、その、ごめなさい...」
「...いや...良いんだ僕が無理を言って入学したいって言ったんだから...ヒナは悪くないよ...」
すごい、哀愁を感じる...
「い、一度着てみたらどう...?新しい制服を頼むのにも、時間がかかると思うし...」
「ひ、ヒナは僕が着てるのを、見てみたいと思う?」
そう言われ、一度天音のことをじっくり見る。
身長は、男性には低い150smより少し高いくらい、手や脚は無駄毛が一切なく、女性が羨むくらいの白色。顔は中性的で、少し違えば女性に見て取れる程、髪はツヤのある黒髪をショートに切っている。
総じて、スカートを履いても違和感ないくらいには女性ぽっい。
「見てみたいかも...」
「え...ほ、本当に?」
「うん」
「じゃ、じゃあ着替えてくる...」
顔を赤くし、部屋に消えていく。ある程度時間がたったらのそのそと裾をつかみながら戻ってきた。
その姿を見た時、ヒナに電流が走る。──か...かわいい...!と。
「うぅ...なんか、スースーする。ど、どうかな...?やっ、やっぱり似合わないよね...」
「い、いえ...!似合ってる...!と言うか...天音、本当に男?」
「か、かわ...!?い、いや、僕は男だよ!」
「お、女の子に間違われるって...これを着ているときは良いかもしれないけど、複雑だ...」なんて言っている。確かに...これを着てる時、男性ってバレなければいい、なら...
「もう、女の子で行ったらいいと思うけど...メリットもあるし...」
主に絡まれる確率が、グンッと下がる。
「いや、そうかも知れないけど...僕の心が...」
「じゃあ、私で慣らしたらどう?」
ものすごい微妙な顔をしている...
「本当は好きな人相手に、こんな男っぽくない格好見せたくない...でも...絡まれる時間を減らして、君と一緒にいれる時間が増えるのなら...やるよ...」
虚ろだった天音の目に、火が灯る。
「そう言えば...登校はいつなの...?」
「明後日だよ」
明後日...もうほとんど時間がない...
「...明日は一日中制服ね...」
「はい...」
──2日後...
「天音、準備はできた?」
「う、うん。い、行こう」
あの後...次の日は一日中、制服で過ごした。男のものとは違う、あの独特の感覚。動くたびにパンツが見えるんじゃないかとヒヤヒヤしたり、大変だった。
そして今日、実際に登校する...
「2週間ぶりの外だ...眩し...!」
「じゃあ...案内するわ、付いてきて...」
「ヒナと一緒に登校...!ああ...昨日、あれだけ苦労した甲斐があった...」
「大げさ...」
大げさだって...!?僕がどれだけこの時を待ち浴びていたことか...!好きな人と学校に登校する...なんて青春なんだ...!
「はぁ...早く行こう...」
「あっ!まって!」
「着いた...ここがゲヘナ学園...」
学園に着いた。目の前を見ると、前には白いお城のような学舎が見える。
「あれが学校?王様が住んでる城にしか見えないけど...」
「天音、多分職員室に行けばいいから、そこまで連れて行くわ...」
「ありがとう!」
学舎に入り、職員室まで歩く。
「着いた...ここ中に職員のロボットがいるから、話しかけて。じゃあ、私は行くから...」
そう言い、ヒナは離れていく。
「よし...」
コン、コン、コン。
「失礼します」
ガラガラガラ!と、扉を開け職員室に入りる。
「え~と今日編入予定の、瞳天音なんですけど...」
「アァ、アマネサンデスネ、ツイテキテクダサイ」
ロボットに着いていく。
「ココノキョウシツデス」
ガラガラガラ!と、扉を開け教室に入っていくロボット。それについて行き、教壇に立った。
「ミナサンチュウモク、テンニュウセイヲショウカイシマス。アマネサンジコショウカイヲ」
「は、はい!」
自己紹介をする
「瞳天音です!好きなものは料理と惰眠です!訳あって小、中共にいけてませんが、よろしくお願いします。」
シーンと、何の音も聞こえない。
「え、え...無視...て言うか興味なさそう...」
座っている人たちを見ていたら、一人以外こちらを見ていなかった。
「アイテルセキニスワッテクダサイ」
「あ、はい」
調度、こちらを見てくれていた人の隣が空いていたので、そこに座る。
「bdヲミテクダサイ、デハコレデ」
ロボットは、教室を出ていく。
「え!これだけ...授業は...?」
う、うそでしょ...まさかbdを見るだけが授業って言わないよね。
「これだけですわよ。まあ、皆様勉強するつもりはないようですが」
横から声をかけられた。振り向いてみると赤い瞳に長い銀髪の美少女が居た。
「え、えっと君は」
「これは失礼、私の名前は黒舘ハルナと申します。よろしくお願いしますね天音さん」
「よ、よろしく」
にこにこ顔で、こちらに握手を求めてくる。なんか、さっきから圧がすごいな...そう思いながらも握手する。
「ところで...天音さん。貴女は好きなものは料理だとおっしゃいましたね?よくお作りに?」
「う、うんそうだね、毎日作ってるよ」
「どのようなものをお作りに?」
「えーと、そうだね...最近だと、ハンバークがうまくいったかな...」
ヒナが、とても美味しそうに食べていたから。僕的には、うまくいったと思う。ちなみにその時のヒナの顔は神だった。
「そうですか ...ハンバークを...今度、私も食べさせてもらっても?」
「それは...良いけど、なんで僕の料理を食べたいの?」
「私は、美食を追い求めているです。そんな私のセンサーに貴女の料理が反応しまして...ですから一度食べてみたいと思
い...」
「な、成る程...じゃ、じゃあお昼に食べてみる?僕のご飯...」
「い、いいのですか...!?」
「さ、流石に全部はあげれないけどね」
「それでは、お言葉に甘えさせてもらいます」
そんなに期待されても困るな〜...
「じゃあ、僕は勉強するから...」
「ええ、分かりました」
わ!すごい、このBD昔の授業も乗ってるぞ。勉強、仕放題だ〜!──て言うか僕が男だってバレなかったな。なんか、複雑。
キーンコーン!
「お昼になりました...では食べさせてもらいましょう」
「う、うん。いいよ...」
え~と、お弁当、お弁当。
「はい、好きなのを取っていいよ」
パカっと、お弁当を開けると色とりどりな具材が入っていた。
「まあ、美味しそうですね...では、この卵焼きをもらいましょう。いただきます」
ハルナは卵焼きをお箸でつかみ、口に運んでいく。
「...っこれは...!」
「えっと、どうかな?」
「お、美味しいです...私が食べた中でも上位に...」
「ほっ、良かった...これで美味しくないって言われたら、ちょっと悲しかったな」
「あの...もう一つ、他のものを食べてもよろしいですか?」
「あはは、そんなによかったんだ、いいよ」
「ありがとうございます。では...唐揚げを頂戴しますね。はむ...ん...!こ、これは...!冷めていても衣がサクサクで...美味しいですね...」
すごい、美味しそうに食べるな...嬉しいけど、そこまで褒められると流石に照れが勝つな...
「ごちそうさまでした。とても美味しかったです。また機会があれば、食べさせてもらえますか?」
「うん、いいよ。また」
それじゃあ、僕も食べよう。
「ごちそうさまでした」
授業開始まで、まだ時間があるな...そうだ!ヒナがいる教室に行こう、情報部の場所とかも聞かないと。
そう思い、教室を出て歩いていく。
「同じ一年だし、近くに教室があると思うんだけど...」
1つ1つ教室を覗きながら歩いていく。ある程度歩いていくと、ヒナが見えた。
「お、いたいた。おーいヒナ〜!」
ヒナを呼ぶと、こちらを見て驚いた後、勢いよくこちらに来た。
「ちょっ...ちょと...!声が大きい...」
「いやー、ごめん。でも、大きな声で呼ばないと聞こえないでしょ?」
「それは...ほかの人に頼むとか...いえ、忘れて、愚問だったわ...」
うん、そうだね明らかに手伝ってくれそうな人がいない。ゲヘナって全部の生徒こうなのか...?
「はぁ...それで?何のよう?」
「いや、そう言えば僕、情報部の場所を聞いてないと思って...」
「...そう言えばそうね...一度学舎を出ると塔があると思う、そこが情報部の部室...まあ、風紀委員も一緒だけれど...」
「あれか...」
この学舎にはいる前、左側に大きな塔が見えていた。あれ、なにに使うのかと思ったけど。部室なのか...規模が違うな。
「私も、勧めてはみるけど、あまり期待しないで」
「おーけー、分かってる」
「じゃあ...私は教室に戻るわ」
「うん、ありがとう」
よし!じゃあ放課後まで頑張るか...
キーンコーン!
最後の授業が終わり、早足でヒナのもとに行く。先ほどと同じように大声で呼ばれるのが嫌なのか、教室の前で待っていた。
「ヒナ、来たよ」
「ええ、行きましょう」
学舎を出て、部室まで歩いていく。
「着いた...入ろう」
中に入る。
「情報部はこっち...」
ヒナについて行く。
「ここが情報部の部室、開けるね」
情報部に入る。中には、デスクに張り付き書類とにらめっこをしている人が沢山いた。
「部長、入部希望者を連れてきた...」
「んぁ...おー入部希望者...まじで?」
部長と呼ばれた人がそう答えた。
「あー、君、名前は?」
「瞳天音です」
「天音...天音ね、よし、採用。研修は明日するから、明日来てね〜」
え?さ、採用...?マジで...?やった!よしよしよし!これでヒナと多く一緒にいれるぞ...!
「はぁ...部長、そんなに簡単に決めていいの...?」
「いいって、人手が足りねぇし、どうせ途中で音を上げんだ、なら一度ふるいにかけるほうが効率的だろ」
「...本音は?」
「面接すんの面倒くせぇ〜」
「はぁ...そんなことだろうと思った...」
「ははは!良いじゃねえか、コマけぇこたぁ...あ、それと教育係はお前だから、面倒見てやれよ」
「それはいい。元々見る予定だったから。それと...天音何時まで喜んでいるの 、帰ってきなさい...」
頭が喜びでいっぱいになっていると、ヒナの声が聞こえた。
「あ、ごめん。聞いてなかった、なに?」
「明日から、私が教えることになったから、今日は帰りなさい...」
「あ、そうだね。分かった、じゃあ、先に帰ってるね」
ヒナにそう言われ、部室を出る。
「よし、帰るか...」
ゲヘナ学園を出る。そしてしばらく歩くと、誰かに声をかけられた。
「こんにちは、瞳天音さん。少し、お話をしませんか?」
話しかけられた方を向く、そこには、異形がいた。ひび割れた黒い顔のスーツを着た男?だった。
──思えば、ここがターニングポイントだったのかもしれない。