入り口の前には先に来ていたPUTのメンバーとエレナの姿があった。
「やっと来たのか、随分遅かったじゃないか」
(よかった…ちゃんと来た…)
表面では悪態をつきながらも我々の到着に安堵するエレナ。
その横を見てみると、ティグとガヴィアの姿が無かった。
そしてエレナの秘書で物理的にべったりとくっ付いていたアメリアも。
ティグはともかくあの2人が居ないのは少し意外だった。
「……ねぇ、ガヴィアとアメリアは?」
「ガヴィアさんならティグさんとペアで先にシャドウの巣に潜ってます」
「アメリアは影時間に適性がなかったんだ、今頃オフィスで気を失ったように寝てる」
「適性がない奴や迷い込んでない奴は何故か市庁舎に居ても影響を受けないらしいんだ」
思えばタルタロスでも学校の警備員が襲われたという報告は挙がっていなかった。
彼女の言うことは信じて良さそうだ。
「……なるほど」
全てが腑に落ちたところでネルが勢いよく前に出てきた。
「こうしている時間が惜しいです!」
「早く入りましょう!」
「……ネル?」
王国での被害はもちろん、世界樹に仕える司祭ということもあって世界樹が忌避するものに対して排除しようという意識が強いようだ。
普段の立ち振る舞いからは想像も付かないような暴の気を感じる。
僕はエルフィンの手を取って彼女に続いた。
扉を開けると見慣れたロビーが目の前に広がった。
殆ど使わなかったテレポート装置、何故か回復ができてその見返りに金を要求する振り子時計、無駄に長い階段、その先に鎮座する時計のような意匠の門、全てが懐かしい。
後ろの扉を潜れば、また巌戸台での生活が待っているのではないかと錯覚する程に、あの頃と何ら変わりない風景だった。
淡い青の光に照らされて、辺りは神秘的な雰囲気に包まれる。
端にはきちんとベルベットルームに繋がる青い扉も置かれていていつでもペルソナの合体や辞典からの引き出しが行えるようになっている。
「……全く同じだ」
今はまだベルベットルームの世話になるようなことはないかもしれないが、そこにあることがわかっているだけでも幾分か安心する。
恐らく辞典は契約を新しく取り付けた際にリセットされた──正確に言えば以前のものにはアクセスができなくなっているだろう。
以前交わした契約はあくまでキタローのものであって前の僕とは関係がないから。
「それじゃあ先行ってるわね」
「教主様、お気をつけて!」
「……え?」
シルフィールとローネは先に行ってしまった。
てっきり二人が同行するものとばかり思っていたが…
「契約書にはお互いの救援には必ず応じろとしか書いてないぞ」
「それに君には必要ないだろう」
言われてみればその通りだった。
影時間発生からそれほど時間が経っていない以上PUTの発足もつい最近のことであり、経験値で言えば彼女らよりも僕の方が遥かに高い。
その上、こちらにはネルとエルフィンも居る。
尤もエルフィンはシャドウの戦えるかわからないが。
「コイツを渡しておくから無線切るなよ」
そう言ってエレナに渡されたのはこざっぱりとした通信機。
これでPUTとのやり取りを行えということだろうか。
「行きましょう、教主様!」
「……わ、わかった」
ネルに気圧されながら階段の先にある
入って早々に通信機が電波を受信した。
いつも思っていたことだが本来電子機器が停止する影時間でも動くそれらは一体どんな技術で作られているのだろうか。
アイギスは"黄昏の羽"がどうのと言っていたがいまいち理解できなかった。
「よし、無事に入れたようだな」
「なに、今日は戦果よりも君達の戦い方を見せてくれれば良い」
「肩の力を抜いてくれたまえ」
やや鼻につく言い方だが今はどうでもいい。
僕も2人が戦えるかどうかを見たかった。
まずは適当なシャドウを…──
「きゃあああああああああああああああああああああ!!!!」
鈍い音と共に甲高い叫び声がフロアに響いた。
そして怯えた様子で僕の背後を見ているエルフィン、まさか…!
いよいよタルタロス突入となりましたがもちほっぺ達のペルソナは基本歴史上の人物を元にしていく予定です。
理由としてはペルソナのモデルになった神話の登場人物が現実ではない別の世界で偉業を成した者達だとすれば、エーリアス人から見て人間の世界で名を残した偉人達も同じようなものではないかと考えられるためです。
それに加えて自分の死後も残る何かがある者達はペルソナ3のテーマとも相性が良さそうだと思いませんか?
あとがきって要りますかね…
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Yes
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No