僕とネルとエルフィンはシャドウの巣に関する調査と対シャドウ特別チームとのコンタクトを取るべく徒歩でモナティアムに来ていた。
日付は4月21日、僕が教主に就任した日の翌日。
都市は辰巳ポートアイランドでさえ後れて見えるほどに栄えていて、エルフにありがちな自然と調和して生きているというイメージにドロップキックを浴びせた後倒れたところにダイナマイトを口に詰め込み着火してきた。
辺りを見回せば、Tシャツ、スーツ、ドレスといった現代的な服装をした者が至る所に見られた。
しかし…やはり衰えたのだろうか、長距離移動で脚が腫れ始めている。
こんな体でシャドウと戦っていくのは心許ない…せめて2人が戦いに参加してくれたらと強く思う。
「うぅー…もう歩けない!ネルおんぶー!」
「女王様!エルフ達の領地でそんなみっともない真似はおやめください!」
為政者というよりは幼子のようにしか見えないエルフィンとそれを母親のように嗜めるネルを見ていると、一つの家族に一員として加わったような気分になる。
…家族か。
思えば僕はずっと天涯孤独の身だった。
あの日、僕がデスをこの身に封じられた日の事故で僕の両親は亡くなった。
大いなる封印で僕の魂は人類を二ュクスの脅威から遠ざける枷となった。
おそらく2人のもとにはもう行けないかもしれない。
それでも僕は正しいことをしたと思う。
「教主様!女王様をおぶってください!」
「……え?」
感慨に耽っていると、根負けしたネルにいきなりエルフィンを背負わされた。
彼女はサイズの割に重量があり、意外なことに肉も胸以外そこまで無駄がない。
おそらく筋肉が凄いタイプなのだろう。
筋肉は脂肪より重いと真田先輩も言っていた気がする。
多分、きっと…おそらく?メイビー…プロバブリー…
「……仕方ない、しっかり掴まってて」
「さぁ出発よ!モナティアム市庁舎へ!」
「まだ既定の時刻には余裕がありますのでゆっくりと参りましょう」
目的地は市庁舎、今居る場所からはそれなりに距離があるので向かっている最中雑談をすることにした。
「……ねぇ、相談なんだけどさ」
「……エルフの技術力があれば君達もシャドウと戦えるかもしれない」
「……そうなったらチーム名が必要になると思うんだ」
エルフの技術力なら召喚器の複製もできるかもしれない。
そうなれば適正のある者を見つけ出し、頭数を増やして戦力も増強できる。
今の僕はあまりに衰え過ぎていて、ニュクスどころか二番目の大型シャドウすら単独では倒せそうにない……。
かつて僕が所属していた対シャドウ特別チームには特別課外活動部、略してS.E.E.S.という固有の名称があった。
それに加えて教団内の一組織ならば呼称を決めておいた方が不都合がないと思った。
そのことを伝えた上で一緒に考えてもらうことにした。
「そうですね…世界樹教団直属の組織ですからわかりやすく"世界樹教団影時間対策本部"というのはどうでしょうか?」
「長いわよ!シャドウ潰し軍団で良いじゃない!」
「……もう少し捻りが欲しい」
「では"影殺隊"というのは?」
「……おっと?」
「ネルってば漢字ばっか使わないでよ!私が読めないじゃない!」
「ここは
「……急に賢そうなこと言いだしたけど、DHA摂取したの?」
そんな話を繰り返して数十分、チーム名が決まらないまま僕達はモナティアム市庁舎へと足を踏み入れた。
市庁舎に入ってすぐ鎧の上から「PUT」という白文字が大きく書かれた黒い防弾チョッキのようなものを着た茶髪のエルフが出迎えてくれた。
何故防具の上にさらに防具を重ねる必要があったのかはどうでもいいとして、左腕のホルダーに挿さった小型のピストルのようなものが眼を惹いた。
まさか…召喚器だろうか?造りは粗いがよく似ている。
「世界樹教団の皆様ですね、お待ちしてました!」
あとがきって要りますかね…
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Yes
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No