「世界樹教団の皆様ですね、お待ちしてました!」
僕達は鎧を重ね着した変わり者のエルフに市庁舎を案内してもらうことになった。
彼女の名は"ローネ"、トンカツ狂いの
しかし彼女の言動は…
「ここは食堂です!ここのトンカツは美味しいんですよ、ちょっと高いんですけど…」
口を開けばトンカツ、あるいは…
「ここで教主様と協定を取り付けられれば昇進は間違いなしなんです!」
「この書類にサインしてください…!」
こんな精神性ではまともなペルソナが出せるわけが無い。
あまりにも弱々しく、そのくせ妙な狡さがあってとてもシャドウに対抗できるものを持っているようには見えなかった。
ここまで来ておいて難ではあるが、PUTに協力を仰ぐのはやめておいた方が良いのだろうか……
「どうされます、教主様?」
「私としてはあまりおすすめはできませんが」
ネルもあまりの胡散臭さに信用しようという気さえ起きていない。
「……そうだね、この話は持って帰るよ」
「……向こうでよく審議してから…」
そのときだった、ライトブラウンの長髪にやたら丈の長いTシャツと白衣だけというローネとはまた別方向に尖った服装のエルフが現れた。
隣には発情した秘書と思しきエルフも…待って、なんであのエルフは発情しているの?
「え?し、市長様…!?」
「ご機嫌よう、私はモナティアムの市長」
「名前はエレナ、このエーリアスで最高の頭脳の持ち主だ!」
「君が世界樹教団の教主だな?会えて嬉しいぞ…」
なんということか、ローネ以上に信用ならないやつが出てきた。
エルフというのは大半が胡散臭いものだが、彼女はその親玉なだけあってかなり酷い。
「……キタローです」
「……よろしく」
エレナに握手を求められ、僕はそれに応じる。
彼女の手はゴムのように柔らかく、赤児のようにしっとりしていて意外にも心地良い。
エーリアス人はみんなこうなのだろうが、外来種族のエルフでさえ例外ではなかったとは。
しかし立場が立場なだけに時間が取れていないのかあまり風呂には入れていないようで離れていてもやや臭ってくる。
女性相手にそれを指摘するのは憚られるし、そもそも自分はアウェイに居るため立場を弁えて何も言わなかったが。
「早速だが君に見せたいものがある」
「お前達、出てこい!」
場所は一階のロビー、彼女が指パッチンをすると…───
「あれ?変だな…」
もう一度指パッチンを───
「おい、あいつら出てこないぞ!」
「一体どうなってるんだ、ローネ!」
「あっ…えっと……そのぉ…」
「これは…減俸でしょうか?」
「そんな…!折角PUTに選ばれて年収も倍になると思ってたのに…」
何も起きなかった。
ローネが責められているところから察するに彼女が何か手配することになっていたのだろうが、この有様ではとても…
パリィン
そのときだった、天井にガラスが割れて3人のもちほっぺ達が一斉に降りてきた。
彼女達はローネが鎧の上から着ているものと同じ装備を着けていて、それぞれ違う場所にホルスターがあった。
「竜族2番手の実力、見せてあげるわ!」
1人は竜族、青い長髪が美しく風に靡き、アサシンのように腰を低くして短剣を構えている。
ホルスターは右腕に腕章のような着け方をしている。
「誰が相手だろうが関係ねぇ!ぶった斬ってやるぜ…」
もう1人は獣人、ボサボサの白い毛並みが野生を感じさせる。
二刀流の剣士だろうか?腰には二本の刀が見受けられた。
鞘にホルスターが括り付けてあるようだ。
「……………………………………」コクコク
そして最後はどの種族の特徴も持たない者。
消去法で精霊だと断定して、その色合いと武器や装飾の形状から地の精霊とかその辺りだろうか?
ホルスターは首輪のようにして装着している。
「……ねぇ、こっち」
最高にかっこいい登場で、イカした佇まい。
しかし、全員明後日の方向を向いているのである。
あとがきって要りますかね…
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Yes
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No