マリー・アントワネット
「パンが無いならケーキを食べれば良いじゃない」で有名な人。実はそんな事言ってなかったりする。このセリフは貴族を悪く見せる為の市民側の捏造……具体的にはルターがやった。別の貴婦人の日記で酒のツマミにパンがないので菓子パンを食べたら意外と合った程度の話が誇張された。
ドデカく重たそうな帽子を被っており、体幹と首の筋肉は間違いなく優れている。
暴走する市民により理不尽に殺された貴族の代表みたいな存在であり、彼女自身は周りを愛し、愛される人であったようだ。その性格から、王妃としては下の部類に入る。
自分が処刑された事は恨んではないが、自分の子供が殺されたのは普通に許してない。
復讐者じゃない霊基でも思う所があるらしい。
聖杯へ願った内容は「革命を終わった事にしたい」。
革命が過去に終わったのであれば今は平和になる。なのでそうしたいという意図だと聖杯は受け取った。人理の都合で起きるのは確定してる都合、それを自分の世代からズラすのはアリな一手。
結果として押し付けた時代に起きた筈のジルの暴走が代わり起きて死んだので、何処にでも火種がある時代に問題があったと言えるだろう。
[藤丸ちゃん! 君がジルに聞いた話が正しいなら、とっくにこの特異点は黒幕なんて居ない! 無理はせず、聖杯を探す事に専念して欲しい!]
「了解! 隠しそうな場所から当たってみます!」
と、ロマニ博士に言ったものの……相手は金のある貴族という生き物だ。
聖杯は小さい。あの程度なら小包して遠くに送ることなんて造作もないだろう。
郵便屋さんを使われてたら探す難易度はかなり上がる。定期的に動かすように指示されていたら尚更だ。
そうでない事を祈るには……相手が貴族として教育を受けた存在なのが懸念の対象だった。私達の存在を誰かに教えられたりしてたら辛い事になる。
「貴様ら何者だ、なんなんだあの竜は!? もしや貴族の手先か!? 全員来い! ここに敵がいるぞ!」
「シールドアタック!」
「私も! ジル!……あれ、返事がない。憑依はされてるけど声がしない……レイシフトに耐えきれず自我が消えたんだ……お疲れ様、ジル。もう少しだけ力を貸してね」
道中叛旗を掲げた兵士との一悶着もあったが、それは兎も角。
「……まぁ、屋敷に有ったらジルが見つけてるか」
「念の為探しましたが、それらしいのはありませんでしたね」
「彼女の知り合いに会おう。日記に書かれた名前を片っ端から当たってみるんだ」
とはいえ竜を持ってきて無理矢理特異点として成立させた以上、特異点の範囲はずっと限られる。
仮に聖杯が近くにあろうと、竜という分かりやすいシンボルが居ては簡単に今の持ち主に逃げられるだろう。
今ある手札で策を練る必要があった。どうにか、聖杯に辿り着くための方法が。
「──逆に考えましょう。いっそ聖杯を遠くへ逃してもいいのだと。戦場をオルレアンから移す良い機会だと」
私が悩んでいると、ジャンヌは清姫に混ざったファフニールの、財宝を溜め込む性質を利用するのはどうかと提案した。
財宝に対し人の知覚を超える竜の嗅覚。なるほど、聖杯ならば間違いなく竜が眼を付けてもおかしくない。なので清姫に任せてみた。
「グルル…──」
「あ、飛んでいきます! 私達も追いかけましょう!」
「"汝 竜であるならばこの旗へ集え‼︎"」
ここに来てジャンヌは足に使う以外で、竜の戦闘以外の利用をやってのけた。
ファフニールの側面を強くした清姫と共に、私達も竜に乗って進んでいく。
そして私達は夜空がよく見える丘の下に、聖杯の目前まで迫った。
「やっぱり来たのね、カルデアのマス──なぜ、子供が?」
死して尚聖杯の魔力によって現界した、マリー・アントワネット。
クラス"
聖杯への願いにより断頭台から逃れ、代わりに狂った騎士の魔の手により斬り殺された王妃。
「……まぁ、いいわ。あなたがどんなに憐れな子でも、私がやる事は変わらない」
一度無垢な愛を振り撒いて失敗し、一度聖杯に願って失敗し、もう一度。
英霊になっても何かを諦めきれずにそこに留まる王妃。
「此処で果てなさい。私の理想の世界の為に!!!」
それから音楽家モーツァルトを先鋒に処刑人サンソンや白百合の騎士デオンが出てきたが、清姫が全て片付けたので端折っておく。デオンの獅子奮迅の活躍により清姫の
「私達の勝ちです、マリーさん」
「……ええ、分かってたわ。私の理想は竜を追い払える程強くはない。こうなった時点で負けなのは分かってた」
マリーが項垂れ、ジャンヌがトドメを刺さんと近付く。
そしてマリーは聖杯を片手に、ジャンヌを見上げてこう言った。
「だから──今度は"あなたの理想を叶えなさい"?」
「──えっ」
マリーが聖杯をジャンヌの心臓に入れた。聖杯は溶け込み、ジャンヌが苦悶の声を上げる。
突然の暴挙。幾度も英霊を呼び最早なんの力もない聖杯。そんな事をしても何も起きない。
理性ではそう判断したが……そうしたという事は、それで何か起こせるとマリーは判断した。それがなんなのか、私には読めなかった。
「なに…を…!」
「ふふふ……アッハハハハ!!! きらいきらいきらい! みんなみーんな大っ嫌い!
あなたも、あなたもあなたもあなたも!!!
私の邪魔した人なんてみーんな大っ嫌い!!!」
「腹いせ…ですか…!」
「じゃあね、空っぽな娘! 精々自分を手にして苦しみなさい!!」
自分の願いが叶わないと判断したか、マリーは最後の最後で私達が苦しむように呪いをかけて逝った。みんなが助からなくてもいい。だからどうか自分の周りだけは。
そんな細やかな筈の願いは果たされず、ジャンヌは聖杯を取り込まされて苦しむ。
「ウウ……嗚呼ァァァァア"ア"ア"!!!!」
「ジャンヌさん!」
「ジャン……あ、きよひーが死んでる!!?」
やがて、ジャンヌは黒い炎に飲み込まれた。
その身を燃やし、心を燃やし……空の聖杯は清姫を魔力に換えてその器を満たした。
無音で背後で退去したから気付くのが遅れたけど、ジャンヌが燃えたのは清姫が由来の魔力だからだろう。
「──復讐の刻、来たれり」
やがて炎が全身を包むと、ジャンヌの幼い身体は大人のものに変わり、オルタとしての側面……処刑された恨みを復讐せんとする存在として開花した。
幸いだったのはマリーの召喚した英霊達の活躍で清姫の魔力が削がれていたこと。それにより私達二人が頑張ればなんとか攻略出来る範疇に収まっていたことか。
「そう、あなた達はこの道を阻むのね……知らない仲でもないし、仲間になるなら高待遇に迎えてやっても良いけど?」
「お断りします!」
ジャンヌが問いかけ、マシュが断る。
既定路線だ。
「そう、分かってたけど、一応理由を聞きましょうか」
「ッ…ここはジャンヌさんの時代ではないのに、どうやって復讐すると言うのでしょうか!
今のジャンヌさんは創られた理由に縛られてるんです! 友人として、止めない理由になりません!」
「……ハッ! 貴様がそれをほざくか! 創られた理由に従ってる貴様が!
友を名乗るなら、まずは自分が手本に成りなさいよ!!」
……二人なら、攻略出来る。
戦える者が二人いて、漸く倒せる敵。
「クッ……マスター、このままじゃ持ちません!」
それはつまり、マシュだけでは押されて負ける事を意味する。
数回の打ち合いでマシュはあっという間に瀕死になった。
令呪を使うか、いや、今のマシュに使っても焼石に水だ。
後一人……攻撃を、担う者が居れば……そうだ、"居た"。
「……カードが、二つ。そして、魔導書が、一つ」
カルデアの
一つ欠けてこそ居るが、それを代用出来そうな物が手元にある。
丁度自我を失い、最低限キャスターとして成立する要素だけ揃った魂がある。
「ふぅ──ぶっつけ本番! マシュ、下がって! "
[──嘘だろ!? カードは揃ってない筈なのにどうして! いや今は兎に角全員、観測強度を下げろ! だけど下げ過ぎるな! 見失えば藤丸ちゃんの命はないと思え!!]
大分賭けだったと思う。
カルデアの施設は不完全、単独で使うのとは全く別の例外的な使い方、私は初めて使い、特異点も無理矢理成立させたに過ぎない紛い物、その上カード枠の一つはそれ以下の魂と来た。
それでも成功したのは、冬木で衛宮切嗣の矛盾に触れておいたからか。
落ち着いて過去を振り返り、未来を遠くに置き、今に腰を据える。
そうすれば自ずと時間は私が望むように蠢く。後は力を振るうだけ。
それがカルデアの夢幻召喚を行う時の約束だ。守らなければ自分が分からなくなる。
「さぁ──相手になろう/行きますよ/行くよ、救国の聖女/ジャンヌ/聖女様。
アルトリア・ペンドラゴン、いざ──参る!/あなたにこの力を向ける事をお赦し下さい/全力で相手になるんだから!」
「……言いたい事はまとめてから言いなッ──さい!!」
これはこの時に判明した夢幻召喚の仕様なのだが、夢幻召喚を行ってる限り、例え私が一人死のうと他の私二人が居れば勝手に蘇る挙動がある。
過去が消えても今と未来が生きていれば消えず。
今が倒れても過去と未来がある限り立ち上がり。
未来が滅びても過去と今が新たに先を創り上げる。
可能性を三重に重ねた結果、そうなったのだ。理由は今も分からない。だが出来る。
私の制御と立ち上がる意思がある限り、この召喚は私を不死身の戦士に変える。
理論上並大抵の相手には勝てる力だ。その上英霊の力を宿しているのだから、開発者が夢幻召喚を組み込んだ理由は此処にあるのだろう。
「束ねるは星の息吹/COOL!!/これが私の全力全開──」
「〜〜!! 喧しい!! それに死んでも生き返るのがかなり理不尽! 身体一つの癖に宝具を同時に使ってんじゃないわよ! 姿も重なってるし、キモいのよ!」
「"
「その海魔圧縮剣やめろ!! 何もかも冒涜してんのよ!!!」
難点としては絵面も声も大変喧しいことか。
聖剣に星の魔力と極限まで拡張した自身の魔力を纏い、それを海魔を経由して可能な限り圧縮。
というように宝具を混ぜ合わせて放ったり使ったり出来るのだが、上手い組み合わせでもなければこのように最悪な絵面になる。
「ああもう──だったらアンタの精魂果てるまで粘ってやる! この程度で私の復讐を止められると思うな! まだ何も出来てないのよ!」
絵面が悪いのは主にジルが原因な気がしないでも無いが、最終的に私の初陣は精神力不足による変身解除によって敗北する事になる。ジャンヌは想像の数倍戦闘が上手だった。
「う…あ……」
「マスター……マスターのお陰で十分回復しました。後はお任せください!」
「はぁ…はぁ………3時間も戦ったらそりゃ回復するわよね。あの状態でそれだけ持つってどういう精神力してんだが。はぁー……いいわ、来なさいマシュ。
死に体の私と回復したあなた──ハンデには丁度良いわ。全力でかかってきなさい!」
「参ります! はぁ──ッ!」
結論から言おう。マシュは負けた。
それはもう、私や清姫の意思を継いで勝つ場面で盛大に負けた。
「クッ──!」
「……いや、クッじゃないわよ。アンタなんでそんなに弱くなってるワケ? その様子をみるに手心加えてる訳じゃないわよね……藤丸が戦ってる間になんか弱体化する要素有った?」
「…………ぴゅ〜」
「此処に来て誤魔化すなシールダーの小娘がッ!!」
これにはジャンヌも困惑し──私と戦ってる辺りからそうだったが──ぐだぐだした雰囲気をより濃くした。なんとも格好の付かない戦いだが、残念ながらこれが私達の初めての本格的な特異点の攻略風景である。
「……待ちなさい、もしかしたら私がとんだ勘違いをしているだけかも知れないんだけど……マシュ、あなたもしや"無垢じゃ無くなってたりする"?」
「ぎく」
「確か……あなたの盾って心の持ちようで強くなるって言ってた筈よね? 私から見るとその盾は純粋さが肝要に感じたのだけど……えっ待って、あなたもしかしてこの場になって何か変な事考えてる?」
「ぎくぎく」
「……色気を知る年頃ってワケね」
「──何故!?」
「あ、マジ? カマかけだったのだけど……えっ? マシュ、あなたもう不純の盾を名乗った方が良くない?」
「カハ──ッ!!」
この辺りの会話の意図は振り返ってる今も良く分からないが、どうやらマシュが戦いに集中出来てないのは当時の私でも理解出来た。
言葉だけでマシュに血を吐かせるとは流石ジャンヌと言うべきか。本来はルーラーであるらしい彼女に相応しい言葉の裁きだ。
「マシュが無理なら……私がもう一度…!」
「マスター! 寝ていてください! 全身がボロボロじゃないですか!」
「でも……聖杯が、眼の前にあるんだよ。はは…無理も通すよ」
「マスター……きゅん!」
「いやきゅんて……藤丸を追い詰めた私に憐れむ資格が無いとしても、これは流石に見てられないわね」
なので泣きの一回をと、私がゴネるとジャンヌは最後の機会を与えた。
本当にジャンヌが優しくて助かったと思う。
「今から聖杯の力とルーラー権限で無理矢理真名看破して教えます。そうすればその恋愛脳も多少は力を引き出せるようになるでしょ。戦うのはそれからにしてあげるわ」
「──ありがとうございますジャンヌさん!」
「アンタは恥を覚えなさい」
……だが、これは流石に優しさが過ぎる。
自分のやりたい事を後回しにしてまでそうしてくれる理由が分からず、私は何故そうするのか質問する事にした。
「……流石に、そこまでして貰うのは申し訳ないよ。立ち塞がっておいてこう言うのはなんだけどさ……ジャンヌは勝ったんだよ? 復讐しに行ってもいいのに、どうしてこんなに優しくするの?」
「気にする必要はないわ、藤丸立香。これは私が勝手にやったこと。あなたの運命に、あなたの代わりに復讐しようとしているに過ぎない。ま、敵が勝手にやった事だと思いなさいな」
「──ありがとう、ジャンヌ。あなたがとっても優しいって事、絶対忘れないからね」
この時ばかりは、優しさに胸を打たれてほかほかした心持ちで笑えたと思う。
……笑顔しかお礼に渡せないのが歯痒い思いだった。うん、ジャンヌがカルデアに来たら良い感じの黄色いブローチ渡そう。きっと似合う。後で準備しなければ。
「ばっ…! やめなさい。私も揺らぐでしょうが!」
「……んぅ?」
「このっ…チクショー可愛いわねぇ! 同い年の時はただの友達としか思えなかったのに……!」
マシュがなんだか私だけ雑な対応……と考えてる顔をしていたが、それは兎も角。
こうして私達はギャラハッドの真名を手にし、想像以上に魔力を持ってかれたジャンヌは前言撤回とそのまま何処かへと逃げ去ってしまった。
……真名を見抜いてくれた手前、追いかけようとするマシュを態と足止めをしたのはナイショだ。
カルデアのマスターとしてダメな行いだが……それでも、あの優しさにはちょっとでも報いたかった。
そこから紆余曲折あり、私達は遂にジャンヌから聖杯を回収する事に成功する。
「……ジャンヌさんの反応がありました! これは……過去に戻っています! 一体何処を通ったのでしょうか!」
「取り敢えず一回カルデアに戻ってレイシフトしよう、先回りだ」
先ず、元の時代に帰還するジャンヌを追いかけて。
「……どうしよう、カルデアで仮眠取ったら目の前に織田信長が居る」
「おーおー、こんな所に稚児が居るではないか。運が良いのぉ。どうじゃ、ワシと一緒に逃げ出すか?」
「それは歴史が変わるので一旦敦盛してくださぁい……」
カルデアで仮眠をしたら織田信長が死ぬのが遅れ発生した本能寺特異点に単独でレイシフトして。
「──なるほど、なるほど。つまりはそういうことか」
タイミング悪く特異点に来てたレフがジャンヌを見て何かに気付いて。
「ならば──容赦は出来んな! 我が全力を持ってしてカルデア、貴様らを
最終的にレフの魔の手によって天使の羽が生えた竜?と化したジャンヌをゲオルギウスが竜認定し、ジークフリートが捨て身の刃で斬って──。
「あーあ、破茶滅茶な夢だったわね。
けど……悪くない。楽しい夢だった」
ジャンヌは最後にそんな言葉を遺してこの世を去った。
結局彼女がどうやって受肉され、この世に生を受けたのかはレフしか分からない。
そしてレフが話す義理もないので、この神秘が語られる事はないだろう。
こうして、私達カルデアは色々と苦い気持ちになりつつもオルレアンの特異点攻略を果たした。
成果物はジルの魔導書と天使なのか竜なのか分からないジャンヌオルタの死体。
それから聖杯3つ。それから沢山の竜関係の素材と時代を昇り降りして得たもの。
ジャンヌの死体は何故か消えず残り続けた為、新たな特異点の発生予防も兼ねての回収である。
お陰で吹雪の止まないカルデアの外には今も真っ白で神聖な竜の死体が安置されている。
最近あの辺りから謎の植物が生えているから、そろそろどうにか封印しておきたい。腐臭はしないが、偶に天使みたいな幻像が出てきて心臓に悪いのだ。
「お帰り、藤丸ちゃん。帰還した所悪いけど、新たな特異点が発見された。次はセプテム。西暦60年のローマ帝国だ。観測が途切れるまで1週間はあるから、それまでに準備を済ませて欲しい」
「……分かりました、行ってきます」
そして……オルレアンの攻略から1週間後。
ようやくカルデアの設備を一通りなんとかして、新たにキャスター…ジル・ド・レェのクラスカードを得て、未だ筋肉痛が残る身体で第二特異点、セプテムへとレイシフトし──。
「───ようこそ、カルデアのマスター"達"よ。
喜べ、貴様らの願いは漸く叶う」
「……成長した私と男の人がいっぱいいるなぁ。うん、変な所に引き寄せられたね。レイシフトし直さないと」
まぁ、これはセプテムの最後辺りしか関係ないから今は放っておこう。
この特異点の座標だけ記録して、改めてセプテムに行こうとした事だけ覚えていて欲しい。
それ以外は……端折るとしよう。
「うーん……どう見ても新宿だなぁ」
此処からモリアーティーさんと攻略する新宿特異点、ヤガという人狼がロシアを牛耳った極寒の特異点?、オマケに両儀式さんと攻略する微小特異点に間違えてレイシフトする事故が連続で発生したから、一々気にしてたら埒が開かない。
「ダヴィンチちゃん、セプテムに行けない。どうしよう迷子になっちゃった」
[こっちの機器の反応はセプテムと出てるんだけどねぇ……多分
「なるほど」
身に覚えはあった。沢山の自分がいて、どこが自分の立つべき場所かわからなくなった瞬間。
その時を思えば、これから何をするべきか分かった。
「"自分で選べば良いんだ"」
今は戦闘中じゃないから、丁寧に。
眼を閉じる。過去を思い返す。何処に行くべきか反芻する。
「マスター! やっと見つけました!」
眼を開ければ、そこにはマシュが居た。
……うん、なんとなく理解した。
「お待たせ、マシュ。二つ目の特異点、攻略開始だ」
ローマの風が私達を迎える中、私達は目の前にある都市へと歩みを進めた。
第一特異点攻略につき解放
藤丸立香
レイシフト適性100%
↓
単独顕現(偽):C+
マシュ・キリエライト
第二スキル解放、宝具の真名解放、第二臨まで成長可能に。
星3→星4へ。
円卓の盾を使った英霊の召喚能力、永久喪失。