<ミドガル魔剣士学園>
───雨が降っていた。
授業が終わり、学生が帰宅する。しかしこの日は校門で一風変わった待ち人が立っていた。
アルファである。彼女は校内を背に、誰かを待っていた。傘を持っていなかったので雨宿りとも見える。
「お、おい!誰だあの美人…?」
「見たところ僕たちと同い年位だけど、転校生かな?」
「何て綺麗な女性かしら…。」
通り行く生徒の目を集めるが、皆アルファの横を素通りしていく。
そんなアルファに、傘をすっと出すヒューマンがいた。
「ねぇ。傘持って来てなかったの?」
「…シド、いえ、あなたを待っていたのよ」
「そうなんだ、それじゃあ」
「待ちなさい」
傘を一本しか持っていないシドが、それをアルファに渡し寮へと帰宅しようとする。
彼女と話している所を見られて注目を集めたくなかったシドだったが、そんな彼を彼女が呼び止めた。
「…?」
「あなたを待っていたって言ったでしょ?」
「傘がなかったんじゃないの?」
退屈そうに答える彼に、アルファは首を振る。
「あなたが濡れちゃうじゃない。それに、今日は顔合わせをしたい人がいるのよ。着いてきてくれるかしら…」
「えー」
「あなたの時間を取るのは気が引けるのだけど…。今日は特に予定がないと聞いていたわ。あなたの都合を事前に聞くなんて出来ないから、こうして直接来るしかなかったのよ。」
シドは確かに何か大事な用事だと感づいていた。なぜならアルファがこうしてシドに会いに来るなんて珍しいからだ。
「ぼやぼやしてないで、ホラ、行きましょう。」
ざわざわする他の生徒が周りを囲む中、アルファは先んじて校舎を出て傘を広げる。
一瞬何かを考えた素振りをするシドは、彼女が広げた傘の中に入り、二人は校舎を出て行った。
血の涙を流し、握りすぎた両手から血を流すモブ二人が、呪詛を唱えていた。
<ミドガル王都郊外>
アルファとシドが歩いている途中、彼女がポツポツと説明し出した。
「訳アリなの?」
「そうね…。あなたが直接救ったヒューマンなのだけど。ちゃんと顔合わせをした方が良いと思ってね。あなたも気になっているんじゃないかしら。彼女はまだ13才くらいなの。」
「アルファの子ども?」
「そんな訳ないでしょ、バカね」
「…あの娘か(誰だっけ…)」
「…ええ。そして、そうね。今彼女はミドガルにいるのだけど、皆と同じ場所での生活ではなくて、社会に慣れさせるために戸建ての仮拠点で生活しているわ。」
「なるほどねー(13才の女の子か…?)でも、若いね」
「そう、若いのよ。だから彼女の選択肢を増やすために、学園に通わせた方が良いのかとか、このままミツゴシで働かせた方が良いのかとか…いろいろ考えているのよ。あなたは…どう考えているのか分からないけれど」
「ふーん(なにも考えていなかった…)」
「あなたの事だから深い考えがあって救ったと思うのだけど、私にも考えがあってね。あなたもさっき言った通りよ。訳アリ。だから、ね」
そう言ったかと思うとアルファはポーチから黒縁のメガネを取り出し、シドに渡した。
「彼女と会っている時はこれを付けてくれるかしら。私のものなのだけど、安心して良いわ、伊達メガネだから。」
「事情は理解している、分かっている(なんにも分かってないけど、分かっているふりをしておこう…)」
シドがアルファからメガネを受け取り、メガネを装着する。
二人は相合傘をしているものの、傘が入っていない肩が濡れてしまった。
やがて到着したのはなんの変哲もない木造住宅だった。
シドが教えたツーバイフォー工法で建てられた、一軒家だった。
入口の鍵をアルファがポーチから取り出し、家に入っていく。
「ただいま」
「おかえりなさい!!アルファ…さま…?」
目の前にいたのは雪の様な純白の髪をした美しい少女だった。
「711、紹介するわ。私の知り合いでミドガル魔剣士学園に通う、シド・カゲノーくんよ」
「えっと…こんにちは…711ちゃん?」
「…」
711はシドの方を見たかと思うとアルファの影に隠れる。
「アルファ様…写真の…彼?」
「ッ…!!やめなさい、711!」
「写真?」
「そうなの!!シドさん、アルファさまの部屋の…グフゥ!!」
「あまり変なことは言わないで頂戴、711」
アルファはいつもクールだ。しかし、711と接する彼女は、まるで姉妹のようだった。
「アルファ、挨拶もしたし、僕帰るから…」
シドが帰ろうとすると、711番がシドの袖をギュっと掴む
「シドさん、ごはん、一緒に食べよう」
「え?えーっと…」
「シド、食べて行きなさい。今日はオムライスよ。それに───濡れたままじゃ、風邪を引くわ」
「えっと…じゃあ…はい」
シドが頷いたのをみて二人の少女は顔を見合わせて派顔する。
「711,タオルと、ご飯の準備をして貰えるかしら?私、今日はここに泊まるわ。シド、あなたも濡れている服を出しなさい、すぐ乾くから」
「やったぁ!アルファ様、最近良く泊まってくれて嬉しい。タオル持ってくるね!!」
と、元気よくタオルを取って来る少女がいた。シドは彼女からタオルを受け取り、靴を脱いだ。
「──Tシャツと、スウェットでいいかしら?私のしかないのだけど…」
「うん、大丈夫。下はあまり濡れてなかったから、上だけで良いかな」
シドが脱衣所で身体を拭いている間、バレない様に彼の上半身をチラチラ見るアルファがいた。
「───アルファ…?」
「あ…。濡れている制服は出しておいて。後で同じものを寮に届けさせるわ。これはクリーニングに出しておくから」
「うん、ありがとうね。」
「身体を拭き終わったら711の手伝いをして頂戴。私も着替えて来るから。」
「うん、分かった」
アルファは二階の自室に戻り、焦って部屋に飾ってあったシドの写真をまとめて下の棚に隠す。
そして、用意してあった胸元の開いた、パジャマに着替える。
一階ではシドと711の愉快な声が聞こえて来た。
───ご飯が終わった後、711はシドにくっ付いていた。
今は彼女にせがまれ、シドはユーユー物語という話を聞かせていた。
「…ユースケは実は、魔人の子どもだったんだ。隔世遺伝というヤツだね…。それで彼は、まったく歯が立たなかったセンスイをワンパンで沈めるんだ…。」
「すごい…!ここであの時の伏線が利いているんだ…。ワンパン…!!」
「そう、センスイは、一緒にいたミツキに回収されるんだけど…」
目を輝かせながら話を聞いている711と、紙にペンで登場人物を書きながら説明するシド。
アルファは家事をしていた。
「ほら、しゃべってばかりいないで…紅茶よ…」
「あ、うん」
アルファがソファに座っているシドにカップを手渡そうと立ち上がった時だった。
「───すごいね!!レイガン!!!」
「…グッ!!!」
「「あ」」
ユーユー物語をシドから聞いていた711は、つい興奮してしまい腕を振り上げてしまう。
シドの股間がダメージを受けた。
「…だ、だいじょうぶかしら…?」
「ご、ごめんなさい、シドさん…。」
「ふっ!だ、だいじょうぶだ…」
紅茶を飲み、物語も佳境に入った時だった。
「シド、服乾いたわ。」
「ありがとう」
「711、そろそろ寝る時間よ。お風呂に入りない。そろそろ解放しないと、シドが帰れないでしょう」
「なんで?アルファ様。今日私はシドと一緒にねるんだよ?」
「なに言っているの?シドが困るでしょう?それにあなたにはまだ早いわよ…」
「う~ん…。じゃあ、さんにんで…ねる?」
「711───」
「僕は…別に良いよ」
シドは711と仲良くなっていた。アルファ達を救い出したときを思い出し、彼女の屈託のない笑顔と表情が、シドの庇護欲を刺激する。
彼の返答を聞いて、アルファの口角が、緩んだ。
「やったー!!!じゃあ、もうちょっと話の続きを教えて??ムクロが出て来た時から!!!」
「…あなたが良いなら…私も…うん」
───外はまだ雨が降っていた。
711の部屋には布団が二人分敷かれ、片方にアルファと711が、711を間にして、もう片方にはシドが横になっていた。
先程まで騒がしかった家が、今は静寂に包まれ雨の音だけが聞こえている。
「今日は…付き合ってくれてありがとう、シド」
「ううん、僕の方こそ、楽しかったよ。アルファの意外な一面も見る事ができたし。写真?は良く分からなかったけど」
「あ…あれは…ガーデンの皆の写真を私の部屋に飾っているからよ───」
「それに、最近僕達会えてなかったからね…会えて、嬉しかったよ」
アルファは初めて聞く彼の言葉に、頬が蒸気するのを感じた。
「可愛いね」
「え…!?」
「711ちゃん。寝顔が…天使みたいだ」
「あ…うん、そう、ね」
「悪魔でもあるけどね…一撃食らったからなぁ…使い物にならなくなったかと思ったよ、はは」
シドがそういった時、アルファの様子が一辺した。
彼女が身体を起こし、仰向けのシドの顔を見る。
「…使うって…?」
「あぁ…別に、そんな機会ないんだけどね…」
「痛かったの?」
「はは、もう、死ぬかと───」
ミリアを間にして、アルファがシドの股間に手を伸ばす。アルファの吐息が激しいものに変わっていく。
「…よしよし…ふふ、反応しているわね…。どう?使える様に…なった??」
アルファの手が徐々にシドのズボンの中に入って来る。
横になったまま、二人は視線を交わす。シドは、ちょうど仰向けで被さる彼女を上から見下ろす形になったのだが、アルファのTシャツの内部が全部覗いているのが見えた。彼女は下着を付けておらず、胸元が開いた服は彼女の乳房全体を視界に映してくれる。
豊満な胸が、張っていた。
「あ…」
彼女がさすさすとシドの股間を撫でた後、ズボンの中に手を入れてモノを取り出す時だった。
「ん~~~!!お父さま!!!」
711が起き上がった。アルファはシドの下腹部から手を放す。
「711…」
「あ、アルファさま…。」
「…ここにいるわ、大丈夫よ。」
「むにゃ…良かった…。トイレ…行ってくる。」
彼女がトイレに行ってから帰ってくるまで、二人は無言だった。アルファは早鐘を打つ心臓の音を誤魔化すように、息を潜めていた。
711がトイレから戻ってくると、むにゃむにゃ言いながら布団に入り、スースーと寝息を立て始めた。
アルファは、激しくなってくる吐息を我慢できず、壁側を向いていた。
やがて一人部屋を出て行こうとする。
「…一度トイレ行ったら朝まで起きないわ…わたし…自分の部屋で寝るわね…」
布団から立ち上がり、ドアをそっと開ける。
そんなアルファのショートパンツから覗く、スラっと伸びる脚がシドには妖艶に映った。
「アル───」
アルファがシドの方を振り向いた。彼女は頬を明らめ、荒い吐息でシドを見つめた。
外の雨の音が、激しくなっていった。
ハァ…ハァ…ハッ…ハ…
アルファの部屋で、彼女の壁越しに二人はキスをする。
シドの手がアルファの胸を揉む。アルファはシドを強く抱きしめ離さまいとしていた。
「あ……ッ」
くちゅくちゅとキスをしながら、アルファはシドの下腹部を撫で始めチンコを取り出す。
シドは揉んでいた手をアルファの下腹部へと移動していく。
彼女のショートパンツのパジャマから下着がのぞく。アルファが常に使用するスポーツタイプの下着は、染みを作っていた。
お互いがお互いの物を触りながら、求める様にキスをしていた。
───ちゅるちゅる…ん…
シドが、アルファのパンツの中に、直接手を忍び込ませた。
───ハァ…ハァ…ハァ…
シドがアルファのあそこを優しくなでる。
「あ…」
───ぬちゅ・・ぬちゅちゅ…
お互いがお互いのモノを撫でながら、キスをする。
アルファはシドに助けられた時を思い出していた。
『力が───欲しいか?』
私を救い出してくれた、敬愛する主。
「アッ…」
シドがアルファの下腹部を強くなでた時だった。アルファの腰に力が入らなくなりしゃがみ込む。
シドは、陰の間で皆に指示を出しているアルファを思い出していた。
『すべては主の選択通りに───』
ガーデンの皆の前で凛々しい彼女。
───はぁ…はぁ…
シドの目の前に、足を曲げて下腹部が露わになった少女がいた。
少女の目の前には、シドのチンコがそそり立つ。
アルファが、シドの手を引いたのが合図だった。
シドの下腹部が、アルファの露わになった部分に吸い込まれる。
───ッ!!!い…たい…
ずぷ…んと、入っていく。
アルファが口を求め、二人はそのまま抱き合った。
ゆっくりと腰を動かしていく。
「アル───その……」
「───シド…気にしなくていいわ・・中に…お願い…。」
その瞬間、シドの熱いものがアルファの中に注がれる。
「ンッッッ…」
片手で口を押さえて声を必死で抑える彼女。
そしてアルファの腕が、シドの首に回される。
「はぁはぁ…でも、───まだ、足りないわ───」
アルファは気絶しなかった自分を褒めたかった。
いや、初めてのえっち、初めての憧れの人との触れ合いに、気を張っていた。
彼女は、彼を求めた。
彼は一度射精したくらいでは萎まなかった。硬いままのそれを、アルファは逃さないようホールドし、自ら腰を動かし始める。
───ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ
「シ…ド…ッ!」
隣室にいる711にバレない様、二人はお互いの身体を弄った。
「まだ…出来るわ…」
既に布はまとっていない。
アルファは何度も果てるが、この機を逃さないように復活をする。
シドが果てた後、アルファがシドのチンコをしゃぶる。
ありったけを注いでもらわなくてはならないのだ。
じゅぷッ、じゅぷッ、じゅぷ
少しでも硬くなるとアルファは自らの下腹部に埋もれさせる。
───体位を変えながら二人は求めあった。
アルファのベッドシーツはそこかしこが濡れていた。小さな赤い点もところどころあった。
だが、彼らは気にするそぶりは見せない。彼らは夢中に、ひたすらお互いの恥部を見せ合い、そして感じあった。
それは、711が起きるまで続いた。
「「ふわあぁ…」」
「あれ?なんで二人であくび?」
「…たッ…ただの偶然じゃないかしら」
「じゃあね、711ちゃん、バイバイ」
「シドさん!またすぐきてねぇッ!!」
「うん、また来るね。」
シドの目の前に笑顔の天使がいた。
「711,そんなにシドの事が気に入ったの??」
「うん!!やっぱりアルファ様の好きな人だしね。アルファ様いつもシドくんの写真見て、好き好きいってるから。だから私もアルファ様の好きな人好き!」
「こ!こら!711!!!」
目の前には顔を真っ赤にして711の口を塞ぐ金髪の妖精がいた。
「シドも!ポカンとしてないで早く学校行きなさい!!」
朝、雨は止んでいた。
711の悪夢は、シドによって治されてゆく。
彼らはたびたび711に隠れてお互いを求め合った。
だが、あっさりとバレ、アルファは口止めをしなければならなくなってしまった。