ガンダムSEED LEGACY   作:shuda

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PHASE-002「重なる種」

 

警報が鳴り響く格納庫

アリシアは素早く、黒いデスティニーに搭乗した。

サクラも遅れて、白と赤の自機へ乗り込む。

 

アリシア

「遅い……」

 

シュダ

「お前が早すぎんだよ」

「行くぞ!」

 

シュダはいつものように笑った。

 

シュダ

「シュダ・ザラ、クリムゾンフェイス!、出る」

 

サクラ

「サクラ・ホーク・アスカ、ホワイトピオニー!出ます」

 

アリシア

「アリシア・クライン、ラグナロクデスティニー、殲滅します」

 

3機が順次発進する。

 

STTS-X3333-SA-cx ホワイトピオニー

装備は一般的な量産型モビルスーツとほとんど変わらないが、

換装型のバックパック機構を搭載している。

 

ラグナロクデスティニー

型式番号ZGMF-X444D/SC

黒と深紅を基調とした、

シュダのクリムゾンフェイスの配色を反転させたようなカラー。

シルエットも、ほとんどの装備も、

デスティニーの正式な後継機であるということは一目でわかった。

 

シュダ

『サクラ、新しい機体の調子はどうだ?』

 

ホワイトピオニーは、その形式番号から見て取れるように、

コンパス製のモビルスーツだ。

オーブ軍の旧主力量産機である、ムラサメを発展させた機体だが、

可変機構はオミットされている。

コンパスからオーブ軍に逆輸入された機体だ

 

サクラ

『問題ないわね。行けそう』

 

シュダ

『アリシアは………大丈夫そうだな』

 

シュダに「見て」と言わんばかりに、

刃幅の広い実体大剣をブンブン振り回している。

 

空にはコスモ・オラクルの紋章を付けたジン、ウィンダム、グフ。

その中央に巨大なザムザザー。

まっすぐ極東統合基地に向かって来る。

 

シュダ

『まったく、しつこいんだよ!お前ら!』

 

サクラ

『ぼやいてる暇ないわよ!』

 

ホワイトピオニーが多数のミサイルを放ち、敵編隊を崩す。

サクラ自身が好んで装備している支援パックは、

近接特化2機のザラ隊には、非常に有効だった。

 

その隙を縫うようにクリムゾンフェイスが突撃する。

刀を一閃。

敵機が1機爆散する。

まるで炎を纏った刀を振っているようだった。

 

2機、3機………

手早く堕としていく。

 

ラグナロクデスティニーは遠心力を使って、

大剣を大きく振り回した。

敵機3機が同時に両断され、遠心力の反動を利用して、

スラスターも吹かせずに次の敵機に向かって飛翔する。

 

敵機が次々と爆散していく。

 

アリシア

『右、2機』

 

シュダ

『わかってる』

 

右脚部ビームブレイドで1機を蹴り上げて両断。

同じく左脚で回し蹴り、その回転のまま、

もう1機の頭部を刀で突いて破壊。

 

赤と黒の残光が敵を斬り裂いていく。

 

父アスランが好んで使っていた戦闘スタイルだったが、

シュダ自身、それに気付いていない

 

---

 

その戦いを格納庫上層ブリッジのモニターで見つめる2人。

セフィリアとミリア。

 

ミリア

「あの子達だいぶ腕を上げたわね……」

 

セフィリア

「ええ……」

 

ミリア

「特にシュダくんは、近接戦限定なら」

「あなたでも負けるんじゃない?セフィリア」

 

セフィリア

「……それは初めての模擬戦からですよ。ミリア」

 

静かな声。

模擬戦全勝でも、シュダの力をちゃんと認めては居る。

最強と言われながらも慢心しない。

それがセフィリアであり、それを解っていながらも勝てないシュダ。

 

ミリア

「それをあなたが言うと、嫌味なのよね。シュダくんには」

 

セフィリア

「そうなんですか?」

 

ミリア

「解ってないところが、また…あなたらしいんだけどね」

 

セフィリア

「ですが……アリシアの動きが悪い」

 

ミリア

「そう?なんならシュダくんよりも余裕ありそうって感じだけど」

 

セフィリア

「あれは余裕ではありませんね」

「なんと言うか……自制しているような……」

 

全てを見通すように、透き通った紫の瞳が妹を見ていた。

 

---

 

戦闘空域では、すでに敵機は半数。

シュダはザムザザーと対峙していた。

 

シュダ

「デカいだけだろ!こんなもん!」

 

クリムゾンフェイスが一気に加速。

無数のビームを紙一重で躱しながら接近する。

 

ザムザザーは陽電子リフレクターを展開するが………

 

シュダ

「俺の刀は実体剣だ!そんなもんは意味ねえんだよ!」

 

陽電子リフレクターごとザムザザーを縦に両断。

巨大な機体が内部から爆発し、残骸が海へと落下する。

 

シュダ

「よし!」

 

ピピピッ

 

シュダ

「あ?」

 

さっきセフィリアに言われたばかりの斬撃後の隙

ほんの一瞬の油断。

背後に居た敵機からのロックオンによる警報。

 

『WARNING!WARNING!』

 

シュダ

「しまっーーー」

 

その瞬間。

アリシアの左瞳が金色に変わる。

 

アリシア

『シュダ!!』

 

重複SEEDの発動。

キラの遺伝子を色濃く継いでいるアリシアは、

幼少期にマルキオ導師に「SEEDが重なっています」と言われていた。

 

ドーーーン!!

 

クリムゾンフェイスをロックオンした敵機のビームライフルからは、

ビームの光が銃口から見えていた。

間に合うはずがない。通常なら。

 

しかし、アリシアのラグナロクデスティニーは、

瞬時に敵機に近付き、パルマフィオキーナ4で敵機を爆散させた。

 

爆散する音が収まりきらないほどの短い時間。

ラグナロクデスティニーは高機動ウイングを最大展開した。

おそらく、常人には突然敵機が爆散し、

直後にウイングを最大展開したラグナロクデスティニーが

突然現れたようにしか見えない。

異常な速さだった。

 

残存している敵機を虫でも叩き落とすかのように沈めていく。

 

長距離砲の3発連射。

大剣を投げて串刺しにしつつ、ビームブーメランを投擲。

…したかと思えば、串刺しにした大剣を回収。

しかし、すでに機体はそこにはなく、別の敵機が両断されている。

最後の1機がパルマフィオキーナ4で破壊されて、敵機は全て撃墜。

 

---

 

ミリア

「あれが重複SEEDの力ってことなの?セフィリア……」

 

セフィリア

「………SEEDというのは本来、補助的なものです」

「爆発的に能力を向上させるようなものではありません」

「感覚で言えば、多少集中力が増して、感覚が研ぎ澄まされる程度です」

 

ミリア

「でも、今のって完全に……」

 

セフィリア

「ええ、しかもラグナロクデスティニーのカタログスペックに」

「あの機動力と駆動力はありません」

 

---

 

シュダ

「アリシア………………」

 

アリシア

『…殲滅完了…帰還します』

 

シュダ

『あ、ああ。ザラ隊、作戦終了、これより帰還します』

 

サクラ

『…アリシア、最後凄かったね 』

 

アリシア

『なにが?』

 

シュダ

『お前、バカみてえに速かったじゃねえか』

 

アリシア

『そう?』

 

サクラ

『ま、まあ いいんじゃない?』

『アタシ達もほとんど無傷で帰還だし 』

 

シュダ

『…………………』

 

---

 

「やはり……」

 

男性の声

 

「目醒めましたか………」

「アリシア・クライン……」

「スーパーコーディネイター第二世代……重複SEED」

「キラ・ヤマトとラクス・クラインの遺伝子」

 




---

夕暮れの中を帰還する3機。

セフィリア
「…………………………」

ミリア
「行くわよ、セフィリア」

セフィリア
「……」

ミリア
「隊〜長!少佐!」

セフィリア
「は、はい。申し訳ありません。」
「機体の搬入を済ませて、私達も帰還しましょう。宇宙(そら)へ」

---

アリシアの力よりも、シュダは別のことが気になっていた。
アリシアが出撃前に言った「今回は変」
それが結局、なんだったのか
それはまだ誰にも解らない
もちろんアリシア自身も……………
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