機動戦士ガンダムSEED LEGACY C.E.100   作:shuda

34 / 34
PHASE-018「交わる世界」シーン3/3

ヴァーノン

『そこは我々でカバーしよう』

『数なら我々に分がある』

『いいな、アクセル』

 

アクセル

『太平洋に回す戦力を増やせば問題ありませんが』

『非武装政策はどうなさるおつもりですか?』

 

ヴァーノンが口にした支援案に対し、アクセルは即座に現実的な問題を指摘した。

 

ラクス

『そうですね』

『貴国の非武装政策には、わたくし達も賛同しています』

『数での支援であればカーペンタリアからでも』

『ある程度は補えるのではないかと思います』

 

イザーク

『そうだ』

『せっかくの非武装政策』

『出来れば任期内に進めたいはずだ』

 

ヴァーノン

『君等も分かっているだろう』

『確かに非武装政策は私の悲願ではあるが』

『君等プラントとオーブに』

『これ以上遅れを取らんための施策でもある』

 

カガリ

『…………』

 

カガリは何も言わなかった。

ヴァーノンの言葉に含まれた意図を理解しているからこそ、すぐには返すことができない。

 

アクセル

『わかりました』

『では、あくまでもオーブ市街地の防衛支援』

『ということで話を進めましょう』

 

ラクス

『わかりました』

『では、オーブ軍とコンパスへの支援は』

『カーペンタリアから派遣します』

 

イザーク

『まあいい』

『こちらは元よりそのつもりだ』

 

カガリ

『それで各国の防衛は進めよう』

『では、本題となるコスモ・オラクルへの対応だが』

 

防衛についての話がまとまったところで、カガリは本来の議題へと話を戻す。

 

ラムレザル

『我が国……全土というわけにはいかないが』

『私の領内に関してはコンパスの調査を受け入れる予定だ』

 

キラ

『それはこちらからも要請するつもりでしたから助かります』

 

ヴァーノン

『防衛ならともかく、こちらからとなると』

『やはり我々には難しいな』

 

カガリ

『そうだな』

『貴国はその対応でなければ国民が納得しないだろう』

 

アスラン

『近いジブラルタルからは動けないのか?』

 

イザーク

『無茶を言うな』

『友好国とはいえ、コンパスのようにはいかん』

 

エルフェルト

『しかも、ジブラルタルから近いのは』

『第一連王の領内です』

『カイ様なら『内政干渉』と言い出してもおかしくありません』

 

カガリ

『そちら側であれば、スカンジナビア王国に協力を頼めそうだ』

 

ラムレザル

『それはありがたい』

 

カガリ

『そうは言っても、あくまでも警戒強化になるだろうが』

 

キラ

『やっぱりコンパスが動くのが一番だと思う』

『現状では極東基地への襲撃だから』

『国として攻勢に出るのは良くない』

 

キラの判断に、カガリも小さく頷く。

 

現時点で確認されている襲撃の中心は、あくまでコンパス極東基地。

それに対して各国が直接攻勢に出れば、事態そのものをさらに大きくしてしまう可能性がある。

 

カガリ

『オーブは先日過激派の数人を拘束したが』

『結局は何も出てこなかった』

 

ヴァーノン

『私の非武装政策だけではない』

『もう誰も戦争などしたくはないからな……』

 

イザーク

『当たり前だ』

 

エルフェルト

『もちろんイリュリアもです』

 

短い言葉。

しかし、その場にいる誰もが、その意味を理解していた。

戦争を避けたい。

それは、この場に集まった者達に共通する思いだった。

 

シン

『でも、コスモ・オラクルはどうも教団だけではないように思えます』

 

イザーク

『それは同感だ』

『奴らを裏で動かしている者が居る』

 

ラクス

『国か……組織か……』

『いずれにしろ、イリュリアの調査は必須です』

 

一瞬、全員が黙る。

コスモ・オラクルが単なる宗教組織ではないのなら、その背後には何かが存在する。

しかし、それが何なのかは、まだ誰にもわからない。

 

カガリ

『それならこういうのはどうだ?』

『警戒に関しては各国の軍が主に行って』

『調査や実動はコンパス』

『各国はそれぞれコンパスを軸に情報を共有』

 

キラ

『僕はそれでいいよ』

 

ラクス

『宇宙(ソラ)はプラントと大西洋連邦』

『地上はオーブと大西洋連邦』

『イリュリアについてはコンパスと関係を密に』

 

ラムレザル

『我々も動ければいいのだがな……』

『だが、コンパスへの調査協力は惜しまないつもりだ』

 

ヴァーノン

『それは我々も同じだ』

『オーブやプラントよりも軍備には慎重にならざるを得ない』

 

各国が、それぞれの事情を抱えながらも、ひとつの方針へとまとまっていく。

 

カガリ

『話は纏まったな』

『みな、忙しい中すまない』

『今後は更に密な連携で進めて行こう』

 

ヴァーノン

『そうだな』

『では、また』

 

ラムレザル

『我々も尽力させてもらう』

『アスカ指揮官、支援協力の件、よろしく頼む』

 

大西洋連邦、イリュリア連王国の4人の回線が切断される。

マルチウィンドウから、ヴァーノン、アクセル、ラムレザル、エルフェルトの姿が順番に消えていく。

 

残ったのは、かつての英雄達。

世界を何度も救い、そして何度も戦争の現実を見てきた者達だった。

その中で、キラが大きく息を吐く。

 

キラ

『はーーー』

『やっと終わったね』

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。