ハッピーエンドのない箱庭より   作:生姜も無いし仕方ない

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オリ主は死にましたが、話は続くから問題ないので初投稿です。


不死者も歩けば隕石でDie

【美少女は】隕石に当たっても生きてたけど質問ある?【死なない】

 

1:ありきたりな不死者さん

 2スレ目だしいきなり名前変えてもいいよね?

 というわけで新スレで復活だよ

 前のスレにいた人はいるかな? いちおう生存報告も兼ねてるんだ

 いないならいないでいいんだけど

 

2:名無しの転生者さん

 あきらかな噓スレかと思ったら前スレある感じか

 

3:名無しの転生者さん

 お前、イッチか?

 邪神に不死者にされた挙句クソみたいな世界に放り込まれたイッチか!?

 

4:ありきたりな不死者さん

 お

 そうそう、ボクだよ

 前のとこは上限まで行ってるっぽくて書き込めなかったんだ

 数時間しか経ってないのによく埋まったね

 

5:名無しの転生者さん

 イッチが死ぬとか言い出したから俺らはめっちゃ焦ったんだぞ!?

 最後のやつも……あれなんだったんだよ!? めっちゃ不気味だったんだが!?

 

6:名無しの転生者さん

 イッチィィィィィ! 生きとったんかワレェ!!

 

7:名無しの転生者さん

 いやだからイッチは不死者なんだから大丈夫だろって何回も言ってたんだが

 それはそれとして、無事そうでよかった

 あと一応はっとく 前スレ

 

8:名無しの転生者さん

 よく有能って言われない?

 ちょっと見てくる

 

9:ありきたりな不死者さん

 ありがとね

 無事というか、まぁー……いっかい死んでるけど

 とりあえずリスポーンしたから五体満足ではあるよ

 【写真

 

10:名無しの転生者さん

 うおっ、ちょっと心臓に悪い自撮り画像でおじさんビックリしちゃった

 

11:名無しの転生者さん

 なんというか……ゾンビ?

 

12:名無しの転生者さん

 ガリガリというより、骨に皮が張り付いてる(ガチ)って感じよな

 どっかで見たことあると思ったらアレだ、ダ〇ソの亡者状態

 

13:ありきたりな不死者さん

 やば

 リスポーンしてすぐにスマホ開いたから生き返るの忘れてたよ

 こっちが生者のボクね。大丈夫キズ1つないよ

 【写真

 

14:名無しの転生者さん

 え、イッチの見た目めっちゃレベル高くね? そりゃ襲われるわ……いやこれで納得しちゃだめなんだけど

 

 というかそういうところまでフ〇ムゲーと同じなのか

 だったら生身になるためには方法が2つあったり?

 

15:名無しの転生者さん

 かなりの金髪美少女ダァ

 こんな子が襲われて監禁とか……いやいや心配なるわ

 

 あー、確かボス倒したら生身になるんだっけ

 

16:名無しの転生者さん

 金髪碧眼美少女! 正直眼福ではあるし、ジト目っぽい気怠そうな目が好き……!

 

 あとはアイテム消費して、だな

 というか前スレで篝火とか言ってたけど、もしかして

 

17:ありきたりな不死者さん

 フ〇ムゲーやってる人多くて説明が省けてボクは嬉しいよ

 その辺はほぼ一緒で、なんなら篝火ワープもできたね

 でもこの世界じゃ無理かなぁ……篝火をリスポーン地点にするのが限界っぽい

 

18:名無しの転生者さん

 はぇーほぼ一緒なんすねぇ

 

19:名無しの転生者さん

 ちょっと待てぃ!

 

20:名無しの転生者さん

 逆にリスポーン地点の登録は出来るのかよ……

 ならステータスが数字になってたりもするのか?

 あとは装備重量とかか

 

21:ありきたりな不死者さん

 なってるよ

 いまのボクのステータスは装備品抜きの素の状態で

 最大HP:511620

 最大MP:199998

 攻撃力:46015

 防御力:45707

 魔力:45541

 魔法防御:45495

 素早さ:46812

 運:46884

 うーんそこそこだね

 

22:名無しの転生者さん

 そこそこなの……か?

 基準が分からないもんだから何とも言えない

 

23:ありきたりな不死者さん

 カンストしてるのはMPだけだしね。ステを伸ばすためにダンジョンに通い詰めてたんだけど、途中でここに飛ばされちゃったから……

>>20 装備重量はないけど、装備はちゃんとあるよ

 武器 盾 頭 身体 指輪×4

 の枠があって自由に組める。脳筋純魔ハイブリットなんでもできちゃうんだ

 

24:名無しの転生者さん

 思ったよりもダ〇ソだな……

 ちなみにMPコストは一番高いのでどれくらいなんだ?

 カンストが20万くらいってことは5000くらい?

 

25:ありきたりな不死者さん

 一番コストかかるのは……200だね

 

26:名無しの転生者さん

 はい?

 

27:名無しの転生者さん

 ぱーどぅん?

 

28:ありきたりな不死者さん

 一番コストが高い魔法の消費MPは200だよ

 つまり今のボクは1000回その魔法を使える計算になるけど、そんなに撃つことないしMPなんて飾りだよ飾り

 あとこのステは周回のラスボスを裸武器のみでワンパン可能程度でしかないから中途半端だね

 

29:名無しの転生者さん

 それが中途半端なわけないだろ!

 がっつりインフレしてるじゃねーかよ!

 

30:名無しの転生者さん

 思ったよりイッチがバケモンで引いた

 引いた……

 

31:名無しの転生者さん

 前スレ見て帰って来たけど、イッチがだいぶヤバイ奴だったし今もヤバイなどうなってんだ

 つーかこんな化け物が隕石で死ぬのか(困惑)

 

32:名無しの転生者さん

 ま、まぁ本家も何回周回してカンストしても落下死はするし(震え声)

 

33:ありきたりな不死者さん

 落下死! いやもうホント段差は敵だよね!

 あとは首切りトラップ! この2つだけはなにしても即死なの変わらないんだよ

 あの箱庭を作った奴は相当性格悪い!

 

 隕石に関しては普通に頭がボロンして死んだよ

 衝撃波が強すぎたね

 

34:名無しの転生者さん

 イッチくらいの不死者でも隕石では流石に死ぬのか

 これは参考になりますね(メモメモ)

 

35:名無しの転生者さん

 なんの参考にするんだよ……不死者なんてそもそもいないだろ

 

36:名無しの転生者さん

 ゾンビとかのいわゆる『アンデッド』はファンタジー系の世界ならいくらでもいるだろうけど、イッチみたいなのはレアだろうなぁ

 仮に『不死者は首を落とせば死ぬ』ってのが正しくても、それを成すためには隕石衝突と同じくらいの攻撃をしなきゃなんだろ? 無理ゲーじゃんね

 

37:名無しの転生者さん

 たぶんイッチが硬すぎるだけだと思うんですけど(名推理)

 

38:ありきたりな不死者さん

 まぁまぁボクのことはいいでしょ

 もう一回海の探索がてら、あの隕石を見に行こうと思ってるんだ

 自分の死因を見に行っちゃうぞ~

 

39:名無しの転生者さん

 なんて軽いんだ……これは不死者特有なんだろうなぁきっと

 漫画やらの不死身のキャラってだいたいこんなののイメージだし

 

40:名無しの転生者さん

 「あー死んだかと思ったー(死んでない)」とかな

 ともかく気を付けはするんだぞイッチ

 死んでも大丈夫とはいえ、俺たちの心臓に悪いからな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

 掲示板で言った通り、さっきボクが不幸にも黒塗りの隕石に衝突されて死んでしまったところの近くまで帰って来た。

 不死者とはいえ、流石に首が捩じ切れてしまっては死ぬしかないのだ。いやー隕石くんは強敵でしたね。

 

 ただ思うところもある。いくら隕石だといっても所詮は石、静止した水面がコンクリート並みの硬さを持つのはみんな知ってるよね? つまり隕石は原型を留めず砕けてるんじゃない?

 いやもしかしたらタダの隕石じゃないかもしれない。ド級の隕石、ド隕石である可能性もゼロじゃないもんね。

 

 

51:名無しの転生者さん

 ただの隕石じゃねえぞ……

 

52:名無しの転生者さん

 被ってる被ってる

 イッチとネタが被ってるんよ

 

53:名無しの転生者さん

 いやでもネタ抜きにしても、隕石なら原型ある確率低そうじゃない?

 結構な衝撃だったわけでしょ? 俺は物理学とかそんなに詳しいわけじゃないけどさ

 

54:名無しの転生者さん

 そこはほら、例え隕石が見つからなくても本題の生物調査は出来るってことで

 

 

 そう、隕石は()()()であって本来の目的は魚を見ることなんだよ。

 ボクが海の生き物を見たところで「こんなのがいるんだな~」で終わってしまうけど、いまなら頼もしい人たちに頼り放題なんだから頑張ろうね。

 正直ここで死ぬ前って海が綺麗なことしか記憶にないし。じゃあ実質これが第1回の調査ということになるか、テンション上がるねー。

 

 ということで調査開始。

 とは言っても目についた海洋生物をスレに投下していくだけの作業なんだけど。

 でもあれだね、今のところ魔物とか怪物とかそういった感じのは出てきてないから、ここって地球なのかな? いやまぁ早計か。

 

 

71:名無しの転生者さん

 ん?

 待てイッチ、そのウミウシどっかで見たことある気が

 

72:ありきたりな不死者さん

 ウミウシ?

 どれ? この赤黒いの? それとも青いやつ?

 

73:名無しの転生者さん

 いや違う、というか赤いのはウミウシじゃなくてナマコやろがい

 じゃなくて白いヤツだよ、白くて黒の斑点があるヤツ

 

74:名無しの転生者さん

 あーソイツな

 言われたら確かに俺も見覚えあるわ

 でも……なんだっけ?

 

75:名無しの転生者さん

 俺も見たことある

 でもどこでだ? 少なくとも転生後じゃないし、でも転生前は図鑑とか読んだ覚えないぞ

 水族館か、テレビか動画で見かけたのか……?

 

76:名無しの転生者さん

 3人見たことあるなら地球っぽいが、どうなんだろうな

 イッチ、そのウミウシの写真もうちょい投げてくれるか?

 いろんな角度から撮ってくれると助かる

 

77:ありきたりな不死者さん

 ほい

 【写真】【写真】【写真

 

 

 言われるがままウミウシの写真を撮りスレにアップする。

 うーん、ウミウシかぁ。ウミウシといえば幻覚の元になったり爆発したりするのが真っ先に思い浮かんできたけど、まぁ違うよね。

 でも変わった色だな……ボクは日本人じゃなかったとはいえ、この配色はお弁当のご飯とその上にかかっている黒ゴマを彷彿とさせる。

 

 そんなこと言ってたらお腹が減ってきた、というのはただの妄想。生身に戻っているとはいえボクは不死者、別に食べ物で栄養を摂っているわけじゃない。

 『食べられなくはないけど必要じゃない』って感じで、ただの娯楽になってるんだ。

 あの世界の不死者──ボクみたいなのは"ソウル"というものを糧にして生命活動を行っているから、"ソウル"がある限りボクが朽ちることはない。

 ま、ボクの身体には欠陥があるんだけどね。

 

 とか思っていると、掲示板が騒がしくなっていた。ウミウシの名前とか分かったのかな?

 

 

85:名無しの転生者さん

 思い出した!

 それフシだわ!

 

86:名無しの転生者さん

 フシ? それがウミウシの名前なん?

 

87:名無しの転生者さん

 ちっげーよ!

 ああこう書いたほうがよかった!

 FUSHIだよFUSHI!!

 

88:名無しの転生者さん

 FUSHIってお前確か……FUSHIじゃん!?

 

89:名無しの転生者さん

 ああああそうじゃんどっかで見たも何もFUSHIじゃねえか!

 なんですぐ思い出せなかったんや……! 映画何周もしたんやぞ!

 

90:名無しの転生者さん

 若干デフォルメされてたもんなぁFUSHIは

 言われないと分からないのもまぁ納得

 最初に思い出したニキはすげえよ

 

 

 どうもこのウミウシの名前(?)はFUSHIという……あ、違うみたい。

 うーん、みんなが口々に言う情報をまとめると……

 

・このウミウシは『超かぐや姫!』という作品の『FUSHI』というキャラの原型である

・ただこのウミウシ自体は現実の地球にもいるらしい

・しかし先の隕石や周りの環境を考えるとここは『超かぐや姫!』の世界である

・そして今の年代は2030年の約8000年前である

 

 今のボクは「ここ地球じゃん」と「8000年前かぁ」という2つの気持ちに支配されていた。心が2つある~。

 しかし8000年かー、途方もないとしか言いようがないぞ。

 

 

104:ありきたりな不死者さん

 まぁ前のスレタイの「ここがどこか分からない」ってのは解消されたね

 みんなのお陰、ありがとう

 

 それでこれからボクはなにをしたらいいと思う?

 ボクはその『超かぐや姫!』ってのを知らないんだ

 

105:名無しの転生者さん

 はいはいはいはい!

 俺のヤッチョを救ってほしいです!!

 

106:名無しの転生者さん

>>105 別にお前のヤッチョではねえよタコ助!

 

107:名無しの転生者さん

>>105 ……すぞ

 

108:名無しの転生者さん

>>105 特定した

 

109:名無しの転生者さん

 ボッコボコでかわいそう

 でもヤッチョは原作で救われてないみたいな言い方はやめろカス

 ちゃんといろPがハッピーエンドまで持っていったやろが

 

110:名無しの転生者さん

 集中砲火じゃん

 イッチ含め原作知らんやつが分からんから解説してくれ

 

111:名無しの転生者さん

 えっ!?

 

112:名無しの転生者さん

 俺たちの

 

113:名無しの転生者さん

 『超かぐや姫!』ハッピーエンド大作戦を

 

114:名無しの転生者さん

 垂れ流しても

 

115:名無しの転生者さん

 いいんですか!?

 

 

 ケンカが始まったと思ったら急に息ピッタリになるじゃん君たち。

 

 というかハッピーエンド大作戦ってなに?

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

 "絶望"って言葉の意味を、身をもって知った。

 何にも頼れず何にも縋れず、かといって自分が何かを出来るわけでもなく。私の声は誰にも届かなくて……というか周りには人なんていなかったけど。わはは。

 

 やめやめ、ムダに笑ったところで気が沈んじゃうだけ。

 

 ……よし。気を取り直した。

 もう一回私の大切な人に会うために、船で月から地球に向かっている途中で隕石に当たっちゃったんだ。

 ピーキーかつデリケートな時間渡航系の機械類はゴッソリ誤作動を起こして……気が付いたらこの砂浜で半透明の幽霊状態だったってワケ。

 触れない喋れない動けないの三重苦でもう辛いのなんのって。私に許された行動は海を眺めることと無為に時間を過ごすこと。このままじゃストレスでハゲちゃうよ~。

 

 船は『もと光る竹』っていう名前なんだけど、まーどこもかしこもボロボロで、今は海のどこかに沈んでるハズ。何度呼びかけても反応はしてくれないし、同行してた『犬DOGE』って子はなんとか身体を得たっぽいけど、それでなにかが変わることもなく。とほほ……。

 

 でもそんな変化のない日々をなんとか耐えられたのは、他でもない大切な人からの贈り物があったからだ。

 『この歌があるから頑張れる』なんて半ば自分に言い聞かせるようにして、なんとか"かぐや"を見失わないようにしてきた。

 

 そうして時間はどんどん過ぎていった。

 朝昼夜を何度も超えて、周りの植物とかを見るに季節が移りそうだな~とか思っていたある日のこと。

 

 

 ──ひえっ、なになになに!?

 

 ──感覚なんてないはずなのになんかゾクゾクするよ!?

 

 

 思わず声が出てしまった。発したところで空気を振るわせることなんてないからと、普段は心の内で思うだけだったんだけど……。

 でもしょうがないじゃん。

 だって、()()()()()()()()()の。月の住民は思念体だから物理的な身体は持ってなくて、だからこんな現象起こるわけがないのに。

 

 そうしているうちに()()は姿を現した。

 遠目で見るだけなら人型だったんだけど、こっちに近づいてくるにつれてシルエットがはっきりしてくる。そうして私はないはずの喉を鳴らす。

 

 ソレは確かに人型だった。

 ソレは私とか彩葉と同じくらいの身長だった。

 

 ……ソレは、()()()()()()()()

 

 

 ──うぎゃあああぁあぁぁあっ!? ばっ、ばば化け物じゃん!??

 

 ──ここ地球じゃなかったの!? 彩葉ああああ!! 助けてええええぇぇぇえっ!!!

 

 

 人間みたいな顔はしてたんだけど、首から下がどうしようもなく人間じゃなかった。

 腕がある位置からはたくさん枝分かれした先端に口がついてる触手みたいなのが生えてるし、もう一回りおっきいやつが身体の至る所から飛び出していた。

 

 気分はまさにホラゲーの主人公。いやだーこんなところで体験したくなかったー!

 ただ動けないからアレが通り過ぎてくれるのを待つだけなんだけど。待つだけのホラゲーとか嫌すぎる!

 

 ……ただ祈るだけの、体感30分くらいの時間が過ぎる。いやいや絶対そんなに経ってはないんだけど怖いんだから!

 化け物は特にこちらを気にする素振りなんか見せずに歩き去っていった。まぁ当然だよね、見えるわけないし。でもさ? ちょっとぐらい気づいてくれたって……ってやっぱなし!

 

 

 ──化け物にすら見向きもされないぃ

 

 ──はぁ、ほんとドジっちゃったなぁ

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんにもなかった日々に少し変化があったけど、喜ばしいのかどうかは考えても分からなかった。だってここ地球じゃないかもしんないんだよ? そんなの超バッドエンドじゃん!

 でも私のそんな内心なんて空は知るわけもなく。その日も太陽が沈んで、夜がやってくる。

 

 

 ──……?

 

 

 薄闇に包まれる中で"かぐやイヤー(概念)"が音をとらえた。今までここで短くない時間を過ごしてきたけど、一度も聞いたことがない音がする。

 これは……歌? それも私も知らない歌だ。ちょっと感動。

 

 

──信念はたがえども──目前の天に──「だとしても!」を貫け──

 

 

 聞き間違いじゃない。歌、歌だよ。

 ~~っ! 歌だよ! ナントカが生み出した文化の極みだよ!

 じゃあやっぱり人がいるんだよねっ! やったー!

 とか思ってたら歌ってる人がこっちに向かってきた。どんな人かなどんな人かなっ!

 

 まず目についたのは綺麗な金髪、それから吸い込まれるような青い目。でもその目は野暮ったい眼鏡で目立ちにくくなってる。

 服はTシャツにパーカーにダボっとしたズボン。その手にはスマホと反対の手には、スケボーかな?

 なんかちょっと可愛いじゃん? 銀河級超美少女のかぐやちゃんには及ばんけど!

 

 なんて勝手に評価をつけてたら、その子は私の前を通り過ぎようとしていた。

 ああああそうじゃん! 今のかぐやは目には見えないんじゃんじゃん!? このままだとひとりぼっちに戻っちゃうじゃんじゃんじゃん!??

 

 

 ──待ってそこの人! 待ってってば!

 

 ──うぎぎぎ……! 声が出ないことがこんなにも恨めしくなったのは初めてだよ……っ!

 

 ──絶対! ぜーったい、逃がさないんだから!

 

 

 この状態になってから初めてレベルの感情の昂ぶりに呼応したのか、私の意識は波打ち際に漂っていた犬DOGE(ウミウシ)の身体に入り込む。

 そして──

 

 

「待って!」

 

 

 数か月ぶりの発声は、確かにその子に届いた。

 それでその子は私にこう言ったんだ。

 

 

「やぁ」

 

「ソウルだけだった女の子」

 

「ボクに何か用?」




かぐやの口調が難しいので失踪します。
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