ハッピーエンドのない箱庭より   作:生姜も無いし仕方ない

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宣言通り区切りをつけられたので初投稿です。


不死者と電子の同居人

【視聴者】ボクの新しい仲間を紹介するよ【プレゼント】

 

1:ありきたりな不死者さん

 やっほ ボクだよ

 この挨拶も何回目になるかな?

 今日はみんなに報告とか色々持ってきたんだ

 

2:名無しの転生者さん

 イッチぃぃぃぃ! お前ぇぇぇぇ!

 生きとったんかワレェ!

 

3:名無しの転生者さん

 前スレでタケノコを採りに行くって言ったっきり書き込みが無くなったイッチじゃん!

 

4:名無しの転生者さん

 何事も無かったかのようにスレ立てするのはヤメロォ!

 でも無事で嬉しいよ不死者イッチ(はーと)

 

5:ありきたりな不死者さん

 いやーゴメンね、かぐやちゃんに質問攻めされててスマホを触る余裕がなくてさ

 話してるときにスマホ弄ると怒るんだよあの子

 

6:名無しの転生者さん

 かぐやちゃん絡みなら仕方ない

 

7:名無しの転生者さん

 かぐやちゃんは全てにおいて優先されるからな

 ほなしゃーないか

 

8:名無しの転生者さん

 そのかぐやちゃんの様子についてkwsk

 

9:名無しの転生者さん

 なんかメンヘラというかめんどくさい彼女みたいな反応

 

10:ありきたりな不死者さん

 『めんどくさい彼女みたい』って実際に言ったら心外だって怒ってたね

 たぶんそのうち『私とスマホどっちが大事なの?』って聞いてくると思う

 3年くらい一緒にいたボクが言うんだから間違いない

 

11:名無しの転生者さん

 言いそうで草

 

12:名無しの転生者さん

 結構かまってちゃんだよな

 いろPにも駄々こねまくってたし

 

13:名無しの転生者さん

 まぁそこも可愛いところじゃろ

 

 というか3年一緒ってことは、イッチは最初のスレからもう3年も縄文時代で過ごしてるのか

 やっぱ退屈だったりするのか?

 

14:名無しの転生者さん

 ネット環境もない原始的な生活を3年とか、いやーキツいっす

 

15:ありきたりな不死者さん

 ボクが前にいた世界にもネットはなかったから不自由はしてないかな

 ただ退屈かと聞かれると『そうだね』って返さざるを得ない

 いかんせん目新しいことがないもんだから

 

16:名無しの転生者さん

 そら(縄文時代なんだから)そう(なってもおかしくない)よ

 かぐやちゃんが居るとはいえ、それ以外の現地人と交流するわけにもいかないだろうし

 そもそも縄文人に言語とかあるの?

 

17:名無しの転生者さん

 教えてくれ歴史に自信ありニキー!

 出番が来たぞー!

 

18:歴史に自信ありニキ

 ご期待に応えて説明しよう!

 

 縄文時代の文献が見つかっていないことから"文字は"なかったとされている

 だが言語、つまり"話し言葉"は存在したという説が有力だ

 ただアイヌ語とかそういう類の祖先的な言葉であったと考えられているから、現代の日本語とは全く似ていないと思うぞ

 

19:名無しの転生者さん

 なんて心強いんだ自信ありニキ……!

 

20:名無しの転生者さん

 こんなのもう『なんでも知ってるニキ』やん

 

21:歴史に自信ありニキ

 なんでもは知らないわ

 日本史のことだけ

 

22:名無しの転生者さん

 そういえば

 『月人にかかれば現地の言葉の解析は楽勝だけど、ウミウシの発声器官がゴミすぎて意思疎通がとれないからボディランゲージするしかない』

 みたいな描写があった気がするわ

 

23:名無しの転生者さん

 え、なにそれは(初耳)

 

24:名無しの転生者さん

 確か小説版にそんな話があったような……

 初めて人を看取った時の話だっけか

 

25:名無しの転生者さん

 もうつらい(フライング)

 

26:名無しの転生者さん

 そんな8000年の序盤で辛くなってたらヤッチョの記憶とか見れないよ

 え? 8000年分の記憶を脳にぶち込まれて生きてる人間がいる?

 ははは、そんなバカな

 

27:名無しの転生者さん

 ???「かぐやの全部を見なきゃ」

 

28:名無しの転生者さん

 さすが『超かぐや姫!』の超担当だ、なんともないぜ!

 

29:名無しの転生者さん

 なんでなんともないんですか?(畏怖)

 

30:歴史に自信ありニキ

 いいよなーヤッチョの記憶を見れるの

 もしかしたら"日本史上で未解明な謎"のヒントとか転がってるかもしれんやん?

 そう考えると俺もあの記憶の海に飛び込みてぇな

 

31:名無しの転生者さん

 やめとけやめとけ

 そんな自殺行為するくらいなら、今からそれを追いかけるイッチに頼む方がええやろ

 

32:歴史に自信ありニキ

 頼むイッチ!

 

 ・邪馬台国はどこにあったのか

 ・本能寺の変で織田信長は本当に死んだのか

 ・坂本龍馬はなぜ暗殺されたのか

 

 この3つを調べてくれ!

 有名どころだが、未解明の謎の中でも俺がマジで知りたい三選なんだ!

 

33:名無しの転生者さん

 はやいはやいレスがはやい

 

34:名無しの転生者さん

 どんな速度で打ち込んでるんだよ……思考入力かなにか?

 それにしたって判断が早すぎるだろ

 

35:名無しの転生者さん

 ニキが本気で頼み込んでて草はえる

 なんでもすると言いなさい

 

36:歴史に自信ありニキ

 なんでもする! イッチの疑問にはなんでも答えるぞ!

 

37:名無しの転生者さん

 だから早いって

 

38:名無しの転生者さん

 なんて心のこもった力強いレスなんだ

 

39:名無しの転生者さん

 ん? いまなんでもするって……

 

40:名無しの転生者さん

 言ったんだよなぁ

 

41:ありきたりな不死者さん

 なんでもはしなくていいけど……ありニキの助言には助けられてるし、そのあたりは調べてみるよ

 あとは日本の偉人ってフリー素材みたいに扱われてるから、史実でどんな人だったかボクも興味はあるんだよね

 と言っても5000年(相当)先の話でしょ? 確約は出来ないけどそれでいい?

 

42:名無しの転生者さん

 戦 国 の フ リ ー 素 材

 

43:名無しの転生者さん

 当 た り 前 の よ う に 女 体 化

 

44:名無しの転生者さん

 世界よ、これがCOOL JAPANだ

 

45:名無しの転生者さん

 もはやFOOL JAPAN定期

 

46:歴史に自信ありニキ

>>41 それでいい! ありがとうイッチ!

 

47:名無しの転生者さん

 ところで自信ありニキは昨今の偉人女体化乱舞にどういう印象抱いてるの?

 

48:名無しの転生者さん

 なんでそんなこと聞くんだよ

 

49:名無しの転生者さん

 まぁ気にならないといえば嘘にはなるけどさぁ

 

50:歴史に自信ありニキ

 まー……史実の研究に影響ないなら好きにしたらいいんじゃね?

 言うて俺もFG〇はやってたし、抵抗は全くなかったどころか全力で楽しんでたぞ

 他のゲームなんかでもライターによって歴史への解釈が全然違ったりしてて面白かったし

 

51:名無しの転生者さん

 そりゃそうか

 創作と現実は交錯せんわな

 

52:名無しの転生者さん

 結論:好きにしたらええやん

 これにてCOOL JAPAN談義は終わり! 閉廷!

 

53:ありきたりな不死者さん

 人間好きに生きるのが一番だよね、ってことで

 じゃあそろそろ前スレの終わりからの話でもしよっか

 

54:名無しの転生者さん

 いや唐突ぅ! でも気になるぅ!

 

55:名無しの転生者さん

 あーなんだっけ、タケノコがって言ってたよな

 そもそもなんでタケノコを採るって話になったんだ? なんかかぐやちゃんが山に行くみたいな描写なんてあったっけ?

 

56:名無しの転生者さん

 山が舞台になるなんて、そんな話なかったと記憶してるんだけど

 イッチがマジでタケノコ採りに行っただけって可能性は?

 

57:名無しの転生者さん

 いやーないでしょ(二重の意味)

 

58:ありきたりな不死者さん

 タケノコって言っても山に生えてる野菜じゃないよ

 だって空から降ってきたし

 

59:名無しの転生者さん

 タケノコが空から降ってくるぅ?

 こ〇すば世界かなにかなの?

 

60:名無しの転生者さん

 いやおい待て

 イッチ、そのタケノコは空から降ってきたんだよな?

 

61:ありきたりな不死者さん

 お、アキネイターごっこ?

 その答えは『そう』だね

 

62:名無しの転生者さん

 それはタケノコの"形"をしているが野菜ではない?

 

63:ありきたりな不死者さん

 うん

 

64:名無しの転生者さん

 それは空から降ってきてイッチをワンキルした?

 

65:ありきたりな不死者さん

 YES

 

66:名無しの転生者さん

 『もと光る竹』じゃねーか!!

 

67:ありきたりな不死者さん

 はい正解

 

68:名無しの転生者さん

 確かにタケノコの形はしてたけどさぁ!

 

69:名無しの転生者さん

 え、イッチは海に沈んでいたかぐやちゃんの宇宙船を拾いに行ってたってこと?

 それってつまりかぐやちゃんが身体を取り戻せるんじゃ……

 

70:名無しの転生者さん

 いやないだろ

 隕石の衝突でもと光る竹はほぼ壊れてたらしいし、そこから8000年経った現代でも直ってないっぽいしで無理だと思うけど

 

71:名無しの転生者さん

 直ってるならいろPがヤッチョに会うためにわざわざあの部屋でダイブする必要なかったもんな

 仮想世界にしか身体がないからその後の話に繋がるわけだし

 

72:名無しの転生者さん

 容赦なく現実に叩きのめされてしまった……

 

73:ありきたりな不死者さん

 ところがどっこい、ってね

 ボクがなんの考えもなしに行動するわけないでしょ?

 

74:名無しの転生者さん

 そうかな……そうかも、いやそうか?

 イッチって割と無頓着なとこあるだろ

 

75:名無しの転生者さん

 無頓着(自分の命に)

 

76:名無しの転生者さん

 無頓着(不死者ゆえの命の軽視)

 

77:名無しの転生者さん

 無頓着(他人には優しく自分は投げやり)

 

78:名無しの転生者さん

 投げやりというか投げ捨て

 

79:名無しの転生者さん

 イッチが不死者であることで生じたある種の信頼

 

80:ありきたりな不死者さん

 君たち散々な言い様じゃないか

 ま、いいよ

 これを見ても同じことが言える者だけボクに石を投げるといい

 

 【 動画 】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──息を、吸う。

 ──息を、吐く。

 

 

 1つ目の身体の時よりは不便だけど、2つ目の身体に比べたら断然今のほうが良い。

 3つ目の身体……バーチャルな存在になっている今は呼吸なんて必要ない、でもこの暴れそうな気持ちを抑えるためには必要なこと。

 

 目を閉じれば色々なことを思い出す。奇跡みたいな出会いも、キラキラ輝く思い出も、ちょっと寂しいお別れも。

 全部が全部、間違いなく私の宝物なんだ。

 

 

 ──息を、吸う。

 ──息を、吐く。

 

 

 彩葉に拾われて、本っ当に良かった。あのアパートで過ごした日々も、引っ越してタワマンに住んでからも、楽しくなかった日はないくらい。

 でもあのくそまじぃパンケーキだけは許せない。あれは彩葉の数少ない欠点のひとつだよ。

 

 きっと本気になれば私なんて追い出せただろうに、彩葉ってばお人好しなんだから。

 でもそのお陰で私は今ここにいる。いや居るのは縄文時代なんだけどさ。

 

 

 ──息を、吸う。

 ──息を、吐く。

 

 

 彩葉が私を助けてくれたから、ああやってライバーになれた。

 彩葉が私に歌を作ってくれたから、こうして自分を見失わずに済んだ。

 彩葉が私に全部をくれたから、私は彩葉に全部を賭けられる。

 

 私の全部は彩葉で、彩葉の全部は……なんだろう、勉強だったりするのかな。

 

 

 ──息を、吸う。

 ──息を、吐く。

 

 

『君の身体は生まれ変わったと考えてよ、今の君はボクと同じような存在だから』

 

『魂に力ってモノがあるなら、それは意志の強さだとボクは思う』

 

『イメージするんだ、君の姿を。固定するんだ、君の意思を』

 

『強く、強く、思い描くんだ。君がありのままでいられる姿を』

 

 

 アリサ。金髪碧眼の不死者。別の世界から来た転生者。

 特に返せるものもない私に長い間付き合ってくれて、この身体をくれた人。

 

 ダウナー系で、野暮メガネで、闇深エピソード持ちで、時々化け物で。

 正直で、等価交換主義で、歌が好きで、オタク気質で、優しくて。

 

 この時代で初めてできた私の……友だち。

 

 

『まぁ簡単に言うと、だ』

 

やりたいようにやりなよ、君の思いが導くままに

 

 

 そうだ。私はいつだってやりたいことをやってきた、だったら今も一緒のハズ。

 

 

 思い出せ

 

 私を

 

 キラキラ輝いていた私かぐや・いろPのかぐやを!

 

 

 ──息を、吸って、吸って、吸う。

 ──息を、吐いて、吐いて、吐く。

 

 ──目を、閉じる。

 

 

 寄り道どころか落とし穴に落ちちゃって戻るの大変だけど、それでも絶対帰るから!

 色々見て、たくさん喋って、いっぱい歌って!

 

 

 ──息を、止める。

 

 

 大切な人からもらった最初の贈り物は、絶対ぜーったい忘れない!

 どれだけ時間が経とうと、それだけは絶対に!

 

 

 ──目を、開く。

 

 

「準備は出来たかい?」

 

「うんっ! 今のかぐやちゃんが100%フルマックス!」

 

「オーケー、じゃあ始めようか」

 

 

 ──思い出せ、感覚を

 ──思い出せ、情熱を

 ──思い出せ、ワクワクを

 ──思い出せ!

 

 

 そして、開始の合図が鳴る────

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 掲示板を見てるみんな、かぐやっほー! 月からやって来た、かぐやだよー。

 

 みんなは私がどうなってるのかってのいうのは知ってるんだよね? アリ……じゃなくてイッチが伝えてるって言ってたけど、あってる?

 

 だったら話がはやい! 私は今イッチのスマホに居候してるんだ~!

 

 乗って来た宇宙船が運悪く隕石に当たって壊れちゃってさー、もう最悪! でもそこで運良く助けてくれた人がいました! それがみんな知ってるイッチってワケ!

 それからま~~~~色々ありましてぇ……なんやかんやの末イッチのスマホにこうして移動することが出来たのでしたっ!

 

 イッチは私の今の様子を見て「Deskt〇p Mateじゃん」とか言ってたんだけど、みんなは意味分かる~? 私にはさっぱりなんだけど、私が画面を走り回ってたりアプリを勝手に操作してたらそう言われてさ。

 しょうがないじゃん! こちとら走り回るのなんて超久しぶりなんだから! それにイッチのスマホって妙に居心地よくて、つい動きたくなっちゃうんだわ。かぐやちゃんは罪な女なの☆

 

 おいこらぁイッチ! 笑ってるの見えてるんだからな!

 

 んんっ。いやでもさ、そもそもの話よ? アリ……イッチが私とコンタクト取ってくれたのはあなたたちのお陰っていうことを聞いてるのよかぐやちゃんは。

 だから、ありがとっ! 掲示板の人たちの言葉が届いたから、いま私は動画を撮れてるの!!

 

 ……正直イッチがこういう人じゃなかったら、私はこんなこと出来てなかったかもしれない。

 もしかしたらイッチなんて人とは出会わなくて、私はひとりぼっちだったってこともありえる。

 はたまたイッチが途中で私に愛想を尽かしてたかもね。私ってばほら、ワガママだから。

 

 でも現実は、こう。

 私はここにいて、こうして動画を撮ってて、イッチは目の前にいてくれてて、見てくれるみんながいる。

 前に地球にいた時と一緒……ではないけど、私は独りじゃないし助けてくれる人がいる。

 

 私の大切な人にあうための旅路に付き合ってくれる人がたくさんいる。

 

 だからもう1回言うね?

 

 掲示板のみんなー! ありがとーっ!!

 

 ふぅー、よしっ。スッとしたぜぇ~。

 

 というわけで! これからもかぐやをよろしくね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 最後に。

 アリサも、ありがと。私の友だちっ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 

 

 

 スマホの画面をキャプチャーして動画を撮ってたんだけど、最後にやってくれたねあの子。

 

 なんか『ハッピーエンド大作戦』とか言い始めるくらいには思い入れありそうだったし、スレのみんなに一種のファンサービスとして撮ることを決めたんだ。

 かぐやちゃんはスマホの妖精になってるしこのスマホには使わない機能とかスペックが眠ってるしで、それらを試すにはちょうど良い機会だったとも言うけど。

 

 かぐやちゃんはかつて配信者みたいなことをやってたらしいし、あの頃を忘れないための助けにもなると思って提案したんだよ。そしたらすごい乗り気で『やる!!』って。

 こうして『ツクヨミライバー・かぐや』は8000年前の地球で復活したのでした。

 

 それにしても好きにしろとは言ったけど、思ったよりも派手にやってたね。

 まぁいい傾向なんじゃないかな、この3年間の鬱憤を晴らすって意味でもこの動画撮影は良い影響を……与えられたんじゃない? 知らんけど。

 

 ただ『Deskt〇p Mate』は我ながら上手いこと言ったと思う。

 なにせボクのスマホの中で好き勝手動いてるからね、かぐやちゃんってば。たまにヤバイところに突っ込んだりしそうになってるから、見てて少し心配になるんだけど……みんなは『それも愛嬌』とか抜かしてたから過干渉はしないことにしてる。

 

 

「んふ、スレの人たち阿鼻叫喚だね」

 

『へ~……ホントにリアルタイムで反応してくれてるんだ』

 

「コメントみたいなものだし、君なら慣れてるでしょ?」

 

『コメント欄ならそうだけどさぁ、掲示板ってのはそんな見たことなかったしなんか新鮮~』

 

 

 スマホの妖精(かぐや)ちゃんも満足気だ。君たちの醜態は君たちの推しを笑顔にしているよ、安心して動画を堪能してほしい。

 

 

「それよりかぐやちゃん」

 

『どったの?』

 

「最初から終わりの手前まではボクの名前出さないように我慢してたけど、最後は結局名前出てたよね」

 

『ゔっ……やっぱ、まずかった……?』

 

「いや別に名前はどうでもいい」

 

 

 そう答えたら画面の中で妖精ちゃんが器用にずっこけたのが見えた。ウミウシの時も大概テンションは高かったけども、こうして身体の動きがつくともっとアグレッシブだね。

 でもその姿じゃもう『ウミウシ可愛いね』って言えないのか。それなりに擦ってたから残念。

 

 

「少し前にスレで見かけたことがあったからボクでもそうなるんだなって思っただけだよ」

 

『見かけた……なにを?』

 

「君って彩葉って子のこと配信中でも普通に名前で呼んでたらしいって話」

 

『ゔぇあぁ……っ! マジなんでも知ってるんだ掲示板の人たちって……』

 

「ま、今度聞いてみたら? 今なら君単体でもあの掲示板アプリ使えると思うし、使い方は任せるから自由に交流したらいいよ」

 

『うー、気になるけど墓穴掘りたくない気持ちがぁ』

 

 

 いやー気にしても生姜無いと思うけどなそれ。君たぶん墓穴というか粗ありまくるタイプの配信者でしょどう考えてもさ。それを愛嬌と勢いで乗り切る感じの。あるいは全てをフォローしてくれる神的に良い人が近くにいたか。

 両方か、本人とみんなの反応からすると。

 

 

『……ね、アリサ』

 

「なにかな」

 

『ありがと』

 

「さっきも聞いたよ、それ」

 

『さっきも言ったけど、改めてだよ』

 

「そういう感動的なやつは本命に取っておきな? ボクはただ旅の途中の賑やかしみたいなものなんだしさ」

 

 

 もう一度会いたい人のために8000年先を目指す志には頭が下がる思いってやつだよ。

 

 とりあえずこれでボクが考えていたかぐやちゃんの救済は一旦終わり。これが少しでも彼女の心の支えになってくれたらいいね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『なんでアリサってそんな……』

 

『だったら……こっち……やるもん』




これにて縄文時代、というかやりたいことへの導入終了になります。
何をしても大丈夫なように下地は作れたので、時代を適当に飛ばしつつ書きたいことを書くようなスタイルになると思います。

よければこれからもお付き合いのほどよろしくお願いします。
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