日常回的なものです。よろしくお願いします。
「ユウ君、先日の件についてですが...って」
私、天雨アコは執務室に入る。
ユウ君...委員長補佐がこの前起こしたことについて報告書をもらうためである。
しかし...
「すぅ...すぅ...」
執務室で、ユウ君は眠っていた。
「......かわいい。」
思わず口に出してしまった。でも、仕方の無いことだと思う...
机に伏せて寝ているユウ君は、いつもの真面目な雰囲気とは違い、年相応のかわいさ。というものがあった。
すぅすぅとかわいらしい寝息を立てているのも、本当に愛らしい。
「......少しくらいなら...」
ユウ君の頭にそっと手を伸ばす。そう、撫でるためである。
ヒナ委員長のような、白い髪。
ヒナ委員長のような、ふわふわな髪。
「(実質ヒナ委員長を撫でているようなものでは...?)」
本当はヒナ委員長のことを撫でたいのだ。でも、真面目な委員長はそれをさせてくれない...
つまり、容姿の似ているユウ君を撫でることはヒナ委員長を撫でていることになる!
「...ヒナ委員長と同じ家、ということは...シャンプーも一緒なのでは!?」
ここで匂いを嗅げば、ヒナ委員長を嗅いでいるのと一緒!
...
行政官にまで上り詰めたアコの頭脳というのは最高峰であるが...ヒナのことになると、ちょっとばかりアホになってしまうこともしばしば......
アコは、そうしてユウの匂いを嗅ごうとした時...
「...何してるの、アコ。」
いつの間にか執務室室のドアは開いており、そこには委員長である、ヒナが立っていた。
...
「委員長!?えっと...その...これは......」
「......いいわ。でも、起こさないであげて。」
「えっ!?いいんですか......?」
予想外の言葉に少し驚いた。でも、委員長がコクリと頷いたから、嗅がせてもらおう。
「...」
ゆっくりと、深呼吸をするようにユウ君の匂いを嗅ぐ。
「すぅ〜......はぁ〜......(お日様のような...ぽわぽわした...いい匂い...)」
少しばかり遠慮なく嗅いでいく。
委員長からの視線が、ちょっとだけ痛かった。
■
「ん......あれ...寝ちゃってたかな...」
少しのくすぐったさを感じ、僕は目を覚ます。
「す〜......はぁ〜......」
「(匂いを嗅がれてる!........って、アコさん!?)」
「......!」
僕が起きたことに気づいたアコさんはすぐに飛び退く。
「えっ...と。.........アコさん。」
「っ.........はい。」
「匂い......嗅いでたんですか...?」
「......はい。」
「理由...とかは...」
「...それは......」
少しの沈黙。......そんなに言えない理由なのかな?
「......ユウ君が...かわいかったからです......!」
「え?」
僕は困惑していたが、隣にいたヒナさんはうんうんと頷いている。
「失礼します...って、どうした、ユウ。」
イオリさんが入ってきた。......イオリさんに聞いてみるか...
「あっ、イオリさん...僕ってかわいいんですか...?」
「えっ?そりゃまぁ...可愛いんじゃないか...?」
正直、かわいいと言われるのは嫌いじゃない。でも、僕だって男だ。カッコイイと言われる方が良い。
「イオリ、よく分かってるじゃない。」
「そうですよね...ユウ君は可愛いんです。」
......かわいいとしか言われない...うぅ。
「まぁ、でも。戦ってる時のユウはカッコイイと思うぞ?」
イオリさん...!
「そうね、イオリ。でも、可愛いユウの方がいいでしょ?」
「それは...まぁ...」
イオリさん......
その後も可愛い可愛いと連呼される。......もう限界!
「もうっ!皆さんやめてくださいっ!」
バッと立ち上がってそういうが、3人から生暖かい目で見られる。
「ふふっ、怒り慣れてない感じも、可愛いわ。」
「そうですね。」
「そうだな。」
「もうっ!」
その後3人は、不貞腐れてしまった僕の機嫌をなおそうとあれよこれよとしてくれていた。
そして、かわいい。という言葉は僕に対して封印されるようになった。
■
後日...
「そういえばアコさん、あの時僕の匂い嗅いでましたけど...本当はお姉ちゃんの匂いも嗅ぎたいんですよね...?」
「!?...何故それを...!」
「だって...徹夜の時とか、たまに口に出てますよ?」
「っ〜!それ、委員長には秘密ですからね!」
ここまで読んでいただきありがとうございます。
少し短いですが、これくらいのをあと数話の後、0章の〆。そして1章に入ろうと思います。
よろしくお願いします。