ちょっとした時事ネタを入れていく。よろしくお願いします。
ある日のシャーレ
「はぁぁぁぁぁ……」
休憩中、先生が大きくため息をついた。
「どうかしましたか?」
「いやぁ……ちょっとね……」
先生はスマホを持っていたためちらりと覗く。すると、そこにはゲームのガチャのリザルト画面が映っていた。
「……先生、また課金ですか?」
「か、課金はまだしてないから!」
先生の悪い癖、ソシャゲのガチャに重課金する所。お金の使い方は本人の勝手だけど、本音を言うならそういった使い方はあまりしない方がいいと思う。
「まだ?じゃあこの後する……」
「うっ……あと10連はあるから!ここで当てればいいだけ!」
「なんか、この前もそう言って結局5万課金してたじゃないですか。」
そう、この流れは前も見ている。だから、何とかして止める必要がある。
「……そうだ!」
先生はスマホの画面を僕に向ける。
「ユウが引いてみてよ!」
「えぇ……、どうするんですかそれで出なかったら。」
「大丈夫、その時は課金するだけだから!」
……つまり、ここで僕が当たりを引ければ先生は課金をしなくて済む……よし。
「分かりました。その代わり、当たりが出たら課金は無しですからね。」
「わかってるわかってる。ほらっ、ここ押して!」
先生が指さしたボタンを押す。
ムービーが流れる。
おっ、虹色はいい方なんじゃない?
「きたきた!星3確定演出!」
先生は盛り上がっている。どうやら最高レア確定演出らしい。
そして画面の指示通りボタンをなぞる。
よく分からないが、良さげな演出。虹色の玉が3個もある。
「3枚抜きっ!!?」
「?」
玉が割れキャラクターが出てくる。そして、1つ目の虹色の玉。
「お願いお願いお願いお願い………………」
出てきたキャラクターは、さっきガチャ画面のトップに映っていたキャラクター。
「これ、当たりですか?」
「……うそでしょ。」
「あの?」
すると先生は僕に抱きついてきた。
「やっったぁ!!!当たりだよ!ユウ!!」
「おおっ、それは良かったです。これで課金しなくて済みますね。」
「ううっ、何とか手持ちの石で当たってくれたよぉ……」
先生は涙を流している。……そんなに嬉しいんだ。
「あっ、次も虹色ですよ。」
画面をタップし、次の玉が割れる。
出てきたのは、さっきと同じキャラクター。
「!!? 2枚目!?」
「被りですけど、良いんですか?」
「むしろ大歓迎!凸が進めば強くなるし!」
「は、はぁ……」
相変わらず、先生の言っていることはイマイチ分からないが、嬉しさは伝わってくるのでこっちもちょっと嬉しい。
また画面に戻りタップしていく。青、青、青、金。次が最後、虹色だ。
「ここまで来たら3枚目っ!」
玉が割れる。出てきたのは先生の望み通り、3体目となる当たりキャラクター。
「3体目!やりましたね、先生!」
そう先生の方を見るが……先生はぽかんと口を開けたまま固まっていた。
「あの……先生?」
「はっ!」
先生はハッとし、ガチャ結果の画面を見る。
「これ、夢じゃ……ないよね…?」
「試してみますか?」
そう言って僕は先生の頬を軽く引っ張った。
「いたたたたっ!」
「ふふっ、ここは夢じゃないですよ。」
「よかったぁ……ユウの引きが強すぎて夢かと思っちゃったよ。」
「えっと、これはいい方なんですか?」
「めっっちゃいい方!このゲームのガチャシステムは厳しいのに3枚抜きだなんて!」
先生はとても嬉しそうにそう言った。
「まぁ、先生が嬉しいならそれで良いんですが……課金はしませんよね?」
「しないしない!もうこれで十分だよ!」
「なら良かったです。」
その後、先生やゲーム開発部の皆さんがこぞって僕にガチャを引かせようとしてくるようになった。
「ユウ!この特攻キャラ引いて欲しいんだけど!」
「ユウくん、良かったらこのキャラ引いて欲しくて……」
「アリス、このキャラが欲しいです!ユウが引いてくれるとモモイが言ってました!」
「ユウ〜、ガチャ引いてっ!お願い!」
皆さんのガチャを引いて、ことごとく当たりを引けるので自分の運が少し怖かった。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
ガチャは恐ろしい文化ですよ。全く。