銃社会を、吸血鬼は生きる   作:MIKAZUKIN2525

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アビドスを駆け抜ける。よろしくお願いします。



ユウの本気

 

今日はシャーレではなく風紀委員会で仕事だ。

 

「...よし。終わりっと。......ん?なんだか外が騒がしいな...」

 

 

少し早足で外に出る。

 

そこにはヒナさんとイオリさんと先生の3人がいた。

 

......先生が土下座してる...?...2人の顔は赤いけど......

 

「あの、何やってるんですか...?」

 

そう言いながら、覗き込むように先生のことを見るが......

 

先生は、イオリさんの足を舐めていた。

 

「!?!?先生!ほんとに何やってるんですか!?」

 

「あっ、ユウ!助けてくれ!」

 

「......イオリさんが原因な気もしますが。先生、その辺にしてください。」

 

僕の言葉に先生はイオリさんの足から口を離した。

 

「...イオリ、これでいいかな?」

 

「本当にやる奴がどこにいるんだ!」

 

イオリさんの反応を見るに、先生に足を舐めろとでも煽ったのだろう。

 

「...先生、私たちにお願いがあるのでしょう?」

 

ヒナさんが少し呆れながらそう言った。

 

「実は......」

 

先生はアビドスの事について話し始めた。

 

アビドスの借金。土地の問題。そして...

 

ホシノさんについて。

 

 

「............っ。」

 

先生が話を進めるにつれ、僕の中で怒りがどんどんと湧き上がってきた。自分でも不思議なくらいに。

 

「というわけなんだ。......どうか、力を貸してくれないかな。」

 

「分かった。2人も、いいよね。」

 

「...もちろんです。」

「はい...」

 

「アコとチナツにも手伝ってもらう。」

 

「ありがとう...!ヒナ!」

 

「大丈夫よ、先生。この前の罪滅ぼしでもあるから。」

 

 

そうして、僕はこの怒りを一旦しまい、準備を始めた。

 

 

 

 

 

 

アビドス砂漠に着いた僕たち。カイザーとの決戦は、もう始まっているようだった。

 

「私たちはこのまま北側から攻める。行くよ、皆。」

 

「「「『はい!』」」」

 

「......お姉ちゃん。本気で戦ってもいいですか...?」

 

僕が言う本気というのは、血を惜しみなく使って戦うということを意味する。

 

前にその戦い方をして、ヒナさんからやめてと言われてからはしなくなっていたが、ただ、今はこの怒りをぶつけたかった。

 

「...分かった。ただ、血は十分に吸って行って。」

 

そう言って首元を開けたヒナさんに噛みつき、血を吸う。

 

「...行けます。」

 

「じゃあ改めて、殲滅開始。」

 

ヒナさんの掛け声と共に駆け出す。

 

手に持つは血で作った双剣。

 

そして、兵士の首をはね飛ばしていく。

 

「速っ!?」

 

ザシュッ!

 

「クソッ!なんなんだよアイツは!」

 

ザシュッ!

 

「一旦引け!引いて体制をっ」

 

ザシュッ!

 

出てくる兵士を、ただ切って行った。

 

 

 

「......ふぅ...ほとんどやりましたかね。」

 

「ええ、そうね。」

 

「...ユウ、あんなに強いのか...」

 

「いつもは力をセーブしてたんですね...」

 

かなりの数いたカイザーの兵士たちも、もうガラクタの山になっていた。

 

「......ユウ、ここはもう大丈夫だから、先生の方に行ってあげて。」

 

「はい。行ってきます。」

 

 

足に血を送る。

 

最速で先生たちの元へ向かった。

 

 

...

 

ホシノの元へ向かう対策委員会の目の前には、巨大な兵器が立ち塞がっていた。

 

「あれは...ゴリアテ!?」

 

「ん、面倒。」

 

「みんな...あいつを倒して、ホシノを助けに行くよ!!」

 

「言われなくても...!!」

 

ヒュンッ!

 

その時、風を切る音が皆の耳に聞こえる。

 

直後、ゴリアテの片腕が吹き飛ぶ。

 

「...こいつは僕に任せてください。」

 

「ん!ユウ先輩!」

 

「ユウ!?」

 

「ユウさん...!」

 

「強力な助っ人ですね...!」

 

 

...

 

 

「ユウ!ヒナたちは大丈夫なの?」

 

「向こうは殲滅しました。ですのでこちらに。」

 

『貴様は...!』

 

「貴方がカイザーPMCの理事...ですね...?」

 

ゴリアテを操縦しているであろう理事を睨みつける。

 

『くっ、邪魔をするなっ!』

 

残った片腕で殴りかかってくる。

 

ザシュッ!

 

「皆さん、行ってください。」

 

「...分かった!ユウ、任せたわよ!」

 

先生たちはホシノさんの元へ向かった。

 

さて...

 

視線をゴリアテに向けると、両腕が無くなりながらもかろうじて立っていた。

 

『クソッ!貴様がいなければっ!』

 

「僕が居なくても、結局はこうなってましたよ。」

 

『なんだとっ!』

 

「子供を利用する大人なんて、ろくな結末は迎えられません。」

 

 

この言葉を言った時、何故か胸がズキリと傷んだ。

 

 

『弱者は利用される存在だ!何も出来ない子供を利用して何が悪い!』

 

「...もういいです。」

 

ゴリアテの操縦席から理事を引っ張り出す。

 

「っ!何をする気だ!」

 

地面に這いつくばっている理事を見下ろす。

 

「やめろ!何だその目は!」

 

グシャッ。

 

「最後まで、うるさい人でしたね。」

 

理事の頭を踏み潰す。

 

こういう奴らはバックアップがあったりするけど......

 

 

残った兵士を片付け、息を整えていると、先生達が戻ってきた。

 

ホシノさんを連れて。

 

「先生。無事でよかっ...た...」

 

ドサッ。

 

急に体から力が抜け、倒れてしまう。......血の使いすぎだろう。

 

「ユウ!」

 

薄れ行く意識の中で、先生とアビドスの皆さんが駆け寄って来るのを見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『......貴方がそれを言うんですね。』

 

『子供を利用した、貴方が。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!」

 

「わっ!びっくりした...」

 

飛び起きる。

 

何だろう、今の声は。

 

夢......じゃない気がする。

 

「ユウ...?」

 

「あっ。...ごめんなさい。ボーッとしてました。」

 

傍には先生がいた。僕はベッドの上で、多分ここはアビドスの保健室か何かだろう。

 

「ユウ、体調は大丈夫?」

 

「...大丈夫............ではないですね。」

 

起きてから血の渇きを感じていた。

 

...久しぶりに、これを聞いたな。

 

「もしかして...血?」

 

「えっと...はい。」

 

すると先生はネクタイを緩め、ボタンを外し始めた。

 

「わー!ちょっと先生!」

 

先生の行動を手で制止する

 

「えっ、なになに。」

 

「何やってるんですか!」

 

「何って...血を吸うんじゃないの?」

 

「......だとしても、もう少し恥じらいと言いますか...」

 

「何言ってるの...私の体なんて誰も興味ないって。」

 

「え?」

 

「ん?」

 

いや、何を言っているんだ、この先生は。自分の体を見たことがないのか?

 

「いいから、ほら。」

 

先生は服をグイッと引っ張り、首元を露出させる。

 

少しドキッとしながらも、先生に噛み付いた。

 

ちゅう...ちゅう...

 

「んっ。吸われるのって...こんな感じなんだ......」

 

「ぷはっ。......ご馳走様です。」

 

「ふふっ。いつでも吸いたいって言ってくれていいんだよ?」

 

「別にそこまでは.........ん...?」

 

「ユウ?どうしたの?」

 

視線を感じ、その方向を向くと......

 

対策委員会の皆さんがこっそり覗いていた。

 

「...いつから見てました...?」

 

「ん〜、最初から?」

 

「っ〜!!!」

 

恥ずかしすぎて死にそうだった。

 

血を吸ってるところはあんまり他の人に見せたくなかったのに...

 

「...5人とも、軽くお説教かな...?」

 

先生もさすがに恥ずかしかったのか、顔が赤くなっていた。

 

 

その後、対策委員会の皆さんは仲良く先生から説教を受けていた。

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます。

ユウが血を惜しみなく使って戦うと、キヴォトスの戦闘力ではトップクラスになります。ヒナや他学園のトップとやり合える位。

あ、1章はもうちょっと続きます。
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