今日めっちゃ短い。よろしくお願いします。
ある日のシャーレ
「ごめん……パパ。」
「謝らなくていいよ。今は休むことだけ考えて。」
今日、ヒガンが体調を崩してしまった。そのためヒガンは休み、僕も臨時の休みをもらって看病をすることに。
「うん……。」
とりあえず最低限のことはしたし、薬も飲ませた。
「心配しないで。僕はずっとそばにいるからね。」
ヒガンの声がなんとなく寂しそうだった。やっぱり、体調が悪いときって不安になっちゃうものだよね。
「……なんだか懐かしい。」
「懐かしい?」
「パパは覚えてないかもだけど……昔もこうやって、看病してもらったことがあったなぁって。」
「僕は、ちゃんとできてる?」
ヒガンから昔の事を聞くたびに思うのだ。僕は、昔のようにできているかって。
「うん。それに私は、パパがいてくれるだけでいいの。」
「……そっか。」
ヒガンはちゃんと、”今”を見てるんだ。……記憶が無いってのに過去ばっか見て、何やってるんだろうな。僕は。
そうして話していると、ヒガンはだんだんと眠そうになっていく。
「ん……ちょっと寝るね……」
「おやすみ。ゆっくり休んで。」
「……手、握ってくれる?」
ヒガンは甘い声でそうお願いして手を差し出してくる。勿論、断るなんてことはしない。差し出された手を取って握る。
「寝るまでこうしてほしい、な。」
「勿論。」
僕の返事にヒガンは安心した顔を見せ、ゆっくりと目を閉じていった。
そして数分もしないうちに安らかな寝息を立て始める。
「(ふふっ、可愛いなぁ。)」
これは親が子に抱く感情として正常なものと思いたい。
その時、部屋のドアが開く音がした。
「ああ、ヒガンはもう寝たのね。」
「先生。」
先生が様子を見に来たらしい。手にはスポーツドリンクやゼリーが入っているであろうビニール袋があった。
「これ、起きてからで良いからヒガンにあげて。」
「わざわざありがとうございます。」
「……ユウって、ほんとの父親みたいだね。」
ビニールを手渡された時、先生がそう言った。
「一応、昔は父親だったそうですから。」
「いや、それもあるんだけど……今のユウの感じが、なんというか……その、私の旦那に似てたんだよね。」
「! 先生、旦那さんがいるんですね。」
初耳の情報で驚いたが、先生の顔は暗かった。
「……今はもういないんだけどね。だから、なんだか懐かしくて。」
懐かしい……か。こっちに来てから妙な縁というものが多すぎて、何かあるのではないかと疑ってしまう。
「それ、さっきヒガンにも言われました。今は、ただの子どもなんですけどね。」
「その謙虚なところも、似てる。」
「……褒め言葉として受け取ります。」
「うん、褒めてるからね。」
やっぱり、先生の表情がなんだか気になるな。でも、聞かないでほしいという雰囲気も感じる。
「(いつか……聞けるといいな。)」
「じゃあ、私は仕事に戻るね。」
先生は部屋を出て行った。
それからというものの、特別変わったこともなくヒガンの体調は回復していった。
「ご迷惑をおかけしましたっ!」
「いいのいいの。別に迷惑だなんて微塵も思ってないよ。」
「そうですね。むしろ、甘えるヒガンが見れて嬉しかったです。」
「うっ、うう……今思うと恥ずかしくなってきた……」
別に、体調を崩すのは悪いことでもなんでも無い。予防してもなるもんはなるからね。
「普段からもっと甘えてもいいんだよ?僕の娘っていうんだったら、そうしてほしいな。」
「い、いやっ!甘えるのは昔いっぱいしたから、もういいっていうか……」
「とか言って〜。ほんとはユウにもっと甘えたいんでしょ〜?いつもの様子見てれば分かるよ。」
「かっ、からかわないでくださいっ!!……たしかに、パパには甘えたいけど……迷惑だし……」
その言葉を聞いて、僕はヒガンの頭を撫でる。
「子どもが甘えてきて、迷惑だって思う親がどこにいるのさ。」
「でもぉ……」
「まぁ、無理にとは言わないけどね。たまには、ああやって甘えてほしいな。」
「うう……はいぃ……」
この出来事から、ヒガンはちゃんと僕に甘えてくれるようになった。……あの甘い声、世に出回ったら全員イチコロだと思うんだよなぁ。気をつけねば。
ここまで読んで読んでいただきありがとうございます。
途中変な匂わせみたいなのがありましたが、回収のつもりは全くありません。日記シリーズが本編と絡むのはほとんどないです。関係性などはこっちで描写するかもしれませんが……。ご了承くださいね。
まだまだリクエスト待ってます!!