ユウは一体何をしようとしているのでしょうか。よろしくお願いします。
先生たちはG.Bibleを探しに、僕はセミナーへと向かっていた。
「結構広いんだな、ミレニアムって。」
歩きながら、改めてミレニアムという学園の広さに驚いていた。
「でも、こんな丁寧なマップも配布されているなら、迷うことは無さそうかな。」
手元のスマホには、ミレニアムのマップが映し出されていた。公式ホームページに載っているなんて、とっても親切だ。
だが、歩きスマホの形になってはいた。
…それが仇となる。
ゴツン
「いてっ。」
前をあまり見ずに歩いていたため、人とぶつかってしまったのだ。
「すっ、すみません…って。ノアさん!?」
僕は身長が低いため、その人を見上げる。なんと、その人はノアさんだったのだ。
「あら…?ユウ君でしたか。」
「ほんとにすみません……歩きスマホなんてするもんじゃないですね…」
「ふふ、そうですね。私だったので大丈夫でしたが、もし悪い人なんかだったら、誘拐されちゃうかもしれませんよ?」
うっ…歩きスマホのせいじゃないにしろ、実際に誘拐されかけたことがあるので本当にやめようと思った。
「はい…気をつけます…」
「それで、ユウ君はどうしてミレニアムに?」
「先生の付き添いで。途中ユウカさんにも会ったんですが…」
「そうでしたか。」
「それで、セミナーに行こうと歩いてたとこです。」
確かノアさんもセミナーの方だったよなと思いながら言う。
「なるほど、では、一緒に行きましょうか。」
「ほんとですか!ぜひ!」
僕の元気な返事にノアさんは笑みを浮かべ、歩き始めた。
「迷子になってしまっては困りますから、手をつなぎましょうか。」
「えぇっ!?いや…流石にそこまでは…」
「確証はありませんよね?ほら、つなぎましょう♪」
「はい…」
そうして僕はノアさんと手をつなぎながらセミナーへと向かうのであった。
■
「さぁ、つきましたよ。」
ノアさんと一緒に歩くこと、数分。セミナーの部屋の前へと到着した。
「この時間だと、中にはユウカちゃんがいるはずです。」
そして、ガチャリと扉を開ける。
「ん〜っ」
ちょうど伸びをしていたユウカさんと目が合う。
「ユウ君!?って、ノアと手をつないでる!?」
いつも通り元気だ。良かった。
「さっきぶりですね、ユウカさん。」
「ただいま戻りました。ユウカちゃん。」
僕達二人はユウカさんに挨拶をする。
「ノアはいいとして…ユウはどうして?」
「えっと、一応改めて挨拶に来たって感じで…」
「そう?でも、ユウのことは知ってるし、わざわざ来なくても…」
「そうですね。ユウ君とは一度会ったことがありますし。」
以前の当番で会ったことがあるので面識はある。だからほんとに一応である。
「えっと、先生のミレニアムでの仕事が終わるまでの間、僕のことは風紀委員会としてではなくシャーレ所属のユウとして扱ってもらいたくて。」
そう、これはちょっとした外交問題だ。もしゲヘナの風紀委員会がミレニアムで騒動を起こしたともなれば、アビドスのときの二の舞いになってしまう。
「分かったわ。…でもまぁ、ユウ君のことを風紀委員会だって知ってる人はあんまりいないとは思うけれど…」
「分かりました。では、よろしくお願いしますね、シャーレのユウ君。」
さすがはセミナーの二人だ。話をすぐに分かってくれる。
「ありがとうございます。」
要件は済んだので去ろうとするが、ノアさんに止められた。
「せっかくなので、少しお話しませんか?」
「そうね、今日の仕事は殆ど終わってるし…」
そういえば、この二人と落ち着いて話したことはなかったな。
「はい。ぜひ。」
そうして、僕達三人は雑談のようなものを始めた。
最初はユウカさんの質問から始まった。
「ユウ君は、風紀委員会なのよね?どんなことをしてるの?」
「えっと、主な仕事は、書類仕事と不良の鎮圧ですね。」
「ユウ君はまだ子供なのに、そんなに頑張っているんですね。」
「まぁ、はい。…これはお姉ちゃんへの恩返しみたいなものですから…」
僕のお姉ちゃんという言葉にユウカさんがピクリと反応した。
「……お姉ちゃん…というと、風紀委員長のことかしら?」
「はい、よく知ってましたね。…あと、委員長補佐もやってます。」
「委員長補佐…ですか。そうすると、ユウ君はかなり強いのですか?」
「お姉ちゃんには及びませんが…一応、ゲヘナのTOP2とは言われています。」
「TOP2!?シャーレ奪還作戦のときに一緒に戦ったけれど……今考えてみると、あのときの動きも相当良かったわね…」
ユウカさんが納得。といった感じに頷く。
「それでしたら、C&Cの皆さんとも張り合えそうですね。」
「C&C?」
ノアさんの言った”C&C”という言葉に首をかしげる。
「C&Cっていうのは、ミレニアムの最高戦力で……まぁ、風紀委員会と同じような感じね。でも、風紀委員会よりは戦闘に特化してるって感じ。」
ユウカさんが答える。
「なるほど……ぜひ手合わせしてみたいですね。」
僕は戦闘狂という理由ではないが、自分の力を試したいという気持ちはある。
「まぁ、もう少し抑えてほしいって思うときもあるけど…」
ユウカさんはそう言うと頭を抱えていた。
…うちの美食研究会や温泉開発部と似たようなものなのかな?
話題は変わり、ゲーム開発部のことになっていた。
「そういえば、ユウカちゃん。ゲーム開発部はどうしましたか?」
「あー……一旦見逃すことにしたの。次のミレニアムプライスまでは待つって…」
「あら、ユウカちゃんがそこまで譲るなんて……もしかして、ユウ君もそこにいましたか?」
「はい。いましたよ。というか、先生に来た要請がゲーム開発部からだったので…」
「はぁ、ユウ君には恥ずかしいところを見せちゃったわ……」
ユウカさんが落胆した様子を見せる。
……励ますついでに、試してみるか…
「さっきも言いましたけど、かっこよかったですよ。ユウカお姉ちゃん。」
「!?!?」
そう、ユウカさんのことをお姉ちゃんと呼ぶ。……こうすれば元気もでるだろう。
「あら。ユウカちゃんだけずるいです。ユウ君、私のこともお姉ちゃん。と呼んでくれませんか?」
「いいですよ。ノアお姉ちゃん。」
「…………ありがとうございます。」
ノアさんのこともそう呼ぶ。少しのフリーズを挟んでいたが、大丈夫だろうか。
「ユウ君……やっと私のことをお姉ちゃんと認めてくれたのね…!」
「いえ…そういうわけでは……」
僕のお姉ちゃんはヒナさんだけだ。こうやって呼んでいる”お姉ちゃん”というのは家族という意味ではなく年上の女性という意味で言っている。
「くっ……まだまだ親密度が足りないってわけね…」
ちょっとゲームっぽく言うユウカさん。
「私は、ユウ君のことは弟みたいに思ってますからね♪」
いたずらっぽく言うノアさん。
「それは光栄ですね。」
そんなこんなで話しているとだいぶ時間が経っていることに気付いた。
「あ、そろそろ戻りますね。」
「そう。もうちょっとお話したかったけど……またね。」
「セミナーにはいつでも遊びに来ていいですからね。ユウ君。」
「はい。また。」
そうしてセミナーをあとにした。
そしてゲーム開発部に戻ると…知らない人がいた。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
あまり長くならないように気をつけます。