9月になりましたね。よろしくお願いします。
今日はゲーム開発部に呼ばれてミレニアムの部室へと向かっている。
「一体今日はどんな用事でしょうか……またこの前みたいにアイデア出しとかですかね……」
もう何度か呼ばれているのでこのミレニアムの廊下も見慣れたものだ。
そして――
「あ!ずるいっ!」
「ずるくないよ。これも戦術〜」
「ヒガンちゃん、相変わらずひどいね……」
この元気な声にも。
だけど、その声を聞くと、自然と笑みがこぼれてしまうものだ。
そのまま、部室の扉を開け、中に入る。
「今日も声、廊下まで響いてましたよ。」
「あっ、ユウさん……いつもすみません……」
ユズさんがいの一番に声を掛けてくれる。
「いえいえ。入る前から元気なのが分かるので大丈夫ですよ。」
僕は部室の中を見渡す。ユズさん以外の部員とヒガンはモニターの前でゲームを楽しんでいて、後ろのソファには、ルナが座っていた。
「…あれ、ルナも来てたんだね。」
「! お父様。……ヒガンに連れられて……断るわけにも行かなくて、来たんですけど……」
だけど、ルナは少し気まずそうで……
「あ〜……ゲーム、したことないんだっけ。」
「……はい。そのことは、ヒガンにも伝えたのですけど……”いい経験に”って……」
そう、ルナはゲームをしたことがない。まあ、僕も前まではやったことが無かったから一緒だけど。
「そっかぁ。じゃあ、僕が教えるから一緒にやってみようか。」
「!」
「あ!ユウ!来てくれたんだ!」
ゲームの対戦が終わったのか、モモイさんが声をかけてきた。
「終わりましたか。それで、今日はどんな用事で?」
「ふっふっふ……今日はね――これ!」
そう言ってモモイさんは一つのゲームソフトを取り出した。
「”大乱闘ブレイクシスターズSP”……?」
「うん。最近出た格闘ゲームなんだけどね、お手軽に多人数プレイができるようになったの!で、せっかくなら皆でやりたいな〜って思って!」
「なるほど……まぁ、構いませんが……」
「やった!セッティングは済んでるから、早くやろ!」
そう言って足早にクッションの上に座り、コントローラーを取り出した。
「はいはい……。ほら、ルナもやろう。」
「えっ!?」
僕はルナの手を引いて、ソファに一緒に座る。
「大丈夫。最初は僕と一緒に操作して慣れていこう。」
ルナの分のコントローラーを取り、一緒に握った。
「っ……はい……」
「よーっし、皆準備OK?始めるよ〜!」
モモイさんの元気な合図で、プレイが始まった。
僕たちが選んだのはユズさんおすすめの初心者用キャラの”サリコ”。
皆それぞれ好きなキャラを選び、試合が始まる。
「攻撃はBとYで……」
「は、はい……!」
ルナはゲーム自体初めてのため、コントローラーの握り方も少し怪しい。けど、なんとかキャラを動かすことはできているようだ。
「ふふっ、お姉ちゃん!手加減はしないからねっ!」
ヒガンの操作キャラが僕たちのキャラに近づく。このゲームはタイトルにある通り、”大乱闘”である。6人での乱闘。僕たちがゆっくり操作を練習する隙なんてものは無く……
「ちょっと、ヒガンっ!」
「あ……これはひどい……」
ルナが声をあげた頃には、ヒガンのコンボがすべて決まり、ルナの操作キャラは吹き飛ばされ、敗北した。
「……」
「る、ルナ……これはしょうがない、しょうがないから。ね?」
「……そうですね。油断した私が悪かったです。」
敗北してしまったので僕たちは観戦になった。
ただ、ルナの視線はプレイ画面ではなく、皆の手元だった。
「ちょっ、強すぎ!」
「モモイの動きは読みやすいからね〜」
「あー!ユズが強すぎます!」
「……」
その中でも特に上手なヒガンとユズさんの手元を良く見ていた。
一戦目はヒガンとユズさんの一騎打ちとなり、ユズさんがその勝負に勝った。
「あー負けた!やっぱユズは強いなぁ……!」
「ひ、ヒガンちゃんも十分強いよ……」
「じゃあ、2試合目だね!」
「……ふぅ。」
ルナのコントローラーの握り方が少し変わった。なんなら目つきも。
「1人でやってみる?」
「はい。次は、もう負けません。」
そうして、2試合目が始まった。
「まずはお姉ちゃんを……」
「……」
スタートという表記がまだ消えていないのにも関わらず、ルナの操作キャラはヒガンのキャラの目の前にいた。
「はやっ!?」
[やっ!ほっ!ふぅっ!]
「うそぉっ!?」
先ほどとは逆で、ルナのコンボが決まり、ヒガンが脱落した。
「えっ、ヒガンもうやられちゃったの!?……って!」
[はぁっ!うりゃりゃりゃりゃりゃりゃっ!!]
「えーっ!!?」
そして、流れるようにモモイさんも脱落させた。
「……よし、残りは……」
盤面に残っているのは、ユズさんだった。ルナがヒガンとモモイさんを脱落させている間に同じくミドリさんとアリスさんを脱落させていたようだ。
「ユズさんですか……」
「ルナさん……」
強者同士の戦いというべきだろう。そんな空気が流れていた。
ユズさんのキャラクターは”バービィ”。多彩な攻撃方法があるキャラだ。
「っ!」
[やっ!ほぅ!]
[いやぁっ!たあっ!]
お互いに一歩も譲らない攻防。片方が初心者だとは思えない、ハイレベルなもの。
「あっ……」
「……ここ。」
「……っ!!」
そして、2人の攻撃が同時に当たる。
[わあぁぁぁああ]
[いやあぁぁぁぁあああ]
「……これは。」
[ドロー!!]
「くっ……引き分けですか……。流石ですね、ユズさん。」
「い、いや……ルナさんこそ、これが2戦目なんですよね……?まるで上級者みたいでした……」
「……ありがとうございます。」
2人はお互いを称えていた。
「もう1回!次は負けないから!」
「そうそう!さっきは油断しちゃっただけだから!」
モモイさんとヒガンが割り込んでそう言った。
「なら、次は僕もやろうかな。」
「おっけー。」
次の試合からは僕も参加し、そのまま数時間はゲームを楽しんだ。
「(この雰囲気、最高かも。)」
ここまで読んで読んでいただきありがとうございます。
ゲーム名などのパロディ難しいかも。