銃社会を、吸血鬼は生きる   作:MIKAZUKIN2525

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どんどん進んでいきます。よろしくお願いします。



赤髪を追って

 

 

赤髪の不審者の調査を始めて何日か経ったある日の夕方。

 

 

執務室で仕事をしていると、後輩の部隊から連絡が入った。

 

『ユウ先輩!赤髪の目撃情報が出ました!』

 

「!、本当ですか!?」

 

『はい、トリニティのすぐ近くの高架橋です。』

 

「分かりました。すぐに向かいます。」

 

 

通信を切ると、すぐさま準備をして外へ駆け出した。

 

 

 

 

 

 

少し駆け足で現場へと向かい、ほんの数分で到着した。

 

 

「状況は?」

 

「あ、ユウ先輩。現在は範囲を広げながら検問を行っています。」

 

「了解です。一番大きな道であるここは僕が見るので君たちは他のところの支援に向かってください。」

 

「は、はい!」

 

僕の言葉に風紀委員会の後輩たちはそれぞれ他の場所へと向かっていく。

 

僕一人で事足りる。というのもあるが、赤髪の不審者が僕と関係があるというのなら、できれば僕が捕まえたい。

 

 

誰も通らないまま数分が経ったとき、5人の人影が見えた。

 

「止まってください…って、先生!?」

 

「えっ、ユウ!?」

 

なんと、5人のうちの一人は先生だった。残りの4人はトリニティの方だろう。

 

だとしても、なぜゲヘナに…?

 

「私たちは試験を受けに来たんです。」

 

ピンク髪で大きな胸の生徒がそう言うが、なおさら理由がわからなくなってくる。

 

「試験…?トリニティの方が、なぜゲヘナで試験を…」

 

「あはは…でも、本当なんです!」

 

明るいベージュ色の髪と奇妙なカバンを背負った生徒がそう言う。

 

……どこかで見たことがあるような…

 

「ユウ、この子たちが言っていることは本当だから……通してほしいな…?」

 

「はぁ、…分かりました。」

 

断る理由もほとんどないためこの5人を通すことにした。

 

「ただし、僕も同行します。問題を起こされても困りますしね。」

 

持ち場を離れることになるので、申し訳ないと思いながらさっき他に送った後輩を呼び戻して、先生たちについて行く。

 

 

すると、後ろから車の音がした。

 

振り返って見てみると、それは給食部の車だったが……おそらく乗っているのは…

 

「先生、足ができそうです。」

 

「え?」

 

僕はメガホンを取り出し、声を出す。

 

「美食研究会!!止まって車から降りてください!!」

 

あの車に乗っているのはおそらく美食研究会だろう。今日は大きな騒動があったためそれに乗じて抜け出して来たのだろう。しかもフウカさんまで巻き込んで……

 

美食研究会が乗った車は急ブレーキをかけながら僕たちの前で止まる。

 

「……ユウさんですか。……はぁ、私たちも運がないですね。」

 

車から顔を出しながら美食研究会の一人、ハルナさんはそう言った。

運がないのはフウカさんの方じゃない…?

 

「まあまあ、今はお願いがあって。……もしそれを聞いてくれたら、この脱走の件は見なかったことにします。」

 

「…いいでしょう、お願いというのは?」

 

「僕と先生、そしてこの4人を目的地まで送ってもらえませんか?」

 

「そんなことでいいのなら、快く受けましょう★」

 

もう一人の部員のアカリさんは調子良くお願いを聞き入れてくれた。

 

「ということですので皆さん、この車で向かいましょうか。」

 

トリニティの皆さんは少し困惑した顔をしながらも車に乗り込んだ。

 

 

 

車が出発して約1時間後……

 

 

車に乗っている間、先生からトリニティでの出来事を聞いていた。

 

どうやらこの4人は補習授業部という部活の生徒らしく、成績の向上を目的に設立され、加入させられたらしい。

 

三回の試験で4人揃って合格できなければ退学になるというなんともな部活だ。

 

一次試験は不合格で、次は二次試験。というときに、妨害が入ってしまったらしい。……噂には聞いていたが、トリニティはやはり恐ろしい場所だな。と僕は再認識するのだった。

 

 

そうして車に揺られて景色を眺めていると、あるものが目に入った。

 

 

異様なまでに赤い髪の少女。

 

 

「っ!?」

 

それをはっきりと認識した瞬間、僕は車から飛び出していた。

 

「ユウ!?」

 

「ハルナさんっ!ちゃんと無事に届けてくださいよ!」

 

「もちろんです。ユウさんに何があったのかはわかりませんが、そちらもお気をつけて。」

 

 

 

なんとか視界に収めながら追跡をしていく。

 

「(絶対に見失わない…!何としてでも!)」

 

その少女は路地裏へと曲がる。少し遅れて僕もそこを曲がると……

 

 

「やっと会えたね…パパ。」

 

 

赤髪の少女はこちらを向いており、あの夢と同じく僕のことをパパと呼んだ。

 

「……あなたはどうして僕のことをパパと呼ぶんですか?」

 

僕の質問に少女は驚いた顔をした。

 

「っ……それでも、パパはパパだから。」

 

「……ごめんなさい、僕は記憶がなくて……でも、僕もあなたとは前に会ったことがある気がします。」

 

「それは…多分、血が覚えてるんだと思う。」

 

「え?」

 

血は覚えてる…?どういうことだろう。

 

「…もう時間だから、行くね。」

 

少女はそう言うと霧になって消えてしまった。

 

……あの子も吸血鬼なのか?

 

僕が血を使うときと同じような雰囲気をその霧から感じたためである。

 

「…パパ…ということは……僕の、子ども……?」

 

僕はしばらくその場で考え込んでいた。

 

 

 

数分後、これ以上考えても無駄だと思い、先生たちと改めて合流しようと歩き始める。

 

 

目的地は聞いているため、建物の上を通りながら最短距離で進んでいく。

 

すると……

 

 

ドカアアアァァァン!!

 

 

目的地があるであろう場所から大きな爆発が起こっていた。

 

「まさか……温泉開発部!?」

 

その爆発音には聞き覚えがあり、確実に温泉開発部のものだった。

 

 

速度をもっと上げ、すぐさま爆心地に降り立つ。

 

「先生っ、皆さん!無事ですか!?」

 

煙の中で5人の姿が見えた。怪我はないようだが……

 

「試験用紙が……」

 

紙の方は爆発に耐えられなかったらしく、燃え尽きていた。

 

「これじゃ…不合格…だね。」

 

「そんなっ……」

 

補習授業部の方たちからは絶望の声しか聞こえて来ない。

 

「……とりあえず、この場所を離れましょう。また爆発が起こるかもしれませんから。」

 

「そうだね……」

 

 

……この部活は、本当に成績不振の生徒の成績を向上させるための部活なのだろうか。そもそも、合格できなければ退学というのもかなりおかしい。これは……先生に聞く必要がありそうですね。

 

 

補習授業部では合宿を行っているらしく、皆はそこに帰るとのことで僕は高架橋で別れることになった。

 

「先生、合宿所の場所を教えてくれませんか?」

 

「いいけど……どうして?」

 

「”シャーレ所属”のユウとして先生の仕事を手伝いに行くだけですよ。」

 

 

エデン条約が近い今、僕がシャーレとして動くのはあまりいいことではないのだが、どうしても補習授業部の存在が気になってしまった。それに、あの少女はアリウスの人…つまりトリニティに行けばまた新たな情報が手に入るのではないかと思ったからだ。

 

 

 

「多少は変装でもしますか……」

 

 




ここまで読んで読んでいただきありがとうございます。

正直ユウを補習授業部と絡ませるつもりはあまりなかったのですが、なんとなくそっちのほうがいいと思ったのでこうします。

最後に、毎日投稿を続けているのですが、7月末に旅行の予定ができたので3日ほど更新が無くなる可能性があります。ですが、できるだけ投稿できるように頑張ってみます。
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