銃社会を、吸血鬼は生きる   作:MIKAZUKIN2525

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ユウは勉強かなりできるほう。よろしくお願いします



ユウと補習授業部

 

 

「よしっ、こんなもんかな。」

 

シャーレの部員としてトリニティに向かうことに決めた僕は、変装をしていた。

 

服はシャーレの制服で、髪の毛は少し女性らしくセットをしてみた。あとはカラコンをつけることで元の青っぽい瞳から赤色に変える。

 

 

準備が終わったため先生たちが合宿を行っている場所へと向かった。

 

 

「おはようございま〜す……」

 

恐る恐る合宿所の教室に入る。すると……

 

「だっ、誰よあんた!」

 

目が合うなり、小柄なピンク髪の生徒が勢いよくそういった。

 

「…ユウ?」

 

「あ、はい。」

 

先生は僕が変装をしているためパッと見では分からなかったっぽい。

 

「ユウ……というと、昨日会ったゲヘナの方ですか?」

 

「今はシャーレのユウですけどね。」

 

トリニティにいる間は身分は絶対に隠し続けないとまずいため、僕がシャーレの人間であることを強調しながら話す。

 

「それで……先生、この部活の現状について、詳しく教えてもらえますか?あ、あと皆さんのことについても教えてもらえると嬉しいです。」

 

「分かったよ。」

 

そうして先生は説明をしてくれた。

 

分かったこととしては3つだ。

 

一つは部員。ベージュ色の髪をした良くも悪くも”普通”なヒフミさん。僕と同じ白髪で、それに似た色の羽を持ったアズサさん。2年生とは思えないほど大きな胸を持ったハナコさん。ピンク髪で少し小柄なコハルさん。この4人が部員全員で、共に勉強をしているとのこと。

 

次に、補習授業部にはほとんど後がないこと。3回の試験で4人揃って合格をすることができなければ退学となってしまう。1回目は普通に不合格で、2回目は昨日の会場爆破のせいで不合格。つまり、後1回しか試験を受けれるチャンスは残っていないのだ。

 

最後に、この部活が設立された本当の理由。

 

トリニティの裏切り者を見つけ出すため。

 

「なんと……」

 

確かにただ成績を向上させるための部活ではないと予想はしていたが、まさかここまでとは。

 

「ううっ…裏切り者とか意味わかんない!どうして私たちが疑われなきゃならないのさ!?」

 

涙目になりながらそう叫ぶコハルさん。

 

「ごめんね、私がナギサにああ言ったから……」

 

「せ、先生のせいじゃないですっ!でも…うぅ…」

 

4人が相当努力してきたことは先生の話からよく分かった。だからこそ、あんな妨害のせいで努力を踏みにじられるというのは当事者ではない僕でも悔しく思う。

 

「……皆さん、まだ、3回目までは時間があります。僕もしっかりと教えますので、頑張りませんか?」

 

僕なりに皆を励まそうとする。

 

今からしっかりと勉強をすれば、急に範囲が変わろうが目標点数が変わろうが問題はなくなるだろう。

 

「…ユウの言うとおりだね。……よしっ!皆、また頑張るよ!」

 

先生も一緒に鼓舞してくれる。

 

なんとかやる気を取り戻していった補習授業部の皆さんは、試験勉強に本気で取り組んで行った。

 

 

 

 

「うーん……」

 

「あ、ヒフミさん、ここはこの公式を使うんですよ。」

 

「…!、解けました!ありがとうございます、ユウ君!」

 

 

 

 

「ユウ、助けてほしい。」

 

「はい、えっと……これは…こうですね。」

 

「なるほど……助かった。」

 

 

 

 

「コハルさん、大丈夫ですか?」

 

「だっ、大丈夫よ!あんたの力なんて借りなくても解けるんだから!」

 

「そうは言っても、一個前の問題、間違えてますよ。」

 

 

 

 

「ハナコさん……は、大丈夫そうですね。」

 

「ふふっ、そう見えますか?」

 

「はい。実際そうですしね。」

 

 

 

 

 

 

 

3回目の試験まであと一日。

 

 

合格点数は90点以上だが、4人全員が模試で安定してそれ以上を取ることができるようになってきていた。

 

「できることは最大限やりました。皆さん、明日の試験、頑張ってください!」

 

「ということですので、今日はもう休みましょうか。」

 

勉強も大事だが、休むということも重要だ。コハルさんやハナコさんはまだ寝ないと言ってはいるが……

 

「では、おやすみなさい。」

 

 

僕と先生は4人とは別の部屋で寝ている。先生と一緒の部屋ではあるが、お互いあんまり気にしてはいない。

 

 

タッタッタッ……

 

 

「(足音…?しかも外に出ていく音だ……)」

 

夜風に当たりにでも行くのだろうか?気になりはしたが、追いかけはしなかった。

 

 

数十分後……

 

 

「こ、こんばんは、先生、ユウ君……まだ起きていらっしゃいましたか。」

 

ヒフミさんが僕たちの部屋を訪ねてきた。

 

そして、それに続くようにハナコさん、コハルさんも入ってくる。

 

だが、アズサさんは来ない。

 

「アズサさんはお休みですか?」

 

「いえ……実は…」

 

ハナコさんの口から語られたのは、アズサさんがここを抜け出して謎の生徒と会っていたこと。そして、明日の試験会場が隔離され、入ることが不可能になってしまうこと。

 

「全く……どうやらナギサさんは本気で、私たちを退学にさせようとしているようですね……」

 

すると、ガチャリと部屋の扉が開いた。

 

「……私のせいだ。」

 

そこに立っていたのはアズサさんだった。

 

アズサさんは複雑な顔をしながら、「話したいことがある。」と話し始めた。

 

「………ティーパーティーのナギサが探している”トリニティの裏切り者”は、私だ。」

 

急な告白に僕を含め全員が何も言えずにいる。

 

「私はもともとアリウス分校の出身。今は書類上の身分を偽って、トリニティに潜入している。」

 

アリウス…!?

 

僕はハスミさんからこの前聞いたため知っていたが、ハナコさん以外の二人はやはり知らないようだった。

 

「アリウス分校……かつてトリニティの連合に反対した、分派の学園です。」

 

わからない二人に向けてハナコさんが補足をしてくれた。

 

その後も、アズサさんは自分の目的について語っていく。

 

「私が受けた任務は……桐藤ナギサのヘイローを破壊すること。」

 

「っ!?」

 

ヘイローを破壊…つまりは殺すということだ。

 

「…何が起こるんですか?」

 

「あぁ、明日の朝、アリウス分校の生徒たちがナギサを狙ってトリニティに潜入する。」

 

「……私は、ナギサを守らなきゃ行けない。」

 

……矛盾している。

 

「ま、待って!おかしくない!?アズサはティーパーティーをやっつけに来たのに守るってどういうこと?話が合わないじゃん!」

 

コハルさんも同じことを思ったようで、困惑しながらそう言った。

 

「それは……」

 

「…アズサちゃん自身は、最初からその目的でトリニティに来た。そういうことですね?」

 

ハナコさんの言葉に、僕はハッと気づく。

 

「……二重スパイ。」

 

「そういうことです。でも、どうしてナギサさんを守ろうとするんですか?それは、誰の命令で?」

 

「……これは誰かに命令されたわけじゃない。私自身の判断だ。」

 

アズサさんはハナコさんの質問に力強く答えた。

 

「桐藤ナギサがいなければ、エデン条約は取り消しになってしまう。あの平和条約がなくなればこの先、キヴォトスの混乱は更に深まるだろう。…その時また、アリウスのような学園が生まれないとは思えない……」

 

「平和のため……ですか。」

 

「……だとしても、この状況は私のせいだから……」

 

「いいと思います。」

 

「え?」

 

僕は一呼吸置いてから話し始める。

 

「たとえ裏切りの形を取っていたとしても、それでも、平和にしたいという考えは素晴らしいもので、僕はとってもいいと思います。」

 

「そうだね。この状況だって、一概に誰のせいとも言えないし。」

 

先生も僕に続いて話す。

 

「皆言いたいことがあるとは思うけれどそれはまた今度。これから起こることが分かるなら、対策を立てないとね。」

 

 

自分を責めても、他人を責めても、状況が変わることはない。

 

 

 

重苦しい空気は少し薄まり、明日の作戦会議になっていた。

 

「まず最優先はナギサさんの確保ですね。」

 

「ああ。アリウスの目的が桐藤ナギサのヘイローの破壊な以上、それをできなくするのが一番いいだろう。」

 

「じゃあそれを行うメンバーは……」

 

「私が行く。」

 

「では、私も。」

 

名乗り出たのはアズサさんとハナコさん。

 

「では、ナギサさんの確保にはアズサちゃんとハナコちゃんが行くということで…」

 

「次に、アリウス生の対処ですね。」

 

「それは、僕が出ましょう。」

 

この中で戦闘力が一番高いのは僕だろう。それに、僕は”本当の裏切り者”がいると考えている。おそらくハナコさんも同じことを考えているだろう。

 

「ナギサの確保をしたら、私も行こう。」

 

「それは……心強いですね。」

 

元アリウス生徒なら、アリウスの生徒のこともよく知っているはずだ。それに、アズサさんは4人の中だと一番戦闘能力が高い。

 

 

それからも起こりうる事への対策を立てながら、作戦会議は終わった。

 

 

 

 

 

 

作戦会議が終わった後

 

「アズサさん、少し聞きたいことがあるんですけど…」

 

「なんだ?」

 

「……アリウスに、赤髪の生徒はいますか?」

 

僕はアズサさんに赤髪の少女について質問をする。元アリウス生であればなにか知っている可能性があるだろう。

 

「ああ。…だけど、厳密に言えば生徒ではない。」

 

「!、名前とかは…」

 

「確か…」

 

”ヒガン”。だったか?」

 

 

その名前を聞いた瞬間、僕は胸が酷く痛んだ。

 

 




ここまで読んで読んでいただきありがとうございます。

だいぶ長くなってしまって反省。
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