改めて能力の表現をする回。よろしくお願いします。
今日はネルさんと訓練をする予定だ。
「おっ、来たな、ユウ。」
指定された場所に行くと、ネルさんがすでに待っていた。
「おはようございます。またせちゃいましたか…?」
「いや、そんなことはねぇよ。あたしが早く来ただけだ。」
ネルさんはなかなかに威圧感のある人なので怒らせたらと思うと怖い。
「それで、だ。この前戦ったとき、あんた奇妙な技を使ってただろ?」
「あ、これのことですか?」
ネルさんの質問に僕は血の剣を作って見せる。
「あぁ、それだそれ。どういう原理なんだ?」
「これは血です。」
「血ぃ!?」
ネルさんは僕が吸血鬼だということを知らないため、かなり驚いていた。
ということで、僕はネルさんに自分の身体について説明した。
「へぇ…吸血鬼、ねぇ。」
「えっと…」
「…かっけぇじゃねぇか。」
「…え?」
ネルさんの口からは予想外の言葉が出てきた。
「いや、吸血鬼ってなんかかっけぇだろ。」
「えっと、ありがとうございます…?」
何気に吸血鬼であることやこの能力をかっこいいと言われたのは初めてかもしれない。
「なぁ、他にどんなことができるか見せてくれねぇか?」
「いいですよ。」
かっこいいと言われ僕も調子づいてしまい、ネルさんに自分ができる技をどんどんと見せていくことに。
まずはシンプルに血の剣を作り振るう。
「ふっ、はっ。」
「あたしも振ってみていいか?」
「あ、はい。」
ネルさんがそういうので素直に手渡す。
ブンブンとネルさんは剣を大きく振り回す。
「この前、もっとデケェの使ってただろ?あれも見してくれよ。」
デケェの、というとこの前のタイマンのときに使った大剣のことだろう。
もともと出していた剣を吸収して仕舞い、改めて大剣を作り出す。それをネルさんに渡すと、思いっきり訓練場の地面に叩きつけた。
ドカアアアァァァン!
「おっ、悪くねぇな。」
「ちょっとネルさん!訓練場が壊れちゃいますよ!」
ネルさんが大剣を叩きつけた場所は大きく凹んでいて、穴が空きかけだった。
「悪い悪い!ついテンションがあがっちまってな。」
ネルさんは大剣を僕に渡し、笑いながらそう言った。
「もうちょっとあるので見せますね。」
「本当か!?もっと見せてくれ!」
目をキラキラと輝かせてテンション高めなネルさん。普段からは考えられないほどだ。
「よし…」
改めて気合を入れ直し、今度は血の弾を発射する準備をする。
シュシュシュッ!
血の弾を作り、空中に浮かせる。
「おおっ!!」
ピュピュピュンッ!!
そして弾を発射する。かなりの速度で飛んでいき、壁に突き刺さる。
「かっけぇぇ!!しかも威力も十分あるじゃねぇか!」
ネルさんはかなり興奮している。
「あとは、こんな事もできますよ。」
そう言って僕は血を固め、羽を形取る。
「それ、飛べんのか?」
「はい、一応。」
あまり使わないが、この羽を使えば飛ぶことも可能だ。
そして…
パパパパパパッ!
羽から直接射撃することも可能だ。
「おお〜っ!」
「ほんとにすげぇな!」
と言っても、血の消耗が激しいのであまり使わないけどね。
自分がメインでできることは見せ終わり、ネルさんが模擬戦をしようと言ってきた。
「いいですよ。」
「よっし!ユウは血を使った攻撃のみな。」
「え!?!?」
僕が驚く暇もなく、ネルさんは踏み込んでくる。
「わっ!」
「おらおらっ!!」
ババババッ!!
ネルさんの二丁のマシンガンが火を吹く。
僕はとっさに血の壁を作って防ぐ。
パパパパパパッ!
そして血の弾を発射しながら距離を取る。
だが、それは無駄だと言わんばかりにガシガシとネルさんは距離を詰めてくる。
「逃げても無駄だぞ!!」
「くっ!!ならっ…!」
僕は足元に血の足場を作り、それを蹴ることで後ろへと向かっていた体を無理やり前に進ませ、ネルさんに接近する。
「おわっ!何だその動き!」
急な接近だったためかネルさんは反応ができず、僕に蹴り飛ばされる。
「よしっ。クリーンヒット!」
いいのが入ったと思ったが、吹き飛ばされたネルさんはまだ立っている。
「やっぱ、あんた強えな!楽しくなってきたぜ!!」
「僕もです!!」
まだまだ元気な僕とネルさんは再び接近戦を始める。
ドカアアアァァァン!!
ババババッ!!
キンッ!キンッ!
「ユウっ!まだまだ行けるよな!?」
「ええっ!」
それから数十分ほど戦い続け、僕たちは気づいていなかったが、訓練場はボロボロになっていた。
「ちょっとちょっとちょっと!!!!」
戦っている僕たちの耳に聞き慣れた声が聞こえる。
「これはどういうこと!?メッチャクチャじゃない!!」
「あれっ、ユウカさん!?」
声の主はユウカさんだった。戦闘音を聞いて来たっぽい。
僕たちは戦闘を一旦止める。
「ん、ユウカじゃねえか。どうした?」
「どうしたもこうしたもないですよ!!何をしたらここまでボロボロになるんですか!?」
ユウカさんは声を張り上げる。
「あ〜、訓練だよ訓練。」
「はい、訓練です。」
「訓練だとしても、これはやりすぎですっ!!」
このあと、僕たちはユウカさんから三十分は説教を受けていた。
ここまで読んで読んでいただきありがとうございます。
戦闘描写の練習も兼ねて書きました。