銃社会を、吸血鬼は生きる   作:MIKAZUKIN2525

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書きたかったシーンがどんどんと来る。よろしくお願いします。



ユウと地獄

 

 

 

「(爆発!?でもこの大きさは………ミサイル!?)」

 

「ゆ、ユウ!大丈夫!?」

 

先生は僕の下でそう言う。

 

爆発音が聞こえた瞬間、先生を押し倒し、血のドームを展開して身を守ったためである。

 

「先生!ユウさん!……けほっ、こほっ……ご無事でしたか!」

 

「はい!ですが、このままこれを解いてしまうと瓦礫に押しつぶされてしまいます!どかしてもらえませんか!?」

 

血のドームの上に瓦礫が乗っているのを感じたため、ヒナタさんに頼む。

 

「分かりました!すぐにどかします…!」

 

 

ガタッ!ゴトッ!

 

 

瓦礫がどかされたのを確認し、ドームを解く。

 

「ふぅ、ありがとうございます。ヒナタさん。」

 

「お怪我は……なさそうですね。あの爆発に巻き込まれてほとんど傷一つないだなんて、本当に奇跡のようです……」

 

「先生!それにユウさんも!ご無事でしたか!」

 

立ち上がると、ハスミさんも近くに来ていた。

 

「せ、先生……!」

 

隣にいるのは……正義実現委員会の委員長のツルギさんだろう。

 

「正義実現委員会のみなさん……!」

 

「皆、すごい怪我…!」

 

先生の言葉を聞いて二人を見ると、確かに服はところどころ破けているし、血も出ていた。

 

「これくらいは大したことはありません。ですが先程の爆発で、正義実現委員のほとんどは戦闘不能になってしまいました。それに、ナギサ様やサクラコさん……それ以外にも多くの方が見当たらなくなって……」

 

「……ゲヘナ側も、ほとんど見当たりませんね。これは一体どういう……」

 

「っ!!」

 

ハスミさんの言葉に、僕はハッとする。ヒナさんは、アコさんは。風紀委員の皆さんは無事なのか?

 

「ユウ…」

 

「待て…敵だ。」

 

ツルギさんは顔を険しくしながらそういった。見つめている先を見ると、アリウス生徒と黒マスクに首に包帯を巻いている生徒がいた。

 

それに……

 

赤髪の少女もいた。

 

「作戦地域に到着、正義実現委員会の残党を発見。……いや、訂正。残党じゃなく、正義実現委員会の真髄だ。」

 

「(チョンチョン)」

 

「なに?……あのちっこいのがヒガンが探してた子なの?分かった。じゃああの子は倒さず捕らえる。でも、ツルギにハスミがいる。兵力を回して。これより交戦に入る。」

 

「アリウス分校…!?それに、赤髪の不審者……!」

 

「どこからこれほどの兵力が……!?どうやって、周辺地域はすべて警戒体勢だったのに……」

 

「ま、まさか……まさか地下から……?」

 

「!……カタコンベ…」

 

先ほど話していたカタコンベ。そこから通ってきたとでも言うのか?

 

「……なるほど。つまりこの状況、あなた達アリウスの仕業だと考えていいでしょうか?」

 

「……許しません。その代償、今ここで……っ!」

 

「ハスミ。」

 

怒りで少し興奮気味になっていたハスミさんをツルギさんが静止する。

 

今は先生の安全が最優先だ。

 

「いいですか…あの赤髪の子は僕が相手します。ですので皆さんは、もう一人の方の対処をお願いします!」

 

 

そして、逃げながらの戦闘が始まった。

 

 

「ヒガン……」

 

「!…思い出してくれたの?」

 

少女の名を呼ぶ。するとヒガンは顔を明るくした。

 

「ちょっとだけですけど……ねっ!!」

 

言い終えると同時に突っ込む。

 

 

ザシュッ!ザシュッ!

 

 

まずは雑魚から。と周りのアリウス生徒たちから倒していく。

 

「やっぱりパパは強いね。」

 

 

パパパパパパッ

 

 

「それはっ!?」

 

ヒガンはなんと、僕と同じように血の弾を飛ばしてきた。

 

「そうですよね…あなたも吸血鬼ということですもんね。」

 

 

キンッ!カカカカカカッ!!

 

 

弾をいなしながら周りのアリウス生徒を倒し終える。

 

「よし……これで一騎打ち…ですね。」

 

その時だった。

 

 

ババババッ!!

 

 

「っ!?一体誰が!?」

 

撃たれた方向を見ると、そこには幽霊のようなシスター服を着た何かが立っていた。

 

まずいと思い先生たちの方に寄る。

 

「先生っ!あいつらは!?」

 

「さっき話してた”ユスティナ聖徒会”だって!…でも、本当にどうして……」

 

周りを見てみると、さっきより数が大幅に増えていた。

 

「…尋常ではない数です。周りに数十……いえ、数百人規模の……」

 

「なんですって…!?」

 

すると、あの黒マスクの少女も追いついてきた。

 

「……追いついた。聖徒会の複製も確認。条約に調印がなされた……それに、人形との取引もうまく行ったみたいだね。アツコ。」

 

通信中か何かか…?にしても、言っていることの殆どが理解できない……

 

「あとは……ヒガンの目的か。」

 

黒マスクの少女はそう言うと、銃口を僕に向けた。

 

「ミサキちゃん。私がやるから。」

 

ヒガンはミサキと呼ばれた黒マスクの少女を手で止めると、代わりに僕の前に立った。

 

「ごめんね……」

 

 

ヒュンッ!!

 

 

「っ!?」

 

 

グサッ!!!

 

 

『ユウ(さん)っ!!』

 

ヒガンの投げた高速の槍は、僕の胸に突き刺さった。

 

「ごふッ……かはっ……」

 

僕は血を吐く。いくら頑丈な体と言っても、心臓に直接ダメージを与えられたら誰だってこうなる。

 

でも……

 

「(血の槍だから……吸収できる…!)」

 

 

シュルシュルシュル……

 

 

「ふぅ……はぁ……よし…」

 

吸収したタイミングで頭に謎の言葉が浮かんだが、一旦無視する。

 

「ユウさん!?大丈夫なんですか!?」

 

「僕は大丈夫ですから…!先生の脱出を…!」

 

僕が血を吸収している間、どんどんとユスティナ聖徒会は僕たちを囲んでいた。

 

すると…

 

 

ババババッ!!!

 

 

「……っ!!」

 

「こっち!」

 

「ヒナ……!」「お姉ちゃん!」

 

ヒナさんが来てくれた。でも……ボロボロだった。

 

「ゲヘナの風紀委員長……!?」

 

「ヒヨリ、もしかしてヒナを止められなかった?」

 

「げほっ…けほっ……す、すみません、ダメでした……聖徒会が顕現するよりも前に、全員なぎ倒されて……」

 

「正義実現委員会、先生をこっちに!今は時間がない!」

 

黒マスクの少女が通信している隙に、ヒナさんの方に僕と先生は向かった。

 

「先生、私たちがここで敵を止めます。急いで脱出を…!」

 

「………分かった。無事でいて!」

 

「先生こそ、無事を祈ります…!」

 

 

 

「あの化物たちを倒すのは無理……だから、包囲網を抜けて脱出する……。っ!」

 

「お姉ちゃん!傷が……」

 

「大丈夫よ、ユウ。でも、あなたも手伝ってくれる?」

 

「もちろんです…!」

 

僕たち三人は進んでいく。

 

 

ババババッ!!

 

ザシュッ!ザシュッ!!

 

 

「っ……!」

 

先程のダメージが消えない。でも、倒れるわけには行かなかった。

 

「もう少しです…!」

 

「先生、後もうちょっとだけ耐えて。ここを抜ければ……」

 

その時。

 

 

ドカアアアァァァン!

 

 

「くっ!?」

 

「お姉ちゃん!」

 

眼の前で爆発が起こり、ヒナさんが巻き込まれてしまった。

 

「ゲヘナの風紀委員長、ようやく倒れた。」

 

「や、やっとですか……痛かったですよねぇ、よくあの傷でここまで……」

 

「……」

 

「これでトリニティとゲヘナの主要人物は全部片付いた。残りはもう貴様らだけだ。」

 

黒マスクの少女も含めたアリウスの4人が現れる。

 

「…君たちがアリウススクワッド?」

 

「……ああ、そうだ。私たちが”アリウススクワッド”。ようやく会えたな、先生。」

 

先生の質問にキャップを被ったマスクの生徒が答える。

 

「アズサが世話になったと聞いた。あいつには今から会いに行く予定だ。」

 

「…我々はトリニティに代わり、この”通功の古聖堂”で条約に調印した。」

 

「!?」

「……どういう意味?」

 

「私たちが、楽園の名のもとに条約を守護する新たな武力集団……”エデン条約機構”になったということだ。」

 

「…条約を横取りしたとでも…?」

 

「何を言っている?これはもともと、私たちの義務だった。本来ならば第一回公会議の時点で、私たちが講師すべき当然の権利。だがそれを、トリニティが踏みにじった。私たちを紛争の原因、すなわち鎮圧対象として定義し、徹底的に弾圧を行なった。」

 

僕と先生は黙って聞くしかなかった。

 

「…これからは”アリウススクワッド”がエデン条約機構としての権限を行使し、”鎮圧対象”を定義し直す。ゲヘナ、そしてトリニティ。この両校こそエデン条約に反する紛争要素であり、排除すべき鎮圧対象だ。」

 

「それって、つまり……」

 

「トリニティとゲヘナを、キヴォトスから消し去る。文字通りにな。」

 

すると、聖徒会がアリウススクワッドの周りに立つ。

 

「…この条約の戒律。その守護者たちと共に。貴様らは第一回公会議以来、数百年にわたって積み上げられてきた恨み……私たちの憎悪を確認することになるだろう。」

 

「っ……」

 

なぜだか、この人たちの底なしの憎悪というのはひどく共感できた。

 

「…だがその前に、先生。貴様を処理しておくとしようか。」

 

そう言って、少女は先生に銃口を向ける。

 

「!?」

 

守らなきゃ。でも、体が動かない。

 

「シャーレの先生……貴様が計画の一番の支障になりそうだと、彼女は言っていたからな。」

 

「ああぁあぁぁっ!!!」

 

バンバンッ!!

 

撃たれる直前、ヒナさんが力を振り絞って先生を守った。

 

「……っ!まだ動けるのか、空崎ヒナ!」

 

「セナっ!こっち!!」

 

ヒナさんがそう言うと、救急車がこちらに向かって走ってくる。

 

「先生!手を!」

 

中から顔を出したセナさんは、手を伸ばす。

 

「逃がすかっ!!」

 

バンバンッ!!

 

「ぐぅっ!?!?」

 

「先生!!!!」

 

なんとか車に逃げ込めたものの……先生は撃たれ、お腹から血が出ていた。

 

……守れなかった。あんなに言っていたのに。あの狐耳の少女にも言われたのに。

 

「くそっ………」

 

「ユウ…」

 

拳を握る力が強まる。血が出るほどに。

 

「これより応急処置に入りますが……ユウさん、あなたが操れる血の範囲はどれくらいですか?」

 

セナさんの言葉に静かに答える。

 

「他人の血は難しいですが…触っていればできないことはないです。」

 

「では、助手をお願いできますか?」

 

「……はい。」

 

良かった。僕にもまだできることがあったんだ。

 

 




ここまで読んで読んでいただきありがとうございます。

だいぶ長くなってしまった……
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