原作を大きくカット。よろしくお願いします。
エデン条約を取り戻して数日。私はそれの後始末に奔走していた。
「そういえば、ユウを見かけないな……」
そんな中、ユウの姿を見ないことに気づいた。
ヒナやアコといったゲヘナの子たちに聞いても知らない。セリナやミカなどトリニティの子に聞いても何も知らないとのこと。
「無事だといいんだけど……」
ピコン
「ん?」
そんなとき、モモトークの通知が鳴った。
『”先生、これを確認したら至急以下の場所に来てください。”』
ユウからだった。その文からは、落ち着きながらも少しの焦りを感じる。
「……行くしかないよね。」
そうして私は身支度を整え、送られた座標へと向かうのだった。
■
先生がユウからの連絡を受ける数時間前……
「いたぞ!!」
「あっちだ!追え!!」
三人の生徒が何人ものアリウス生から追跡を受けていた。
「くそっ……」
「諦めろ。その傷では、これ以上逃げるのも厳しいだろう。」
「リーダー……もう…」
追われていたのは”アリウススクワッド”。だが、その一人である秤アツコはすでに連れ去られた後だった。
カチャ……
引き金が引かれる。そんな時だった。
「諦めるには、まだ早いですよ。」
その場に赤い雷のようなものが降り、辺りのアリウス生を吹き飛ばす。
「お、お前は…!」
そこには、雷を降らした張本人、ユウが立っていた。
…
ここ数日の間、ずっと探し続けてやっと見つけることができた、アリウススクワッドの皆さん。だが…
「少し…遅かったようですね……」
そこにいたのは4人ではなく3人であった。
「…お前が、ユウか…?」
「はい。えっと…サオリさん…でしたよね。」
「ああ……」
逃げ続けていたであろう3人は傷や汚れでボロボロだった。
「……あなたも、私たちを捕まえに来たの?」
僕にそう問いかけたのはあの時、最初に戦った黒マスクの少女、ミサキさんだった。
「いえ。逆です。」
「え?」
「助けに来たんです。」
僕の言葉に3人は驚き固まる。
「え、えへへ……流石に冗談…ですよね……」
目をそらしながらそう言うのは大きなカバンを背負った生徒、ヒヨリさん。
「いえ。僕がここにいるのは、ヒガンからのお願いだからです。」
『!?』
またもや3人は驚く。
「ま、まて、どういうことだ…?」
「…詳しいことは後で話します。今は、僕も皆さんも、時間がないはずです。」
「……そうだな。」
ヒガンは捕らえられ、実験体にされている。それがどんなことかは予想したくもないが、時間がないことは確かだ。それに、アリウススクワッドの4人目、アツコさんも同じく実験体…いや、もっとひどい扱いだろう。…生贄とか。
「アツコさんの猶予は?」
僕たちは移動しながら状況の把握を進める。
「……明日の夜明けまでだ。」
「なるほど。……十分です。」
「十分?そんなわけない。バシリカにたどり着くだけでもかなりの時間がかかる。」
「助っ人を呼んでますので。」
■
「えっと……これは、どういう状況?」
連絡を見て駆けつけてくれた先生は、眼の前の光景に困惑していた。
「…いや、大体わかった。誰を助けるの?」
と思ったが、先生はすぐさま僕が言いたいことを理解し、先回りする。
「アリウススクワッドの、秤アツコさん。そして、赤髪の不審者…ヒガン。この二人です。」
「私たちからも頼む。二人を助けるのを、手伝ってくれないか……」
サオリさんはそう言うと、土下座の体勢に入り始める。
「私がこんなことを、頼める立場にいないことは分かっている。だが…」
「サオリ。顔を上げて。」
先生はそう優しく言う。
「子どもが泣くときは、大抵大人が悪いんだから。子どもが責任を感じなくてもいいの。」
「っ……」
サオリさんはゆっくりと立ち上がった。
「……行こう。」
「うん。どこに行けばいい?」
「アリウスの自治区にある…”アリウス・バシリカ”。おそらく、二人ともそこにいる。」
「だけど、時間がないの。」
「というと…?」
「アリウスの自治区へと向かう道は変化している。そして私たちが唯一把握している道が、あと一時間ほどで閉鎖される。だから、それまでにそこにたどり着かないと……」
その言葉を聞いて、先生の足が少し早まる。
「じゃあ、早く行こう。」
そうして入口へと進んでいると……
ババババッ!!
「”スクワッド”だ!」
「やはりここに来たな!総員、戦闘準備!」
アリウス生たちが襲ってきた。
「…あっちも同じことを考えていたみたいだね。」
「戦闘準備。」
「は、はい!」
3人はすぐさま戦闘体勢に入るが……
「僕がやります。」
「あっ、ちょ!ユウ!」
僕は3人を越して敵へと向かう。
ザシュッ!ザシュッ!
一人、また一人と斬り伏せていく。
正直、この人たちなんかは敵ではない。
一瞬にしてすべてを片付ける。
「…あんなに強かったんだ……」
「み、味方になってしまえば、頼もしいですね……」
「おしゃべりをしている暇はない。行くぞ。」
僕たちは歩みを止めない。目的が達成されるまで。
そして、迫りくるアリウス生を倒しながら、やっとの思いでカタコンベの入口へとたどり着いていた。
「はぁ……はぁ……」
「ユウ、大丈夫か?」
皆と協力すればいいものを、僕はなぜかすべて自分でやろうとしてひどく疲れていた。
その時。
ドカアアアァァァン!!
大きな爆発音がした方を見ると、見覚えのある生徒が立っていた。
「ふふっ、やっぱりここにくると思ってたよ。大当たり!」
「聖園、ミカ……」
「悪役登場☆ってところかな!……まだ覚えててくれたんだね?」
「会えて嬉しい……って顔じゃなさそうだけど、どうしたの?そんな、魔女でも見たみたいな顔しちゃって。」
ミカさんは、今までに見たこともないような怖い顔をしていた。
「……檻の中にいると聞いたが。」
「出てきちゃった☆……早く、あなたたちに会いたくってさ。」
「だってほら……私たち、まだお話しなきゃいけないことがあるんじゃないかなって。」
ここでミカさんに足止めされるのは非常にまずい。順調に来てはいたが、通路が閉じるまでは、残り約30分ほどだからだ。
「……ここから先は、皆さんだけで行ってください。」
「ユウ……?」
「アリウスの中を詳しく知るのはあなた達3人です。だから……」
そう言いかけた時。
「ねえねえ、私の話聞いてる?無視?」
ミカさんは一気に距離を詰めてきた。
バンバンッ!!
「くっ!?」
「あの時は負けちゃったけど、もう負けないよ?」
僕は膝をつく。その間にも、ミカさんは他の3人に襲いかかる。
「くっ……」
「ねえ?ねえねえサオリ?本当にこれで終わりなの?」
「お飾りの人形だって今のあなたよりはうまく戦えるんじゃない?この程度じゃないよね、”スクワッド”は。ねえ、どうしたの?」
今のミカさんからは、この前サオリさんから感じたような、”底なしの憎悪”が漂っていた。
ミカさんはまくしたてるようにどんどんと言葉を重ねていく。
「(ミカさん……あなたの気持ちは、痛いほど分かります。)」
「(でも…だから……だからこそ……)」
ババババッ!!
『!?』
「いたぞ!」
「聖園ミカもいるぞ!撃て!」
「増援!?」
ここに来てアリウス生の増援が来た。
だが……
「今のうちです!抜けましょう!」
「っ、ああ!」
「逃さないっ…って、いっ…たいなぁ!」
かなりの数の増援のため、この場が一瞬ではあるが混乱に包まれている。その混乱に乗じ、入口へと僕たちは入っていった。
「ここからは道が複雑になってるから、気をつけて。」
カタコンベの中に慣れていない僕と先生は気をつけながら道を進んでいった……
ここまで読んで読んでいただきありがとうございます。
直近に書いてきた中で一番難しく、かなり汚い文になってしまったと思っています。
多分この後も同じようになってしまうかも……そうならないよう頑張ります。