銃社会を、吸血鬼は生きる   作:MIKAZUKIN2525

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前座の前座。よろしくお願いします。



邂逅

 

 

「足元、気をつけて。」

 

「はい。よいしょ…っと。」

 

カタコンベを通り、上へと上がる。

 

「ここがアリウス自治区なの?」

 

「……昔はそうだったけど、今はただの跡地だよ。」

 

そう言われて周りを見渡すと、確かに壁はあちこち崩れていて、もう使われている様子ではなかった。

 

「本当の自治区はもう少し先。でも、私たちが向かってることがバレてるから、そう簡単には近づけないと思う。」

 

「……でしたら、少しだけ休んでいきましょう。」

 

「そんな余裕は……くっ…」

 

先程のミカさんの襲撃のせいで全員がかなりの体力を消費しているはずだ。もちろん、僕もだ。

 

「…待ってサオリ、熱、あるでしょ。」

 

先生はそう言ってサオリさんの額に手を当てる。確かに、よく見てみるとサオリさんの顔は少し熱を持っているかのように赤かった。

 

「やっぱり。これ飲んで、ただの解熱剤だけど。」

 

「すまない……」

 

サオリさんは先生から薬を受け取り素早く飲む。そして、そのまま横になる。

 

「…休憩ということで。皆さんも、少し寝てください。」

 

「うん。でも、ユウも休んでね…?」

 

 

話し合いの結果、不寝番を僕とミサキさんがすることになり、ちょうどいい機会ということで少し話すことに。

 

「…何を聞きたいの?」

 

「アリウスとは……どういう場所なんですか?」

 

僕の質問に、ミサキさんは渋い顔をして……

 

「……最悪の場所。それ以上でも、それ以下でもない、”最悪”。」

 

「……すみません。」

 

ただの興味本位ではあったが、本人たちからすると聞かれたくもないことだったろう……

 

「別に…気にしないで。」

 

「私からも聞きたいことがある。…いい?」

 

「もちろん。」

 

今度はミサキさんが質問する番だ。

 

「ヒガンとは、どういう関係?」

 

「えっと……僕も聞きたいくらいなんですが……一応、家族…ってことになるんですかね……」

 

「逆に、皆さんはヒガンとはどういった…?」

 

つい聞き返してしまう。

 

「あの子は、リーダーが拾ってきた子。」

 

ミサキさんはそのまま話続ける。

 

「自治区の中で彷徨っていたのを、リーダーが見つけてそのまま連れて帰ってきた。」

 

「最初は、あの子も私たちと同じような目に遭う、遭ってしまう。そう思ってた。けど…」

 

「あの子は、姫と同じような扱いを受けるようになった。」

 

「血…ですね。」

 

「そう。あの子から直接聞いた話だと、親がとてつもなくすごい人だったみたいだけど……もしかして、ユウのことだったりする?」

 

ミサキさんが問いかけてくる。……なかなかに感が鋭いですね…

 

「…多分、そうです。と言っても、僕には昔の記憶がないので……」

 

「そう……」

 

 

こうして話しているうちにも時間は過ぎ、全員がある程度の休息を取れていた。

 

「よし。皆、準備はいい?」

 

「いつでも行けます!」

「熱も十分下がった。行ける。」

「…いつでも。」

「や、やっと姫ちゃんを助けに行けます…!」

 

「目指すは、二人が囚われているバシリカ。…行こう。」

 

 

そして、僕たちは跡地から本当の自治区へと進んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

バシリカへと向かうために、サオリさんが提案した地下回廊を通るという案。全員がそれに賛同し、まずはアリウス分校の旧校舎へと向かうことになっていた。

 

 

ザッザッザッ……

 

 

当たりに響くのは僕たちの歩く音だけ。

 

「……クリア。ここまでは安全。」

 

「は、はい!大丈夫です!」

 

スクワッドの皆さんが先立ってクリアリングをしてくれてはいるが、辺りは異様なまでに静かだった。そう思ったのは僕だけではないようで…

 

「おかしい……街が静かすぎる。もともと人通りが少ない場所だが、ここまでではなかったはずだ。」

 

サオリさんも、この静かさはおかしいと思ったようで、そう口にしていた。

 

また…

 

「な、なんか……知らないものがいっぱい増えてます……」

 

「そうだね…自治区から長く離れていたとは言え、私の全く知らない街になってる。」

 

スクワッドの皆さんは、次々と感じた違和感を話していく。

 

その時。

 

 

ザッザッ……

 

 

「…誰かいる。隠れて。」

 

僕たち以外の足音。その音がした方を全員が見る。そこには……

 

 

あの調印式で見た、ユスティナ聖徒会がいた。

 

 

「……何故だ?エデン条約が取り消された以上、使役は不可能のはずだ。」

 

「……考えてみれば。そもそも、私たちがエデン条約の会場を襲撃した理由は、複製能力を確保するためだった。」

 

「でも…エデン条約は先生が取り戻して…その複製能力の確保は失敗に終わったはずでは…?」

 

「ああ……だというのに…アリウス自治区は…”彼女”は、すでに複製の能力を確保している……?」

 

その時。

 

『ええ。あなたたちは、一度でも複製を成功させればよかっただけ。』

 

肌の赤い”大人の女性”のホログラムが映し出される。それと同時に、僕たちの周りを聖徒会が取り囲む。

 

「チッ……罠か。」

 

「……私たちがここに来るって分かってたんだ。」

 

『ええ、もちろんです。』

 

「……マダム。」

 

『ここは私の支配下にある領地。皆さんの位置や目的地、その経路に至るまですべて把握しております。』

 

サオリさんにマダムと呼ばれた女性。つまり、彼女こそがアリウスの生徒会長…

 

「ベアトリーチェ……」

 

『おや、あなたは……ヒガンが言っていた救世主とやらですか。まあ…あなたはどうでもいいです。それより……』

 

ベアトリーチェは僕を見下すかのようにそう言うと、先生の方を向いた。

 

『はじめまして、先生。私はベアトリーチェと申します。既にご存知かもしれませんが、”ゲマトリア”の一員です。通信越しでの挨拶となることをお許しください。』

 

「あなたが、アリウスを支配している……ベアトリーチェ?」

 

『はい。そして、ゲマトリアにおける現在唯一の成功者です。』

 

そうして、ベアトリーチェは語りを始めた。

 

 

 

だがそれは………とても、とてもとてもとてもとてもとてもとてもとてもとても。

 

 

最悪だ。

 

 

 

ブツッ!!

 

 

僕は乱雑に通信を切断する。

 

「ちょっ!ユウ!?」

 

「こんなものに構う必要はありません。行きますよ。」

 

あの女の言葉は聞いていたくもない。

 

「……そうだね…行こう!」

 

 

 

そうして、改めて地下回廊に向かうため、周りの聖徒会を制圧していく。

 

でも……

 

「あれは……」

 

「……またか…」

 

「やっほー。久しぶり…ってほどでもないね?また会いに来ちゃった。」

 

行くべき道に、ミカさんが立ちふさがった。

 

 




ここまで読んで読んでいただきありがとうございます。

次からは…!そこそこ上手く書けるはずなので…!!

でも……あまり期待はしないでください………
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