終わりももう少し。よろしくお願いします。
「これで……終わりっ!!」
バンッ!バンッ!!
ミカさんは最後に残ったバルバラに銃弾を打ち込む。
その攻撃でバルバラは倒れ、消えていく。
『よくやった。』
そう言いながら”私”はミカさんに近づき、頭を撫でる。
「えへへ…ユウ君のおかげだよ。」
ミカさんは少し恥ずかしそうにしながらも微笑んだ。
『……こうしていると、あの子達のことを思い出すな……』
「あの子達……?…って!二人は大丈夫だったの!?」
『ああ、無事だ。』
「よかった……」
”私”の言葉を聞いて、ミカさんは大きく安堵する。
そうしていると、奥から先生が歩いてきた。その隣には、正義実現委員会の生徒もいた。
「二人とも!無事!?」
先生は僕たちを見つけるなり駆け寄ってくる。
「せ、先生……私…その……頑張ったんだよ…?」
「うん、知ってる。ミカは頑張ったよ。」
先生は優しく、穏やかにそう言った。
それを横目に”私”は通信中だった正義実現委員会の生徒に話しかける。
「……はい、ミカ様も確保したっす。」
『君が、先生をここまで連れてきてくれたのかい?』
「えっ!?あっ、はい!正義実現委員会のイチカっす!」
急に話しかけたので少し驚かせてしまったようだ。
『ああ、すまない。驚かせるつもりはなかったんだが……』
「いやいや!気にしないでほしいっす!……この人が、報告にあった……」
『ん。何か言ったか?』
「な、何でもないっす!それよりも、安全地帯に退却しましょう!ここはお二人が制圧してくれたっすけど、他のところではまだ聖徒会がうろついてるっすから。」
『了解した。案内を頼む。』
”私”は先生とミカさんをに声をかけ、イチカさんと共に動き始める。
「はーい。さあ、行きましょう!皆さんを待っている人がいるっすよ。」
「?」
■
「先生……!!ミカさん!!ご無事でしたか!…それに、ユウさん…でしたよね…?」
安全地帯にたどり着いた僕たちは、ティーパーティーのナギサさんに話しかけられる。
「『はい。…会うのは初めてですね。ナギサさん。』」
「な、ナギちゃん……?あれ、どうしてここに……」
「ここがアリウス修復作戦の指揮本部です。」
どうやら、僕たちの知らないところで作戦が展開されていて、安全地帯というのはここ本部のことだったらしい。
「ど、どうやってここに来たの……?」
ミカさんがそう問いかけると、後ろから、どこかで聞いたことのある声が聞こえる。
「私が教えたのだよ。」
僕たちは振り向く。
「セイア……!!?」
「せ……セイア……ちゃん……」
セイアと呼ばれた、僕が夢で会った狐耳の少女がそこに立っていた。
「本当に愚かだね、ミカ。常のように、衝動で動いて事を過つ。それが君の悪癖だよ。」
そして、セイアさんは語った。どうしてここへ来れたのかを。
……と言っても、”取引をした。”としか言わなかったけど。
「一つ確かなことは……ナギサはミカを救うためなら、自分のすべての権力を手放しても構わないとまで告げ、周囲を総動員させたということかな。」
その言葉を聞いて、”私”は優しく微笑む。
『ミカ。君は、とても大切にされているんだよ。』
「……そっか……みんな……」
「そうだ。だから……君を救うために来たよ、ミカ。」
「……セイアちゃん、相変わらず何言ってるのかわかんないよ。本当に偉そうだし、心底ムカつく。何度も懲らしめたいと思ってた。」
「!?」
ミカさんの唐突なムカつくという言葉にセイアさんは驚く。
だが…
「……でも、それでも大好き、セイアちゃん。」
「……え?」
ミカさんは、続けてナギサさんにも話す。
「ナギちゃんはヒステリーがひどすぎ!っていうか、こんな所まで紅茶を手放せないのちょっとどうかと思うよ?カフェイン中毒?それとも強迫症?」
確かに、ナギサさんはこんな所でティーセットを広げているけれども。
「……でも、そんなナギちゃんが大好き。」
「い、いえ、これは……緊張してしまって…………えっ?」
「うん……二人とも、大好きだよ。二人ともありがとう……そして、ごめんね……。」
ミカさんは涙を流しながらそう言う。
その光景を見て、”私”は……
『(ああ……私の望んだ世界は、今、やっと。得られた。)』
そう、心の中でつぶやいていた。
「では、そろそろ参りましょうか。ミカさんの聴聞会まで、もう時間がありませんから。」
「えー……私、この格好で行かなきゃダメ?ちょっと着替えたいんだけど……傷の治療もしたいし。人前に立つんだから、髪もセットし直さなきゃいけないし。」
確かに、ミカさんは戦闘の影響で服はところどころ破けているし、髪もぐちゃぐちゃだった。
「はぁ……好きにするといい。」
「ええ。それに私たち三人とも徹夜してしまってますし、こんな格好では……」
「私も一緒に行くよ。」
先生が名乗り出る。
「……もちろんです先生。全員で聴聞会に出席するのが、私たちの約束ですからね。」
どうやら、それは決まっていたことのようだ。
『すまないが、私は少々休むとするよ。…まあ、”私”がこうして出てくることは、もうほとんどないだろう。今の私が、過去と向き合わない限りはな。』
そう”私”が言うと、血の繭が出てくる。
パキパキ……パキンッ。
それが破れると、僕の視線はいつもどおりの高さに戻っていて、髪も短くなった。
「うん、やっぱりこっちのほうがユウって感じがして落ち着く。」
「そうですか……?…っ……」
戻ってから、急激にめまいを感じる。
「ユウさん、大丈夫っすか?」
よろけて倒れそうになったところを、イチカさんが支えてくれた。
「あ、ありがとうございます……」
「私はユウさんを救護騎士団に連れていくっす。なので、皆さんは聴聞会に向かってくださいっす。」
そう言うと、イチカさんは肩を貸してくれて、そのまま救護騎士団に向かうこととなった。
「そっか。じゃあ、ユウをよろしくね、イチカ。」
「(ユウさんのこのギャップ……悪くないっすね……)」
向かっている途中、イチカさんの視線がちょっとだけ気になった。
ここまで読んで読んでいただきありがとうございます。
かなり短く、申し訳ないです。
過去ユウが出てくるのは、ここと1部最終編だけの予定です。なので、出番は殆ど終わり〜
ちなみにイチカは私の推しの一人です。かわいいよね。