けっこう詰め込んじゃったかも。よろしくお願いします。
「ふんふーん♪」
散歩が始まり、アリスさんは陽気に鼻歌を歌いながら歩いている。
「アリスさんは、いつもあんな感じなの?」
アリスさんの一歩後ろを歩いている私はパパに小声で聞く。
「うん、そうだよ。」
あまり見ないパパの優しい表情。なにか思い入れでもあるのだろうか……
「あっ!」
前を歩いているアリスさんが突然声を上げ、立ち止まった。
「どうしたの?」
「いち、に、いち、に。」
「先生、どこかでただならぬ声が聞こえてきます。」
「誰だろう……?」
「いち、に、いち、に。」
確かに、声が聞こえている。……走っている?
「これは……ハッ……!アリス、分かりました!ミレニアムのキャンパスで発生する特殊イベント……”ミレニアム・ランダムエンカウントイベント”の前兆です!」
「ら、ランダムエンカウント……?前兆……?」
アリスさんの突然の言葉に先生は驚いている。かくいう私も、その言葉の意味はよく分からない。
「パパ……あれも……いつも通り?」
「あはは……そうだね……。アリスさんは、出来事をよくゲームで例えるんだ。だからあれは多分……なにかしらのイベントが起こるよって言ってるんじゃないかな。」
「はい!ユウの言う通り、冒険中に起こるフィールドイベントです!何が起こるかわかりません。油断は禁物です!」
「いち、に、いち、に。」
「い、一体どんなイベントが……!?」
そして、どんどんとその声が近づいてくる。
「いち、に、いち、に!!」
「で、でた……!」
その声の主であろう人影は、私たちの前で止まった。
「あれ?こんにちは。今日も、いい運動日和ですね。」
スポーツウェアを着たスタイルの良い女性。どうやら先生とアリスさんはは知っていたようで……
「す、スミレ……?こ、こんにちは。」
「これはスミレ先輩との遭遇イベントだったんですね!スミレ先輩は、今日も”運動冒険”中ですか?」
「はい。軽くジョギングでもしようかと思いまして。アリスちゃんも、”冒険運動”中ですか?」
運動冒険?冒険運動?よく分からなくてパパの方を見てみるが、首を横に振られてしまった。
「今日はトレーナーと一緒ですか。それに、後ろのお二人もお友だちですか?」
「はい!今日は、先生とユウ、そして新しい仲間のヒガンと一緒に見習い勇者の冒険中です!」
「はじめまして、スミレさん。シャーレ所属のユウです。」
パパは丁寧に挨拶をした。私もしたほうが良いと思い、
「お、同じく、シャーレ所属のヒガンです!」
「始めまして。」
スミレさんはお辞儀をする。
「それで、二人はよく会ってるの?」
先生が質問をする。
「はい。スミレ先輩は主なエンカウントイベントの一人です!」
「アリスさんとは、ジョギングをしているとよく会うんです。キャンパス内で……」
スミレさんがそういった直後、アリスさんは元気よく言った。
「スミレ先輩は、”運動冒険”をするアリスの仲間ですからね!」
「ふふ、はい。アリスさんは、共に運動をする仲間です。」
……やっぱり、よくわかんないな……
その後、私かスミレさんに少し質問をして、トレーニング部というものを知れた。結構ハードなトレーニングをしているらしく、少しだけ興味が湧いた。
「では、まだまだジョギングをしようと思いますので……お先に失礼しますね、皆さん!」
「うん、頑張ってね。」
そう言って、スミレさんは走り出して行った。
「アリスも負けられません!先生、次のクエストに向かいましょう!」
アリスさんは何を競っているのか……でも、私たちはアリスさんについて行く。
そして、先に駆け出してしまったアリスさんを追うこと数分、いつの間にかミレニアム郊外に出ていた。
見学に来たんだけどなぁ……まぁ、楽しいからいっか!
「キャンパスの外に出てしまったね……」
「はい。アリスの辞書に”止まれ”はありません。」
うーん、それは流石に入れといてほしいかも……?
「それに、遠出をしたら、きっと予想外のイベントも起こるはずです!」
「予想外のイベントかぁ……」
すると、目の前にいた二人の生徒が私たちの存在に気づいた。しかも、知り合いだったようで……
「あっ!ご主人様とアリスちゃん!それにユウ君も!やっほー、こんにちは!」
そのうちの一人が元気よく挨拶をした。
「やっほー!?本当に予想外のイベントに……!?」
「……あれ、先生?急にどうしたんだ?」
「あはは!なになに?何かあったー?…あ!もしかして、後ろのその見たことない子のこととか!?」
二人の視線が私に向く。
「は、始めまして……ヒガンと言います。」
もう何度目かも分からない自己紹介を済ませ、本題に入っていく。
「それで、どうして二人は制服姿で…?」
「そうですね、いつものメイド服はどうされたんですか?」
先生とパパの質問が飛ぶ。いつものってことは普段はメイドさんなのかな…?
「はっ!アリス、気が付きました!二人はメイドから新しいジョブ……”女子高生”に転職したんですね!」
「いや……私も生徒だから。これが普通の格好というか……」
確かに。よくよく考えてみれば生徒がメイドっておかしいな……?
すると、もう一人の生徒がテンション高めに口を開いた。
「あははっ、そのとおり!アリスちゃん鋭いね!私たちは今、ジョブチェンジして秘密のクエストを進行中なんだ!これはそのためのユニフォーム!」
ほんとに転職してた!?!?
「秘密のクエスト……ですか?」
「うん!最近のゲヘナの情勢が気になるって、リオ会長が言っててね〜。何だっけ?なにか動き?がないか調べてほしいって言われちゃって!」
その言葉を聞いた瞬間、パパは目をそらしていた。……そっか、パパは一応ゲヘナの生徒だもんな。ミレニアムではその身分を隠してるとも聞いたし。
「ちょっと、アスナ先輩。アカネがそれは秘密だって……」
「あ、そうだった!4人とも、さっきのは秘密だよ?」
「あ、うん。分かった。」
まぁ、秘密のクエストって言ってたしね……
「はぁ……まぁ、先生たちなら……いいか。」
「はい!アリス、秘密は守ります!ゲームでも、秘密を漏らすと呪いを受けたりしますから!」
「あはは!そうそう!アリスちゃんはいつも元気だね!」
アスナさん……だったかな?すごいなぁ、アリスさんの話についていけてるもん。
「ところで、ご主人様たちは何してたの?」
「アリスたちは冒険中でした。」
「おお、冒険!面白そうー!それ!私もやりたい!」
「はぁ……先輩、任務を忘れないで……」
逆に、カリンさんの方はちょっと苦労してそうだな……
「パーティーメンバーが増えるのはいつでも歓迎です!メンバーが増えたら、使える戦術の幅が広がりますから!ぱんぱかぱーん!アスナ先輩も、カリン先輩も!次の冒険では仲間です!」
「わぁい!パーティーに入った〜!」
「わ、私も……?」
「はい!」
「そっか……よろしくね。」
アリスさん、コミュ力高いなぁ……うらやましい。
「それじゃ……私たちは先に失礼する。」
「うん。任務頑張ってね。」
「ありがとうご主人様!頑張るね〜!」
そういえば……
「任務って言ってるけど、二人の部活?」
小声でパパに質問する。
「ああ、そうだよ。C&Cって言ってね。まぁ、ミレニアムの最高戦力だよ。」
「へぇ〜……」
たしかに、隙は無さそうだったな……
その後も、アリスさんの散歩……いや、冒険は続いた。
ミレニアムの生徒に応援されたり、クエスト報酬という名目でお菓子をプレゼントされたり。
エンジニア部という部活の方たちとも会うことができた。
エンジニア部ではその名の通り色々な物を開発、制作していて、アリスさんの武器を作ったり、パパの武器の改造を行ったりしたらしい。
「ヒガンも、もしよかったら武器を作ってもらったら?」
「ふむ…君は武器をまだ持っていないのか。アリスの時と同じだね。時間があるときにでも部室に寄ると良い。作るとなると話は別だが、完成品も数多くあるから良いものが見つかるはずだよ。」
「は、はい。そうします!」
あとは、さっき会ったアスナさん、カリンさん達C&Cの先輩、ネルさんとの出会いもあった。
とはいっても、ネルさんの目的はアリスさんとの格闘ゲームの対戦だったけれども……
「……楽しそう……」
眼の前で楽しそうに筐体で遊ぶ二人を見て、懐かしさが込み上げてきた。
「ヒガンも、やってみる?」
いつの間にか横に立っていたパパに誘われ、私も対戦をすることに。
まぁ、ゲームなんて初めてだったから、何にも分からなかったけど……
「とっても……楽しかった。」
「そう?それなら良かった。」
私たちが数戦対戦し終わった後も、ネルさんとアリスさんはずっと対戦を続けていた。……どうやら、ネルさんがコンボが繋がらないとのことで、アリスさんが教えていた。
最終的には、C&Cの別の部員。アカネさんに見つかり、ネルさんは連れて行かれてしまった。
サボりだったんだ……
結局、アリスさんの冒険について行ったことで、一日は終わってしまったが、色んな人と出会えたし、いろんなことを知れた。
「ヒガン、ミレニアムはどうだった?」
「とっても……いい場所だったよ。あそこでなら……学んでみたい、もっと知識を深めたい……そう思った。」
ミレニアムはいい場所だった。叶うことなら、あそこに入学したい。
「ん…?」
すると、パパは私の頭を撫でてきた。
「どうする?ミレニアムに入学する?」
……やっぱ、パパには敵わないなぁ……
「うん!!」
ここまで読んで読んでいただきありがとうございます。
ほんっっっっとうに、詰め込みすぎた!かといって、話を分けたくはない……長くしたくない……
そんな葛藤の中書いてました!これからも頑張ります!