やっと進みます。よろしくお願いします。
次の日
先生からの連絡が理解できなかった私は直接聞くためにエントランスに来た。
そこには、先生とC&Cにヴェリタス、ゲーム開発部と多くの人がいた。だが、皆暗い顔をしている。
「あっ、ヒガン……」
私に気づいた先生は声をかけてくる。
「先生……あれは、冗談……ですよね……?」
私は先生に近づき、震える声でそう言った。
「冗談で、あんなことは……言わないよ……」
先生はうつむきながらそう言う。
分かっていた。あれが嘘じゃないくらい。でも、その現実を受け入れたくない私がいたのだ。
改めてパパたちが連れて行かれたということを実感した私。目に涙が溜まる。
「……なんで……どうして…!どうしてパパは……!!」
泣きながら、怒鳴るように先生に詰め寄る。無駄なことだと分かっていても。
「……説明するね。」
私とは対象的に、先生は落ち着きながら説明をした。
アリスさんが暴走し、それによってモモイさんが大怪我。落ち込むアリスさんのもとに、リオ会長が現れて、アリスさんを誘拐。パパは、5人目のC&Cと戦って敗北。そのまま連れ去られたとのこと。
どの内容も、理解はできても、私の頭は受け入れようとしない。
ただ一つ、私の胸に刺さったのは、リオ会長が二人を”魔王”と呼んだことだった。
説明を聞いて、私は膝をつく。
「……じゃあ、連れ去ったのは、リオ会長なんですね?」
「うん。………って、ヒガン……?」
……もう、誰にどう思われたって良い。今はただ……
パパを、助ける。
そのためなら、もう一度、悪姫になってやる。
私の体を血の繭が包む。
『!?』
その場にいた全員が驚く。
「これって……ユウと同じ……」
パキパキ……パキンッ…
血の繭を破り、自分の姿が変わったことを認識する。
昔の服、昔の髪、昔の身長。
私が前世、”悪姫”と呼ばれていた頃のものだ。
「……うん。」
そして私は、翼を作り、広げる。
「ま、待って!ヒガン!一人で行くつもり!?」
先生の言葉に小さく頷き、飛ぼうとする。……が。
「おい、待てよ。」
「くっ!?」
私の体が、抑え込まれた。
「ネル!」
抑え込んだのは、メイド服の少女。この前会ったネルさんだった。
「あんたがどう思ってるのかは分からねぇが……あのチビどもを助けたいって言う気持ちは、あたし達と一緒なはずだ。」
「…!」
「だからよ……一人で行こうとすんな。」
ネルさんの言葉に、私の感情が落ち着いていく。確かに、一人で何かできるものでもない。
……昔だって、それで失敗してるから。
私は翼を収める。
そして。
「……ごめんなさい。」
「ヒガン……」
私は、頭を下げ謝った。
「別に謝る事じゃねぇよ。」
ネルさんがニコッと笑う。
「それじゃあ、改めて……状況整理でも…」
先生がそこまで言った時、大きな声が部屋に響く。
「降臨!!」
「お姉ちゃん!?」
「モモイ……!身体は大丈夫!?傷は!?」
「身体なら大丈夫!ユウも手伝ってくれたし、全快っ!」
モモイさんは私達の状況を知らないため、とても明るかった。
「お姉ちゃん……アリスちゃんが……ユウ君が!」
ミドリさんはモモイさんの胸に飛び込む。
「うわっ!!?なになに!?ミドリがアンチコメを呼んだ翌日の”一日限定甘えん坊モード”になってるんだけど!?なんで!?」
「それはね……」
先生が、モモイさんに話す。アリスさんとパパが誘拐されたことを。
「このおバカさんが!!」
話を聞き終えた後、モモイさんの声がまた大きく響いた。
「お、お姉ちゃん?」
「正直、難しいことはよくわかんないけど……!みんなの話を聞いてたら胸がギュッとしちゃって……言葉がまとまらないんだけどさ……。でも一つだけ確かなことはあるよ!」
「……確かなこと?」
「私たちがこの事態に納得できてないってこと!!正直、二人が”魔王”だろうがなんだろうが、そんなことどうでもいいの!」
モモイさんの力強い言葉が続く。
「私はこのまま二人とお別れなんて嫌だよ!二人と別れの挨拶も何もしてない!まともなエンディングですら無い!最悪だよ!」
……私も、パパとこのままお別れは嫌だ。
「だから私は二人を連れ戻したい!連れ戻しに行くよ!みんな、そうじゃないの!?」
「お姉ちゃん……」
「モモイ……」
モモイさんの決意が籠もった言葉に、その場にいる全員が頷いた。
「……うん、そうだね。」
「まあ、そこのチビがさっき一人で行こうとしちまったからな。」
「うぅ……」
ネルさんが私の方を見る。……失態が恥ずかしい。
「ええっ!?って、君がユウの言ってたヒガンか!ならなおさらだね!」
モモイさんは改めて先生を見た。
「……先生、お願い!私たちに力を貸して!」
その言葉に、先生は……
「もちろん!一緒に二人を、連れ戻しに行くよ!!」
力強く応えた。
■
「いたた……あんなに撃つことは無いと思うんですけどね……」
5人目のC&Cに負け、連れ去られた僕はよく分からない場所に捕らえられていた。幸い、身体の自由は縛られてはいなかった。
「それは申し訳ございませんでした。ですが、命令でしたので。」
その5人目のC&C、飛鳥馬トキさんは僕の目の前にいた。
「あはは…それは分かってます。それに、負けは負けですし。」
僕は余裕があるように振る舞うが、実のところ脱出の方法を考えている。
「……無駄ですよ。この牢にはリオ様が自ら作り上げた強力なセキュリティが組まれていますので。」
……どうやら、無駄なポーカーフェイスだったみたい。
その後もトキさんと少しの間会話をした。
聞き出せた情報はただ一つ、ここが要塞都市エリドゥという場所だということだけ。
「(ま、分かっていましたけど……この人、なかなか手ごわいですね……)」
色々と巧みに聞き出そうとしたのだが……どうしても、それ以上の情報を聞き出せはしなかった。
さすがはC&C…といったところかな?
「(こうして監視がついている以上、僕が抜け出してアリスさんを助けるというのは現実的じゃない………となると、後は先生達に任せるしか……)」
なんとかできないか探りを続けつつも、先生たちが救出に来てくれるのを、僕はただただ祈り続けるしかなかった。
ここまで読んで読んでいただきありがとうございます。
ぐおおぉぉ……難しすぎるっ!!
こんなので良いのだろうか……頑張ります……