4章最終話。よろしくお願いします。
それからというもの、平穏な日常が戻ってきた。
私はミレニアム生として毎日を楽しんでいる。
ミレニアムには様々な部活が存在するが、どれか一つに所属するということはせず複数の部活に助っ人みたいな感じで手伝ったりをしている。
「ヒガンー!!今日はゲーム開発部に来るってことでいいよね!」
「うん。やることはアイデア出し?」
「そうそう。それに、他にも助っ人を呼んでるから!」
モモイに手を引かれて部室へと向かう。ゲーム開発部に手伝いを頼まれることが一番多く、いつも通りである。
「みんなっ、ヒガンを連れてきたよ!」
モモイが元気よく部室のドアを開けながらそう言った。
「やほ、みんな。」
中にいる部員のみんなに挨拶をする。何度も訪れているのでもう親友のような関係になっていると言っても過言ではない。
「こんにちは、ヒガンちゃん。いつもありがとう。」
「アリス、ヒガンが来るのをずっと待っていました!」
「きょ、今日も来てくれて…ありがとう。」
部員のみんなも優しく出迎えてくれる。私はこの雰囲気が好きになっていた。
「それで……他の助っ人と言うのは?」
なんとなく助っ人の検討はついているけど。
「えーっと、もう少しで来るはずなんだけど……」
モモイは時計を確認した。そして……
「……まだ時間あるし、みんなでゲームしよっか!」
「はぁ……お姉ちゃん、この前もこんな感じでゲームやり始めて開発に手をつけられなかったじゃん。」
「いいのいいの!強力な助っ人を呼んでるから来てからでもだいじょぶだって!ほらみんな、座って座って!」
モモイはせっせとゲーム機の準備をしている。コントローラーを5個用意しているところを見るに、パーティーゲームでもやろうとしてるのかな。
「まぁ、ゲームの中からアイデアを探すってことでいいんじゃない?」
「ヒガンちゃんまで……」
私は用意された席に座ってコントローラーを握った。
「ヒガン、隣に座ってもいいですか?」
「うん、良いよ。」
「! ヒガンの隣は落ち着きます。」
アリスが隣に座る。こうしてゲームをするときは、いつも隣で一緒だ。
「…ちょっとくらいなら、いいんじゃないかな…?」
ユズも座る。これで座っていないのはミドリだけだ。
「……その助っ人が来るまでだからね!」
結局、ミドリも座り、仲良くパーティーゲームが始まった。
「ああっ!取られちゃった!」
「ふふっ、いただき。」
部室にはゲームの音、コントローラーの操作音と私たちの賑やかな声が混じり合って響く。
「今回は負けません!」
「わ、私も負けないよっ!」
「(友達とこうしてゲームをする日が来るなんてなぁ……)」
そして1時間ほど遊んでいると、部室のドアが開いた。
「こんにちは。相変わらず楽しそうだね。」
そこにいたのは、先生とパパ。助っ人で呼ばれたのはその二人なのだろう。私は一旦ゲームを止め、先生達に近寄った。
「助っ人と言うのはやはり先生とパパのことだったんですね。」
「うん。ヒガンも手伝いに?」
「はい。でも……」
私は今だ盛り上がっている4人をちらりと見る。
「すみません、もう少し掛かりそうです。」
「ふふっ、でも賑やかなのは良いことだね。」
「そうですね。それに、ヒガンも遊んでいたんでしょう?」
「それは……まぁ、そうだけど……」
すると、先生は4人の元へ歩いていき
「私も混ぜてくれる?」
後ろからそう言った。
「あっ、先生!良いよ、ここ座って!」
「ぱんぱかぱーん!先生が合流しました!」
「よーし、途中参加だけど、負けないよ!」
先生も参戦し、ゲームを始めた。
仲良くゲームをしている光景を私とパパは後ろで眺めていた。
「どう、ヒガン。ミレニアムは楽しい?」
「うん、毎日ずっと。」
「過去に僕がなにをやってしまったのか。ヒガンがなにをしてきたのか。僕には分からないけど、そう思ってくれているのなら、良かった。」
パパは優しく微笑んだ。
「(ああ、やっぱりパパだなぁ。)」
その後、私とパパも混ざって7人でゲームを楽しんだ。
結局、アイデア出しは別の機会になってしまったが、モモイたちはゲームから何らかの着想は得ていそうなので良しとした。
活動が終わり、外はすっかり暗くなっていた。
私の住処はシャーレのため、先生達といっしょに帰ることに。
「じゃあ、私達はそろそろ帰るね。」
「では、また。」
「じゃあね!」
「うん、また必要になったら呼ぶね!!」
ゲーム開発部の元気な見送りを受け、私たちは帰路についた。
「いやー。やっぱりあの子達は元気だね。」
「そうですね。なんだか元気を分けてもらえた気もします。」
帰り道、私達は今日のことを話しながら歩く。
「ヒガンもなかなか楽しそうだったね?」
「うん。実際楽しかったし。」
「それは良かった。ところでヒガン。ミレニアムはどう?」
先生からパパと同じような質問が飛ぶ。
「…楽しいです、とても。みんな私を受け入れてくれて、仲良くしてくれて。こんな私でも友達だって言ってくれて。」
「……こんな私でもって言うけれど、ヒガンはとてもすごいと思うよ?」
「え?」
「いろんな部活の手伝いをして、みんなからの信頼を得てる。セミナーの手伝いだってしてるらしいね。ユウカがいつも助かってるってこの前言ってたよ。」
先生がそう述べていく。先生から言葉が出てくるにつれ、私の胸の奥が暖かくなっていく。
「だから、ヒガン。君が楽しいと思えるのは、君の努力の結果だ。自分を卑下してはダメだよ。」
ああ、先生は私の欲しかった言葉を言ってくれる。
今までどんなに頑張っても、仲良くなろうとしても。私の血が、それを邪魔した。
「ヒガン…?」
涙が流れるのを感じる。
やっと。やっと。私の夢が、叶った。
「わわっ、大丈夫!?」
私は涙を拭う。
「私、頑張るから。もっともっと頑張る!」
そして決意を込めてそう宣言する。
二人は一瞬驚いて目を見開いていたが、すぐにいつもの優しい表情に戻った。
「ヒガンならできる。絶対に。」
「はい。それでも、焦らず。ゆっくりと。」
ああ。キヴォトスに来られて、良かった。
ここまで読んで読んでいただきありがとうございます。
4章これにて終了です。ヒガンメインの章ということで、どうだったでしょうか。
また、この後のことですが原作で言うところのカルバノグ1章は書くことはないと思います。2章の方は書くかも……?
ということですので、次の本編は原作最終編の部分となります!開始までしばらくお待ちください。その間は日記更新、気が向けば間章の更新を進めていきます。もしかしたら、新しいミニストーリーの章が出てくるかも……?
とりあえず、これからも読んでいただければ嬉しいです!