今回、会話?がめちゃくちゃ多め。よろしくお願いします。
「……良くない予知ほど、当たっちゃうものなのかな。」
先生はシャーレのオフィスで一人、数日前の出来事を思い出していた。
セイアとの密談。
彼女が最後に見たという未来視の内容について。また、先生が見たという夢についてのことだった。
『すべての色が抜け落ちた世界。そんな、モノクロの世界で……歪なヘイローの少女が、先生に銃を向けていた。そして先生は……そこで生を終える。』
『恐ろしい話だね。』
『ああ。……これだけならばよかったのだがね。』
『……続きが?』
『続き……というわけじゃないが、私が見た夢の場面が変わったんだ。』
『そこにいたのは……ユウとヒガンだった。』
『!』
『だが2人は……倒れていた。死んでいた、という方が適切だろう。』
『…………それがいつ起こるかは、分かるの?』
『いや、私の未来視は既に喪われている。今は断片的な幻が見えるだけで……だが、以前告げた”キヴォトスの終焉”と関係しているのは確かだ。』
『終焉……』
『天から巨大な塔が飛来し、虚空が緋色に染められ……不吉な塔は、まるで悲鳴を上げるように鳴動し……この世界を少しづつ削り取って……そうして、黒い光が天から舞い降り……世界が終焉に傾いていく……』
『……』
キヴォトスの終焉。そして、今回ユウが受けた襲撃、セイアが見たという予知夢。
そのどれもが繋がっているように思えてくる。
「……明日の非常対策委員会で何かあるといいけど。」
キヴォトス全域で観測された超高濃度のエネルギー体。それの調査のために立ち上げられた非常対策委員会が、明日に控えていた。
そこであの夢が、あの予知が、本当に起こるのか。先生は確認したかった。
そもそも、ユウがああして襲撃を受け倒れてしまった時点で予知の一部は当たっている。だからこそ、確かめたい。
もう既に、未来は動き出しているのかもしれないから。
■
「……なかなか起きないですね。」
「ええ。でも、あなたから聞いた傷の状態じゃ、まだ目を覚まさなくてもおかしくはない。」
ヒガンとヒナは、自宅のベッドで眠るユウのそばにいた。
連れて帰ってから、すでに1日は経っている。
大きな穴が空くほどの傷。普通の人であればそう簡単に治るものでもない。だが、吸血鬼という種族は血があれば大抵の傷をすぐさま治すことができる。
ヒガンは大量の血をユウに分け与えた。だからこそ、今だ目を覚ますことのないユウにヒガンは不安を感じていた。
そんなヒガンの様子を見かねてかヒナは口を開いた。
「ねえ、ヒガン。」
「なんですか?」
「ユウを襲った襲撃者……あなたの姉について、教えてくれる?」
「……はい。」
2人の表情が、真面目になる。ヒガンはゆっくりと、静かに語り始める。
「彼女は私の姉……名をルナといいます。私やパパと同じで、吸血鬼です。」
「そう……。ユウを襲った理由の検討はつく?」
「……多分、復讐だと思います。」
「パパの口から聞いているかはわかりませんが……私たちは一度、殺されているんです。」
「!? 初耳よ。……それは……ルナに?」
「はい。詳しく話そうとすると少し長くなるんですが……」
「構わないわ。話してくれる?」
ヒガンはコクリと頷き、続きを話し始める。
「前世の話になります。私たちの世界では、普通の人間や獣人。そして私たち吸血鬼がいました。……吸血鬼は、悪魔だと揶揄され迫害を受けてきました。」
「だから、私たちはお互いの種族を強く嫌っていました。」
「だけれど、パパだけは違ったんです。パパだけは、人間たちと仲良くしたいと考えていました。他の吸血鬼たちは、そんなの夢物語だって一蹴してましたけどね。」
「そんな中、パパは私を人間の学校に入学させました。勿論、正体を隠したうえで。私も最初は人間と仲良くできるわけないって思ってました。けれど、その学校生活の中で人間の多くの優しさを知りました。友達だって沢山できたんですよ?」
「でもある日、私が吸血鬼だってバレちゃったんです。あの時はもう大変でした。今まで友達だった子から罵詈雑言を浴びせられて……暴力だって沢山振るわれた。」
「それで、あの頃はお姉ちゃんは私の事をとっても大切にしてくれていました。あ、お姉ちゃんは人間とは仲良くできないって考えが強かったので学校には行ってません。私が通うことにすら反対してたし。」
「だから、お姉ちゃんはパパをひどく恨むようになりました。私があんな目に遭ったのはパパのせいだーって。……実際の所、正体がバレたのは全部私が悪くて、パパは全然悪くなかったんです。勿論、それもお姉ちゃんに伝えました。」
「でも、お姉ちゃんは聞いてくれなかった。そのままお姉ちゃんは暴走して……パパを、殺しました。その後、私も殺されました。」
「そして、何らかの理由でお姉ちゃんもキヴォトスに来たのでしょう。それで、私たちがいることを知って、殺しに来た。まだ恨んでいるのか、はたまた別の理由があるのか……」
「……って、すみません。こんな一方的に話しちゃって。」
ヒナはここまでの話をすべて真剣に聞いていた。ヒガンが語るすべてを余すこと無く頭に入れるため。
「……そんなことはないわ。むしろそんな辛い話をしてくれて、ありがとう。」
「い、いえ……!私は過去のことをあまり気にしていないと言いますか……。お姉ちゃんとも仲直りしたいですし……」
「それでもよ。」
ヒナは優しくヒガンの頭を撫でた。
「それにしても、ユウとヒガンを殺せるほどの実力者ってことでしょ?……現に、こうしてユウは倒れているわけだけれど。」
「はい。吸血鬼の中では、パパが一番強くて、その次に強いのがお姉ちゃんでした。」
「なら、一度先生にもこの情報を共有しましょうか。普通に戦って勝てる相手でもないでしょうし。」
「そうですね。会って話ができないか連絡してみます。」
ヒガンは先生のモモトークに会えないかという旨のメッセージを送った。
だけど、いくら待ってもそのメッセージに既読がつくことは、無かった。
ここまで読んで読んでいただきありがとうございます。
正直、難しすぎて上手く書けている気がしません。無理やり感も否めない……
これからも頑張ります。
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