銃社会を、吸血鬼は生きる   作:MIKAZUKIN2525

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とんでもねぇ。よろしくお願いします。



日記8:お母さんって柄じゃないけどね

 

 

 

ある日のシャーレでの業務中……

 

 

「(あ〜……だめだ………頭がくらくらする……)」

 

今日僕はかなり体調が悪く、仕事が全然進んでいなかった。

 

普段は風邪を引いたり体調が悪くなることはないが、一年に何回か、今日のように体調が一気に悪くなる時があるのだ。

 

「ユウ、大丈夫?体調が悪いなら、少し休んでもいいからね。」

 

そんな僕の様子を見て、先生はそう優しく声をかけてくれる。

 

「そう……ですね……はい。少し休んできます……」

 

僕の仕事はまだ残っていたが、まともにできる状態ではないので休むために仮眠室へと向かった。

 

 

 

 

「………つらいな…」

 

仮眠室のベッドの上で仰向けになりながら、かすれた声でそうつぶやいた。

 

「なら、私が看病するよ。」

 

声がした方に顔を向けると、先生が立っていた。

 

「せん…せい…?」

 

「あんなに辛そうにしてたら、流石に見過ごせないよ。」

 

先生はいつもどおりの優しい顔でそう言った。

 

「それは……ありがたいのですが……せんせい、お仕事のほうは…」

 

「あ〜、だいじょぶだいじょぶ!残ってるのは簡単なやつだけだからさ!」

 

「そう……ですか。」

 

絶対嘘だな。と思いながらもそう言う。

 

「うんうん。それよりも、喋るのも辛いでしょ。だからもう休んで。冷えピタとかもあるからね。」

 

「はい……」

 

そして、先生は手際よく僕のおでこに冷えピタを貼ってくれた。

 

「よし。私はずっとここにいるから、安心して寝ていいからね。」

 

僕はコクリと頷き、目を閉じた。

 

 

 

 

 

……

 

 

 

「うん。よく寝てるね。」

 

私はユウの寝顔を覗きながらそうつぶやく。

 

この子、普段は12歳とは思えないほど真面目で、先生である私が逆にお世話されるくらいだって言うのに、こうして寝ている分には、年相応の子どもって感じ。

 

「(やっぱ、あの子と重ねちゃうなぁ……)」

 

こうしてユウのことを見ていると、昔の出来事と重ねてしまうときがあるのだ。

 

良くないことだとは分かっていても、ふとした時に思い出してしまい、重ねてしまう。

 

「(ダメダメ。あのことはもう忘れるって決めたんだから。)」

 

頭をフルフルと振って思考を取り払う。

 

今はとにかく、ユウの看病だ。…といっても、今はこうして隣に座って様子を見るだけなんだけどね。

 

…それにしても、やっぱり、可愛い寝顔だなぁ。

 

 

 

 

……

 

 

 

 

「ん……んぅ…」

 

結構長い間寝た僕はゆっくりと目を開ける。

 

隣りにいる先生も少し眠いのか、ウトウトしていた。

 

「んあっ、ユウ、起きたんだね。調子はどう?」

 

「だいぶマシになってきました。」

 

寝ただけだが十分調子が良くなってきた。

 

「なら良かった。」

 

先生の声はやっぱり落ち着く。それに、声だけじゃない、こうしてそばにいてくれるだけで、安心感がとっても増す。

 

なんか、この感じは……

 

「……お母さん…」

 

「!!?」

 

先生の雰囲気が母というものに似ていると感じた。それが口に出てしまったようだ。

 

「お母さん…っていうのは……私のことかな?」

 

「あっ…すみません……」

 

「全然!別に、お母さんって呼んでくれても構わないからね。」

 

先生は優しく微笑んだ。

 

「……流石に恥ずかしいので………」

 

「そっか…」

 

何故か先生は残念そうにしていた。……そんなにお母さんって呼ばれたいのかな?

 

「でも、先生、なんだか手慣れてましたね。」

 

ふと思ったのだ。看病をしてもらって、先生の手際がかなり良いということに。

 

「……あ〜……それは多分、いろんな生徒たちのことを見てるからかな?」

 

先生はそう答えたが……なんかちょっと変な間があったような……

 

「じゃあ、私は仕事に戻るけど、ユウはもう少し休んでていいからね。」

 

「はい。」

 

申し訳ないなと思いつつ、出ていく先生を見送った。

 

 

 

 

その後、シャーレのオフィス内にて……

 

 

「はぁ……なーんであんな事言っちゃったのかな……”お母さん”は、今の私にとっては呪いの言葉だっていうのに……」

 

先生の独り言が、小さく響いた。

 

 




ここまで読んで読んでいただきありがとうございます。

短くなってしまいましたが、明日は頑張ります。
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