省エネパート2。よろしくお願いします。
先生が招集した生徒たちが宇宙船艦に集まった。
「う!」
「ちゅう〜」
「せーん!」
「かん!」
エンジニア部の3人とアリスがブリッジに到着するなり目を輝かせてきょろきょろと辺りを見回している。
「ほら、言わんこっちゃない……」
ヴェリタスのチヒロが呆れ気味にそう言うが、ユウは苦笑いをする。
「まあまあ、皆さんの夢でしたから。仕方ないですよ。」
「まあ、分かってたことだけども……」
いつもの数十倍はテンションが高いエンジニア部はブリッジにある機械を舐め回すように見ている。
「これが戦艦なのですね!古代技術の賜物でしょうか?……詳しくはわかりませんが、今からじっくりぶん……解析しても良いのですね?」
「宇宙船艦……古代文明……ふふっ、これは研究のし甲斐があるね!」
「私たちの研究は無駄じゃなかった。皆は宇宙船艦なんてとバカにしたけど……アリス、あなたのそのレールガンはその叡智の粋だよ。」
「はい、時代は”宇宙RPG”です!このジャンルは最高です!」
「あはは……元気で何より、ですね。」
ユウの隣では、ユウカが頭を抱えていた。
「はあ……大人しくミレニアムにいるってこの前約束したはずなのだけどね……。うう、でもあんなに楽しそうな姿を見たら、帰すのも心が苦しいわ……」
「ユウカさん、ほんとアリスさんには甘いですよね。」
「うっ……。本当は良くないのだけどね……」
すると、ノアが通信で話しかけてくる。
『まあまあユウカちゃん。アリスちゃんを送り出したのは私の判断です。ユウカちゃんはリオ会長に見つかることを恐れているんですよね?それならば、そこが一番安全だと思いますよ?それに、ゲーム開発部も一緒です。』
「あ、私もいますよ。」
「ヒガン!」
ゲーム開発部の影からひょっこり顔を出したヒガン。
『ユウカちゃんが面倒を見てくれるのであれば、大丈夫でしょう?ヒガンちゃんもいますし。』
「アリス!こっちこっち!」
「モモイ、探検してもいいけど、ものに勝手に触ったりはしないようにね?」
「分かってるって!」
ゲーム開発部はユウカにバレないようにブリッジを出ていった。
「……分かったわ。できるだけ目を離さないように……って、あれ?」
ユウカは辺りを見渡す。…が、アリスたちゲーム開発部の姿は見えなかった。
「あ、アリスちゃんはどこに!?」
『ふふっ。では、よろしくお願いしますね、ユウカちゃん。それと……あまり無理はしないでくださいね。』
ノアの通信が切れる。
「はあ、遊びに来たわけじゃないのに、本当にもう……」
「私がそばにいますから、ユウカさんはユウカさんのやるべきことをしてください。……というか、見送ったわたしも悪いですし……」
「分かったわ。ヒガンちゃん、あの子達を頼んだわ。」
ユウカにそう言われ、ヒガンはゲーム開発部の背を追ってブリッジを離れた。
その後も、エンジニア部やヴェリタスが宇宙船艦の解析を続けた。
■
学園間を越えた生徒たちの協力により、この宇宙戦艦の解析が進み、結論が出つつあった。
「これ、本当に宇宙戦艦なんでしょうかね?」
「ええ。搭載されている武器は無く、飛行可能な高度も100,000mが限度……そして何より、この戦艦の75%以上が論理演算装置になっています。つまり、戦艦と言うよりは、飛行可能な量子コンピュータの類です。」
「つまり、これがあればあのバリアを突破することができるのですね?」
「ええ。この量子コンピュータを活用すれば、”多次元解釈”が可能になります。」
上空にある構造物、”アトラ・ハシースの箱舟”。それに突入するためには、纏っているバリアと同じ状態……つまり多次元解釈、”状態の共存”になる必要がある。
それができるということは。ちゃんとこれは、先生達が探していた”方法”というわけだ。
「それに、このレベルの演算装置であれば……この世のすべてをハッキングすることさえできるかもしれませんね……うふふっ。」
「なんか怖いですね……。あ、でもそれならあの構造物のハッキングも……?」
「この超天才病弱美少女ハッカーである私が使えば、あの”アトラ・ハシースの箱舟”をも手中に収めることができるやも……」
「では、箱舟を墜落させたり、自爆させることも……?」
ハナコが問いかける。
「……そうですね。自爆させるのは難しいですが、推進システムをハッキングできれば墜落させることは可能です。そのためには、箱舟のシステム事態に接続する必要がありますが。」
「なら、なんとかなりそうですね……でも……」
「はい。ヒマリさんの負担が重くなってしまいますね。申し訳ないです、私はこういったことはさっぱりで……」
そう、これから行われるであろう作戦の要となってくるのは、ヒマリ達ハッカーである。
「ふふ、お気になさらず♪私は超天才病弱美少女ハッカーですから。――それでは、多次元解釈の理論を構築してまいりますので、失礼します。」
「はい。お手伝いが必要な時はいつでも呼んでくださいね。私は他の方の様子を見てきます。」
「僕もです。できる限りのことはしますね。」
この場での議論はお開きとなった。
そしてまたしばらくして、一同はブリッジに集められた。
全員の手に作戦計画書が渡された。
「それでは、”アトラ・ハシースの箱舟占領戦”。ブリーフィングを開始します。」
ここまで読んで読んでいただきありがとうございます。
後もう一話挟んでから飛び立つ感じかな……
がんばりまちゅ。