この絡みを書いてみたかっただけ。よろしくお願いします。
ある日の昼下がり。僕はゲヘナ学園の中庭で散歩をしていた。
一番日差しの強い時間帯ではあるが、この暖かな気温と優しく吹いている風が心地よい。
「あっ!ユウお兄ちゃん!!」
すると後ろからそう元気な声がした。
「おや、イブキちゃん。こんにちは。」
後ろを振り返ると、そこには万魔殿の丹花イブキちゃんがいた。
イブキちゃんは僕と同じように飛び級で入学した子だ。でも学年、年齢的に僕よりも下のためお兄ちゃんと呼んでくれる。……先輩じゃないんだと思うけれど……
「こんにちは!」
ぺこりと元気にお辞儀しながら挨拶をするイブキちゃん。……ほんと、いい子だなぁ。
「お兄ちゃんはどうしてここに?」
「天気が良いので散歩です。」
「あっ、じゃあイブキと一緒だ!」
「一緒、と言うとイブキちゃんも散歩に?」
「うん!」
「ふふっ、なら一緒に歩きましょうか。」
そう言って僕は手を差し出した。
「! やった、ユウお兄ちゃんとお散歩だ!」
イブキちゃんはぱぁっと目を輝かせて僕の手を取った。
そして、僕たちは歩き始めた。
■
歩き始めて数分…
「あ。」
「あっ、イブキちゃんにユウくんじゃん!」
「あ、ほんとだ。こんにちは。」
「こんにちは!」
キラキラ部に所属しているキララさんとエリカさんと出会った。
「こんにちは、奇遇ですね。」
「ねっ。ふたりは何してたの?」
「イブキ達はね、お散歩中なの!」
元気な空間が作られている……
「へぇー、お散歩!いいね!私達も今度やってみよっかな〜。」
「うん、いいと思う。」
その後、軽く雑談をして……
「では、僕たちは行きますね。」
「ばいばい!」
「またね〜!」
「またね。」
相変わらず、ゲヘナの生徒とは思えないほど常識人だよなぁ……
■
再び歩き始めて少しして、前方で騒ぎの声が聞こえてきた。
「ん……」
僕はイブキちゃんの前に立ち、銃を構える。
「お兄ちゃん?」
「イブキちゃん、ちょっと待っててね。」
そう言って僕は騒ぎの方に駆けて行った。
「話と違うじゃねぇか!」
「はぁ!?元々そういう約束だったろ!!」
騒ぎの原因は相変わらず不良生徒達だった。
「はぁ……そろそろ勘弁して欲しいんですけどね……」
言い合っている内容を聞く限り、またしょうもない理由で喧嘩に発展してしまったのだろう。
『ヒッ』
不良生徒達は僕の姿を見るなり固まってしまった。
「さて……それ以上騒ぐとどうなるか……分かりますよね?」
『す、すみませんでしたぁぁぁぁ〜!!!』
不良生徒達は蜘蛛の子を散らすように逃げてしまった。
少し圧強めに言っただけなんだけどなぁ……。風紀委員会としての名も十分に広がって来ているため、僕の姿を見ただけで逃げる不良生徒は多いのだ。……まぁ、こうして逃げられるのもこっちは慣れちゃったけどね。
嬉しいんだか悲しいんだか。すると、服がちょいちょいと引っ張られた。
「ん?」
「お兄ちゃん、カッコよかったよ!」
「! そうですか……ありがとうございます。」
イブキちゃんが励ましてくれた。……天使か?
トラブルがありつつもまた歩きはじめる。
「にしても……やっぱり今日は天気がいいですね……」
「ふぁぁ……」
だいぶ歩いたせいか、イブキちゃんは眠そうに欠伸をしている。
「イブキちゃん、眠いですか?」
「うん……」
「でしたら……」
僕はしゃがんで、イブキちゃんに背を向ける。おんぶの体勢である。
「いいの……?」
「はい。寝てもいいですよ。」
僕が優しくそう言うと、イブキちゃんはゆっくりと僕の背に乗った。
「じゃあ、このまま万魔殿まで送りますね。」
「うん……」
僕はゆっくりと、揺れの少ないように歩き出した。
「すぅ……すぅ……」
すぐにイブキちゃんは僕の背で寝息を立て始めた。
「(やっぱり、まだまだ子供なんだなぁ……)」
11という若さにしてゲヘナ学園に入学し、万魔殿に入るというとっても賢い子。でも、所々見える子供らしさ。
こうしておんぶされ、可愛い寝息を立てて寝る姿。羽のように軽いその体。そのどれもが、イブキちゃんがまだまだ子供だということを僕に実感させる。
「(昔の僕も、こんなことをしてたのかな……)」
■
万魔殿の執務室の前に着き、コンコンとノックをする。
「失礼します。」
まだ寝ているイブキちゃんを背負いながらドアを開ける。
「ん、ユウか。風紀委員がなんの用だ……って!イブキ!」
議長のマコトさんは今日も元気だ。というか、そんな大きい声出さないで欲しい。イブキちゃんが起きてしまう。
ということで、僕はマコトさんにしーっとジェスチャーをする。
それを見てすぐさま状況を理解したマコトさんは落ち着いて椅子に座り直した。
「よいしょ……っと。」
イブキちゃんを起こさないようにゆっくりとソファに下ろして寝かせる。まだ起きる気配はなく、変わらず寝息を立てていた。
「では、これで。……あ、そうそう。」
僕はマコトさんにひとつの紙袋を渡した。
「なんだ?……キキキッ、分かっているじゃないか。今日のことは水に流すとしよう。」
「水に流す……って、僕何も悪いことしてないんですけど……。というか、それちゃんとイブキちゃんにあげてくださいね。勝手に食べちゃダメですよ?」
「ああ、分かっている。」
僕が渡したのは散歩途中に買ったプリンだ。イブキちゃんにあげるために買ったのだが、本人は未だ寝ているためマコトさんに渡しておく事にした。まあ、食べちゃわないか心配だけど……
そうして、僕は万魔殿を去り、帰宅した。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
書いてみたかったと言いつつも、上手く書けたか不安です。
昨日更新の話にも書きましたが、本編は少しお休み中ですのでよろしくお願いします。